--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.573 (2007.01.13)

Q. てつさんからの疑問

『宇宙戦艦ヤマト』とか見てて思うんですが、宇宙には重力がないですが、上下左右の感覚はあるんでしょうか?
 もしそういうものが無いのなら、敵の宇宙船が逆さに現れたりするだろうし、ガンダムとかだって、常にみんな同じ向きで戦ってるのはおかしい気がします。
 だれかこの謎を解いていただけませんか。

なるほど、言われてみればそうだ。
 スターウォーズの戦闘シーンでも、敵も味方も、上下が揃っていたような。
 ガンダムでは、逆さで戦っているシーンもあったような……。(星田)


A. ごんたさんから

 重力が無いので、感覚的には上下の感覚は無いでしょう。アニメや映画の世界では、観客を基準に上下を仮定しているのかと思います。
 人間は上下の感覚がある世界で生きている生き物ですから、それを無視した描写をすると、理屈では分かっていてもやはり違和感を感じるのではないでしょうか?

A. YOSHYさんから

 アニメの制作経験もなく推測の域を出ませんが、敵もしくは味方の編隊が上下ばらばらでないのは、「編隊」を組んでいるため当たり前だと思います。敵と味方で上下方向が同じなのは、たぶんそのほうが書きやすいのと、見た目に違和感がないためではないでしょう。
 ちなみに、艦船が被弾したら火災で煙がたなびくとか、爆発で飛び散る破片が艦船上に落ちるなんてありえません。まして、宇宙空間で炎が出るなんてあるわけがないが、科学的事実に忠実な描写より今の描写のほうがずっと迫力があるのではないでしょうか。

A. ginさんから

 私も疑問に思ったことがありました。で、一応ながら調べてみたんです。
『機動戦士ガンダム』などに出てくるドーナツ型の宇宙コロニー。あれはあの輪を回転させることで「遠心力」を生み出し、外面を下と認識するようにできているようです。
 戦艦についてはまだちょっと分かってませんが、整然と並んで敢行しているところを見るかぎり、回転による「遠心力」というわけではないようです。

A. Picorinoさんから

 上下左右というものは何らかの基準からの比較で成立します。
 地球上では上下は通常は重力方向が基準であり、左右は自分や相手が基準です(第三者も含め、目的語でとりあげた人が基準。例:XXの右)。
 無重力の宇宙では、上下の基準が自分になる場合と自分が乗っている宇宙船などになる場合があるでしょう。左右は地球上でと変わりません。
 ということで、敵の宇宙船が逆さや斜めに現れることが当たり前で、常にみんな同じ向きで戦ってるのはおかしいのです。
 しかし、主な視聴者である子どもたちには、その概念が理解できるとは思えません。したがって、地球上と同じような環境に置き換えて製作しているのです。
 でも、本当は作者自身にその概念が無くて、地球上と同じように考えているだけだったりして!

A. ざ〜さんから

 そんなもんありませんよ。上下感覚は、生理学的には「固有感覚」と呼ばれるものです。
 固有感覚とは、地球上のどの方向に自分の体があるのかを無意識に認識する感覚をいいます。地球の中心に向う方向を正方向とした感覚です。地球上(つまり引力のある場所)でしか通用しません。
 この感覚は地球上のほとんどの生物に備わっています。土にまいた種が空に向って生育するのもこの感覚があるからです。
 地球儀が北を上にして立っているのは、自然のままだと転がって邪魔だから便宜上北を上にしているので、南極観測隊の人達は一日中逆立ちしているわけではありません。南半球では南が上の地球儀も売られています。
 地球上でもそんなんですから、無限に膨張を続けている宇宙空間に上下左右という概念は存在しません。

A. Volklさんから

 宇宙では上下感覚はありませんから、アニメは正しくはありません。正しくないというよりも、リアルに再現すると見ている人が見にくいのと、酔ったりするからではないでしょうか。
 宇宙空間で爆発音がするのもおかしな話です。
 でも、ガンダムにでてくる宇宙コロニーは重力を生み出すために、自転していますから、ちゃんと考えているところもあります。

A. glucoseさんから

 おっしゃるとおりで、宇宙には上下がありませんので、おかしいと言えばおかしいです。
 ただ、発進基地が同じ宇宙船同士は同じ向きを向いていると思いますので、敵同士、味方同士の向きがそろっているのはおかしくないと思います。
 ガンダムは見たことないのでわかりませんが、私の記憶がある程度残っている『スターウォーズ(エピソード4〜6)』では、上下の区別がない完全な宇宙空間での戦闘ってあまりないんですよね。近くに惑星や小惑星、デススターなどがあって、少なからず重力がある場所で戦闘をしています。つまり上下の方向があるんです(デススターは惑星に比べて小さいですが、エピソード4でX-Wingなどの戦闘機がデススターに向かって墜落しているシーンがあるので、それなりの重力を持っていると思われる。)
 ちなみにスターウォーズは最初のエピソード4のときから、真空の宇宙空間で戦闘機が「ヒューン」と音を出すのはおかしいと言われていました。結局いちばん新しいエピソード3まで、「ヒューン」と音を立てていました。

A. アンギラスさんから

 宇宙空間には上下左右の感覚がないはずですから、敵の宇宙船が逆さに現れたり、スターウォーズのような一騎打ちの戦闘シーンがあったとしても、それぞれがバラバラの向きになって闘うのでしょう。しかしそれでは、普通に上下左右の感覚を持つ観客にとって違和感が生じるし、一瞬で理解されにくいですね。
 たとえば、いきなり宇宙戦艦ヤマトが逆さになった映像が映れば、正常に航行していても「ヤマトが転覆した?」って感じになるでしょうし、複数の一騎打ちのシーンで、それぞれがバラバラの向きの映像を撮るのは、アニメならともかく、実写ではいくらCGが発達していても大変だし、観客にとっても現実感が湧かない映像だけに物語に没入できません。
 結論。映画の宇宙空間で上下が揃った映像は、観客に解りやすくするための「嘘」である。

A. 4児の父さんから

 てつさんのおっしゃる通りです。
 人工的な重力でも生み出さない限り、宇宙では上下の関係はありません。ですから、敵味方の艦隊同士が同じ方向を上にしているということは、普通はありえないことでしょう。
 しいて言うと、ガンダムでは、多くのモビルスーツが、戦艦の船体のあちらこちらに、さまざまな方向を向いて、立っていたシーンがそれらしくできていると思います。
 ただ、宇宙空間での出来事をあまりに科学的に描写すると、通常のわれわれの日常感覚と異なりすぎて、かえって違和感があるため、適宜、科学的事実を無視していることはあります。
 たとえば、撃沈された戦艦の爆発音や四散の仕方、ザクが宙に浮きながらマシンガンを撃つ、そのマシンガンから薬莢が排出されるなどは、すべて臨場感を出すためにわざと描かれていることです。
 上下関係に関してのみ言えば、「銀河英雄伝説」では、銀河水準面というものを規定して、一定の座標を作っているようなので、このような方式で物事が成り立っていれば、敵味方が同じ方向を上にして、戦うことがありえるかもしれません。

麻生有美さん、bluestarさん、江戸川三連豚さん、やおろずさん、賢さん、黒男さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。