ふと思ったのですが……
・「ルシアン」というカクテルがあります。これは「RUSSIAN=ロシアン」あるいは「ラッシャン」なのですね。
・「LUCIEN」は、フランスでは時折ある名前のようです。
・「ROULETTE」はルーレットというゲームの固有名詞ではなく「小さくて回る
もの」という一般名詞。
・回転拳銃revolverのrevolveにあたるフランス語はない。
「ロシアンルーレット」というのは……、
1.まったく違う意味のものが転用された
2.違う発音の言葉が誤記された
のいずれかではないかと思います。
ただその背景には、ロシアという国の持つ冷徹なロマンチシズムとでもいうイメージがあり、間違えられやすかったのでは?
もう一つ有力な説は、1950年代から60年代にかけての創作説です。007の名作『Loveletter
from Russia(ロシアより愛を込めて)』は制作当時、すでに「ソビエト」という名称が一般的であったのに「ロシア」を使っています。そのイメージを使って西側の誰かが創作したのでは? たとえば池波正太郎の「仕掛け」のように。そうだとしたらいかにも古くからあるような印象を与えてしまう名ネーミングですね。いずれにせよ、まだ結論はわかりません。
★こじまさんから、追加です。
交流のある某大学の言語学の助教授(専門は日本語系)に聞いたところ、元来は単なる「ロシア製の回転拳銃」という意味の言葉ではなかったか、という推論でした。しかし、ロシアを含めのヨーロッパの拳銃はリボルバーではなく単発あるいはオートマチックが早くから主流であったらしく、意外と古い言葉になるのかも知れません。
ビートルズは来日した時、警備の警官が持っている「回転式拳銃」を見て、新しいアルバムタイトルに「Revolver」とつけたという話は有名ですが、ヨーロッパ人である彼らは回転式拳銃自体が珍しかったのでしょうか。同時代の007のタイトルバックもオートマチックですね、そういえば。
サッカー・フランス代表のジダン選手のあだ名が「マルセイユ・ルーレット」です。くるくると回転しながら敵をかわす技術に長けているからでしょうか。このあたりにも何かヒントがあるような気もします。