Q. 黒男さんからの疑問
ふと思ったのですが、へその緒のDNAは母親、子どものどちらのDNAになるのでしょうか?
母親と子どもをつなぐもの……人体の不思議ではないでしょうか?
★関連雑学もたくさんくださいね。(星田)
A. みし丸さんから
ヘソの緒自体のDNAは知りませんが、それよりも母親に近い部分、胎盤自体がすでに胎児の細胞でできているので、ヘソの緒のDNAは胎児のものではないでしょうか。
胎盤とは不思議な器官で、母親と胎児、他人でありながら免疫による拒絶反応が起こりません。それはなぜかというと、胎盤を形成する細胞の中でも、母親の子宮と接する部分の細胞には、自他を判定するHLA抗原が現れないからです。
母親は妊娠期間中、他人である胎児を拒絶しませんが、その拒絶許容限界の現れが出産だという説もあります。
A. かいちょさんから
なんだか、「目からウロコ」のような疑問ですね。そんなこと思いつきもしませんでした。個人的な知識から考えると……、
以前NHKの番組で、
「へその緒は母親と血管のように繋がってはいないが、胎盤とへその緒の間で酸素や栄養分、老廃物のやりとりができる仕組みがある。そのため、母親と胎児の血液が混ざることがなく、母子で血液型が違っても問題ない」
という(感じの)説明がありました。つまり、へその緒のDNAは子どものものと思われます。
A. BJさんから
ずばり!赤ちゃんのものです。赤ちゃん〜へその緒〜胎盤までが赤ちゃんに属します。
お母さんの子宮とは薄い液体の層で接している状態で、液体を仲介にして酸素や栄養を渡しています。血液を始めとしてお互いの成分は混じることなく、繋がっているのですね。だから母子で血液型が違っても大丈夫なわけです。
A. かいちょさんから
へその緒のDNAはたぶん赤ちゃんのと同じはずです。
私の子どもたちは自分のDNAを持った造血幹細胞を冷凍保存していますが、それぞれ生まれたときに臍帯血をへその緒から絞り出して、そこから取り出しています。
A. 異邦人さんから
母体と胎児を繋ぐ「臍の緒」はどちらのものかということですが、これは胎児のものです。
卵子が母親の子宮内に受精後着床し、発育をしますが、その際に胎児が母体から栄養をもらうために胎盤を同時に発達(発育)させます。その胎盤から胎児へ栄養を送る装置の一部が「臍の緒」です。
薀蓄その1
胎盤と子宮内膜の血管は直接接続していない。
意外に思うかも知れませんが、直接血管が接続しているわけではなく、接合部分で栄養分やガス(酸素と二酸化炭素)を交換しています。直接接触していたら、血液型不適合で胎児が死んでしまいます。
薀蓄その2
出産直後、臍の緒に流れていた血流は産声を上げると同時にその機能を停止します。臍の緒が脱落して瘢痕となったものが「へそ」です。
薀蓄その3
胎盤及び臍の緒は発生学的に見ると爬虫類の「卵のう」と「尿のう」であり、卵生から胎生に変り、卵のうなどが退化し胎盤へ変化したものです。そのために爬虫類などにも「へそ」が存在しますが、哺乳類ほど目立つ存在ではありません。
★ごんたさん、フッキーさん、bluestarさん、麻生有美さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
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