--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.577 (2007.01.31)

Q. カビーさんからの疑問

 世の中には、様々な「毒」を持つ生き物が存在しますが、それらは、いずれも爬虫類、両生類、魚類あるいは昆虫などばかりです。
 そこで思ったのですが、
「毒」をもった「哺乳類」や「鳥類」は存在しないのでしょうか? どなたか、教えてください!

存在しないとすれば、どうして存在しないのかが気になります。
 毒を含ませた言葉を吐く人間はいるようですが……。(星田)


A. 異邦人さんから

 動物の毒で哺乳類は無いのかと言う疑問についてですが、ありました!
 それは、オーストラリアに棲息する「カモノハシ」という単孔類です。オスの後ろ足の蹴爪(けづめ)に毒腺があり、犬ぐらいならイチコロで、人間も体調次第では死ぬこともあるそうです。

A. ゆめきちさんから

 鳥類は分かりませんが、ほ乳類で毒を持っているのは「カモノハシ(オス)」です。
 カモノハシは、オーストラリアの東部とタスマニア島に生息していて、モグラにカモのクチバシを付けたような体をしています。手足は短く、水掻きを持っています。
 以前、毛皮を取る目的で乱獲され、生息数が激減しました(元々繊細な生き物で、きれいな水がないと生きて行かれないのも原因)。現在は、オーストラリア政府が厳重な保護を行っています。
 夜行性で、ほとんど水中で暮らします。時々息継ぎのため、水面に顔を出します。目は、ほとんど見えず(と言うか、泳ぐときは目をつぶる)、餌となる貝類や小エビなどが発する微弱な電流を感じ取って補食します。
 水辺に横穴を掘って巣を作ります。巣穴は2箇所作ってあって(トンネル状)、外敵に襲われたときに、もう一つの穴から逃げられるようになっています。
 水掻きは、折りたたむ事ができ、陸地を移動しなければならない事情が生じた場合、この機能を上手く利用して器用に走ることができます。
 メスは、卵を産みます。卵と言っても鳥類と異なり、母体内で発育し、完成体の状態で出産します。大きさは2pぐらいの小さい物で、殻は柔らかいです。また、乳首はなく、お腹の辺りにある乳腺から出される母乳を与えます。
 さて、毒の話しですが、水掻きの後に爪があり(人間でいうと親指になるのかな?)、この爪に毒があります。成人男性の腕を腫れ上がらせるほどの毒があるそうです。

A. 如熊夢さんから

 毒を持つ哺乳類ですが、まず比較的有名なものには、卵で産まれ母乳で育つ変わり者としてもお馴染みのカモノハシがいます。彼らはオスの後足にある蹴爪に毒があり、主に外敵に対してそれを用います。
 他には、食虫目に属する小型哺乳類であるトガリネズミやソレノドンの唾液に毒が含まれており、餌をとる際に役だっているようです。
 また、自ら分泌するわけではありませんが、ザンジバルアカコロブスという猿の体内には、食料とする植物の葉に含まれるアルカロイド系の毒が蓄積されているとか。
 鳥類に有毒のものはいないと長い間思われてきましたが、1992年、科学雑誌『サイエンス』において、ニューギニアのピトフーイという鳥が皮膚や羽毛に神経毒を持っているという発見が報告され話題になりました。天敵から身を守るのに役立っているようです。

A. 賢さんから

 有名どころでは確か、原始的哺乳類のカモノハシが爪に毒を持っています。
 カモノハシ近縁のハリモグラも毒を分泌する腺は残っていますが、退化して使えないそうです。鳥類でもピトフーイという鳥は毒を持っているそうです。
 「毒」はそもそも、捕食者を足止めして逃げたり、体表の警戒色と併用して捕食者を退けたりと、弱い生物が身を守るために用いるものであり、基本的に捕食者の立場である鳥類や哺乳類には不要なので持っていません。
 動物毒の場合、毒を使う動物よりも高位の生物に対して強力に働き、下位の生物に対しては無力であることが多いそうです。

A. 蒋龍さんから

 毒をもつ鳥はニューギニアにいます。ピトフーイ(ズグロモリモズ、カワリモリモズなどの総称)という鳥で、皮膚や羽に神経毒をもっており、外的からの防御に役立てているそうです。
 また、毒を持つ哺乳類として、カモノハシやソレノドン、ミズトガリネズミなどのモグラ類が挙げられます。
 哺乳類なのに卵を産むことで有名なカモノハシのオスは、後ろ足の爪に毒を持っています。またモグラ類は、唾液に毒を持っているそうです。
 なぜ、哺乳類や鳥類に毒をもつものが少ないかですが、哺乳類の場合は生態系の頂点に君臨することもあり、ネズミ類などを除けばあまり捕食される危険性がないので毒をもつ必要がなかったのではないかと思います。
 また鳥類の場合、飛んで逃げることができるため、毒をもつためにエネルギーを使うなら、飛翔のためにエネルギーを使ったほうが有利だと判断し(意思で判断するわけではないですが)、毒をもたないように進化していったのではないかと考えられます。
 おそらくガゼルなどの哺乳類も、毒を持つより走って逃げる生き方が進化したのではないかと。

