--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.538 (2006.07.27)

Q. ふくろうさんからの疑問

 新聞などの「テレビ欄」、これをみてて思った疑問です。
 昔は「○時00分」というぐあいに、きりのいいところで番組が始まっていたのですが、
最近は「○時58分」のように、正時ちょっと前から始まる番組が多くなってきましたね。
 これは一体なぜ? どんなメリットがあるのでしょうか?

視聴者を逃がさない工夫? CMが絡んでる?(星田)


A. ホアさんから

 前の番組が終わり、特に見る番組を決めていない視聴者をキャッチするのが目的でしょう。
『うたばん』のように、ネット局ではちょうどの時間から始まる番組も多いのではないでしょうか。

A. アンギラスさんから

 他局に先んじて視聴者を確保するという意味もあるでしょうが、「X時58分」などという「中途半端」な数字は心理学的に緊張をもたらし、記憶に深く残ります。
 実験などでも「]時58分、集合」としたときは、「(2分後の)Y時集合」としたときに比べ遅刻が減ったそうです。
 その時間帯で、見る番組を特定していない人が番組表などを見たときに、深く印象付ける目的もあるのではないでしょうか。

A. ごんたさんから

 ご指摘のとおりザッピング対策ですね。
 他局がCMを流している間に番組を始めれば、次々にチャンネルを変えて視聴している人を獲得でき、視聴率が上がる=広告も見て貰える、という図式でしょう。
 ただ、内容自体は正時から見ても差し支えない番組がほとんどで、単なる予告であったり、挙句の果てには、早く始まる部分だけにスポンサーが付いて別番組化していることもあります。そういうところより内容で勝負して欲しいな、と思うのは私だけでしょうか?

A. ポポンさんから

 星田さんのおっしゃるとおり、視聴者を逃さない手法です。
 正時前に始めることによって、他の番組に視聴者が流れないようにしているわけですが、この方法が通用するのは「同時間帯に同ジャンルの番組がある場合」にかぎります。同ジャンルでなければ、放送を早めて視聴者を確保なんてできませんからね(時間が来れば内容でチャンネルを変えられてしまいます)。
 この正時前放送を始めたのは、平日17時前から始まるテレビ朝日の「スーパーJチャンネル」と言われています。長らく各局が18時〜19時にニュースを放送していましたが、テレビ朝日が1時間前倒しの17時〜19時で放送を開始するようになりました。すると、他局も放送前倒し編成で対抗(日本テレビは17時半〜、TBSは18時〜をキープしていましたが)、テレビ朝日は準備をしていたようで、TBS以外が17時開始になった途端、時間をさらに繰り上げ16時54分〜に。日本テレビ、TBSも紆余曲折ありつつ17時前の開始になり、現在では、

  16:53〜 日本テレビ「リアルタイム」
         テレビ朝日「スーパーJチャンネル」
  16:54〜 TBS「イブニング5」、
  16:55〜 フジテレビ「スーパーニュース」

となっています。
 テレビ朝日はさらに、ゴールデン時間帯の番組も「○○:54」始まりにしましたが、やはり同ジャンルで競うわけではない時間帯のためか、効果が出ずに正時開始に戻しています(例外的に『報道ステーション』は54分始まり)。
 他にはTBSがニュースからつなぐためか、18:55からゴールデン時間帯の番組をはじめています。
 しかし、54分始まりとは言っても、地方ローカル局との兼ね合いか、「始まって速報ニュース→正時までCM→正時から改めて番組スタート」という構成がほとんどですね。
 また、54分始まり以外にも、「正時で始めるものの、前番組との間でCMを挟まない」という手法もあります。

A. おやじうどんさんから

 いわゆる「フライングスタート」というものですね。やはり視聴者を引きつけるために始まりました。これが始まる前は正時の直前は民放各局ともにCMを流しており、言い換えれば「どのチャンネルでも同じ」状態でした。そのため、CMの放映時間を調整して、他局よりも番組を早く始めるようになったとされています。
 その理由はその時間帯の視聴率のイニシアチブをとるためです。まず最初にその番組のハイライト、あらすじ、見どころなどをピックアップし、興味を引きつけて本編へと導きます。番組がスタートすると、概ね20分以上はCMなしで放映します(1時間以上の番組、ドラマやバラエティー番組での場合。HDDレコーダーで録画し、チャプターの時間を確認した実績による)。これによって裏番組の最初の部分を見させないようにし、残りの時間も見てもらうようにしているのです。もちろんCMは放映しますが、その前後にはヤマ場を作るというのがパターンになっています。
 テレビ局にとっては、視聴率は非常に重要なバロメーターです。そのため、番組と番組の区切りには特に気を使っているそうです。
 また、最近では番組と番組の間にCMを挟まないパターンもあり、2時間以上の場合は正時をまたぐ時間帯にはCMを挟まないといったことも行われています。
 なお、日本で最初に始めたのが青森放送で、かなりの効果をあげたそうです。