小生もかつて、れっこいさんと全く同じ疑問を持ち、調べたことがあります。10年以上前の記憶なのでかなりあやしいですが、おおまかには以下のような感じでした。
まず第一に、ルネサンス期のイタリアでは、呼称として一般的に、ファーストネーム(名)の方を用いる風習があったということです。
「ミケランジェロ」「ラファエロ」なども同様で、確かに彼らの姓を知っている人は少ないと思います。
参考までに確認したところ、「ミケランジェロ」の姓は「ブオナローティ」、「ラファエロ」の姓は「サンティ」でした。
また、「ガリレオ」も含め皆男性なので、名がオ段の音で終わっております。 第二に、こちらは私見ですが、「ガリレオ・ガリレイ」の名前のつけ方も、関係があったと想像しております。
イタリア、トスカナ地方では、姓を単数形に変化させて、長男の名とする習慣があります。
有名な例では、高級ブランド、グッチの創業者の名は、「グッチオ・グッチ」です。もし、「ガリレオ・ガリレイ」が、この風習にのっとらないで、もっとありふれた名前を付けられていたらどうだったでしょうか?
たとえば彼が、「マルコ・ガリレイ」であったとしたら、いくら当時のイタリアで、ファーストネームが一般的な呼称であったとしても、「マルコ」だけでは、広くかつ後世まで呼称としては使われなかったのではないでしょうか? やはり、「マルコ・ポーロ」のように、「マルコ・ガリレイ」とフルネームで呼ばれていたと思います。
しかし、彼の場合には、「ガリレイ」という珍しい姓であることに加え、トスカナ地方の風習にのっとった命名であったため、「ガリレオ」だけで十分に個人を特定でき、その結果、「ガリレオ」の方が、一般的な呼称になったのだと思います。
ちなみに、「ガリレイ」という姓自体が、イタリアにいた「ガリレオ・○○○(失念しました!)」という名の偉人にあやかって、彼の先祖が「ガリレイ」と名乗り始めたようにも記憶しておりますが、こちらは自信がありません……。