A. サムサムオさんから

 チスイコウモリの唾液には、血液の凝固を阻害する酵素や麻酔作用のある成分が含まれています。蚊の唾液を毒とするならこれも立派な毒だと思います。
 また反則気味ですが、スカンクのおなら(正確には肛門嚢分泌物)、これも直撃すれば失明の危険があるということなので、毒に含めていいと思います。

A. 舞武さんから

 毒は、それを持っている生物にとって、大きく分けて二つの意味を持ちます。一つは、獲物を仕留めるためで、ヘビやサソリなど、毒をもった動物のほとんどはこのパターンのようです。
 もう一つは、外敵から身を守るため。スズメバチ、ミツバチ等は、こちらで。サソリ蠍も、場合によってはこちらの目的で使うこともあるようで。
 あと、個人的な考えですが、たまたま人に対して毒性を持っているだけの場合もあるんじゃないかなとは思います(フグとか)
 上記の理由から、基本的に毒は体の小さな動物が自分の生存率を高めるために持っているものであるため、虫、両生類、爬虫類に持っている個体が多いです。逆に鳥類や哺乳類は、餌に対してその体の大きさそのものが武器になりますし、鋭い牙や爪や嘴もある為、毒は基本的に必要ありません。
 じゃあ、全くいないかと言うと、そうでもありません。鳥だと、ピトフーイという鳥が毒鳥として知られており、なんと羽根に毒があります。目的は防衛のためようですが、ピトフーイ本体が毒を作っているのではなく、餌から毒を採っているため、ひょっとしたらたまたま毒を持っているだけかも知れません(でも、おかげで敵には狙われないので、やっぱり防衛目的でしょうか?)。
 また中国でも昔、鴆鳥(もしくは鴆)という毒鳥が存在したと伝えられています。これは、講談社のコミック「探偵学園Q」で御存知の方も多いのではないでしょうか。
 哺乳類だと、哺乳類というには若干特殊性が強いですが、カモノハシが後ろ足に毒を持っているのが有名ですね。

A. glucoseさんから

 動物が毒を持つのには、2つの理由があります。
 1つめは防衛のため。つまり毒があれば他の動物に食べられないようにすることができます。
 でも、大型の動物、たとえば馬がそのために毒を持つとしたらどうでしょうか? 体全体に毒を持っていないと、毒のないところだけ食べられてしまいます。もし馬全体に毒があるとすると、それは相当量の毒を持っていなければなりません。そのために毒を作るための臓器を有して、さらに体内に巡らせるだけの組織が必要になるのと、毒はないけど走って逃げるように進化するのとどちらが楽かといえばおそらく後者です。
 それに鳥類やほ乳類が爬虫類や両生類、昆虫と大きく違うのが、子どもを育てる動物ということです。昆虫や魚は卵が孵ったらあとは子ども達が自分の力で生きていきます。でも、鳥類やほ乳類は、自分で自分の子どもを育てます。(モズのように一部は他人に育てさせる動物もいますが。)もし、自分の子どもに乳をあげているときに怪我をしてしまったら、子どもが母親の毒を飲むことになります。それに子どもが怪我をしたら傷口をなめますよね。そうしたら子どもの毒で親は死んでしまいます。ですから、子どもを育てる動物、大型の動物は毒を持っていることはリスクが高いのです。
 動物が毒を持つ2つめの理由は、自分より大きな動物を攻撃するときです。
 ライオンが馬を食べるとき、馬の足を噛めば、毒を持っていなくても馬の動きを封じ込めることができます。だから必要ないのです。ところがネズミのように小さな動物が大きな動物を攻撃するときは、唾液の中に毒を持っていた方が獲物を倒せる可能性が高くなります。ですから小さな動物はほ乳類であっても毒を持っている動物がいても良さそうです。実際ネズミには毒を持つ種類もいるのです。

黒男さん、ざ〜さん、ごんたさん、アルクさん、アンギラスさん、YOSHYさん、4児の父さん、麻生有美さん、るねぞうさん、Takanoさん、こなゆきさん、JH9IFGさん、エックマンさん、イコちゃん、ardbegさん、如熊夢さんからも回答をいただ きました。ありがとうございました。