--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.598 (2007.05.11)

Q. よしみさんからの疑問

 仕事柄、コピー機をよく使います。最近のコピー機は、やたら速いです。
 よく考えてみれば、不思議なことがあります。
できたてのコピーは、なぜあんなにあったかいのでしょうか?  冬の寒いときに、20枚ほどまとめてコピーしたときなどは、あったかさがうれしいです。
 きっと、コピーの原理が分かれば当然のことなんでしょうが、教えていただけるとうれしいです。
 また、最新のコピー機事情なども知りたいです。よろしくおねがいします。

コピー機のふたを開けずにコピーができるようになったとき、とってもうれしかったです。(星田)


A. ごんたさんから

 まず、現在のコピー機の仕組みを簡単に説明します。
 原稿に光を当て、光が反射しなかった部分(文字などの黒い部分)に静電気を発生させ、トナーと呼ばれるカーボンの粉を吸着させて印刷を行います。吸着されたトナーは、静電気が消えれば紙から離れてしまうので、定着と呼ばれる工程が必要になります。トナーに樹脂などを混入させておき、熱を加えることで紙に貼り付くようにします。ちょうど、アイロンプリントと同じ原理です。
 出来立てのコピーが暖かいのは、この熱によるものです。
 コピー機が壊れて紙が内部に詰まったりすると、取り出した際に手が真っ黒になってしまうことがありますが、これは最後の定着が済んでいないためです。
この段階だと、指でこすれば簡単に印刷が落ちてしまいます。

A. glucoseさんから

 温かいのは、レーザープリンタのメカニズムによるものです。
 インクジェットプリンタはインクを絵の通りに打ち込むのでわかりやすいのですが、レーザープリンタはもうちょっと複雑です。
 ローラーという部分をマイナスに帯電させ(静電気を発生させると思ってください)、インクのかわりにレーザーで絵を描きます。レーザーが当たったところは静電気がなくなります。そこでトナーを振りかけると静電気が残っているところにだけローラーにトナーがくっつきます。
 ローラーに残っているトナーを紙に転写し、熱をかけるとトナーが紙に固定されるのです。温かいのはそのためです。
 紙詰まりなどしてとりだした紙に触ると文字が消えてしまうことがあるのは、熱をかけて固定する前の状態の場合です。
 ちなみに、昔はオゾンが出て人体に悪かったのです。これはローラーに帯電させる場合に放電をしていたため、空気中の酸素が酸化されてオゾンになっていました。
 最近ではオゾンが出ないようになっています。これはキヤノンが特許を保有しており、ほとんどのメーカーがこれを使っているそうです。
 なお、キヤノンのホームページ上でCGやFlashアニメを使ってメカニズムを説明しているので観てみてください。
 
http://web.canon.jp/technology/canon_tech/category/lbp.html

A. 舞武さんから

 コピーの大まかな原理ですが、まずコピーする元となる紙に光を当てます。光を当てると、紙に当たって光が反射します。反射した光を、感光体というドラム型の装置が受け取ります。
 この感光体というのは、暗い場所では静電気がたっぷり纏わり付きますが、光を受けた所は静電気が無くなるという性質を持った半導体で出来ています。
 ここでポイントが一つ。紙に当たった光が反射すると書きましたが、当然黒い部分、即ち、文字が書かれた所は反射しません。すると、紙から反射した光を受け止めた感光体に、文字が書かれた所だけ静電気が残ります。
 この感光体に、コピー機ではおなじみのトナーを吹き付けます。すると、静電気が残っている部分にだけトナーが吸着します。
 このトナー吸着したドラム型の感光体を紙の上で転がすと、トナーが紙に写り、コピーされるのです。
 しかし、この時点ではまだトナーは粉のままである為、印字が安定しません。そこで、トナー転写後の紙に熱と圧力を加え、トナーを溶かして紙に染み込ませることで、印字を安定させます。
 このトナーを溶かしているときの熱が、あのコピー仕立ての紙の温かさの秘密でした。
 コピー機がジャムったときに中を開けると、物凄い熱を持っていることが解かります。火傷を負いますので、注意が必要です。

A. Morleyさんから

 簡単に、コピー(PPC複写機)の原理を紹介します。
 発泡スチロールを小さく千切っていると、スチロールが手にくっついた経験はありませんか? それは手に発生した静電気に反応して、スチロールが手にくっついているのです。
 コピー機に使われている黒い粉(トナー)はスチロールの細かい粉です。コピー機の中には感光ドラムという部品があり、光が当たることにより、静電気が発生したり、発生させなかったり、コントロールできる部品です。
 そこにトナーをふりかけると、静電気がある部分にトナーがくっつきます(手と発泡スチロールの話を思い出してください)。そして、そのトナーを紙に写し取ります。
 そのままでは、トナーは指でこすったら、紙から離れてしまうので、定着ローラーという部品で紙とトナーをくっつけます。
 どうやって紙とトナーをくっつけるかというと、スチロールは熱で溶けるので、定着ローラーを熱して、紙に押し付けるのですね。つまり、紙にアイロンがけをしているわけです。

A. 東さんから

 専門家ではありませんが、以前うちにある家庭用コピー機の修理に来てもらったときにちょっと教えていただきました。
 簡単に言うと、コピー機は光を当てることにより原稿を読み取り、トナーという粉状の物をコピー用紙に吹き付け、それを出口付近にある部品で定着させます。この定着させる部分がかなりの高温なのだそうです。
 出口付近の部品なので、出てきた紙もまだ暖かさが残っているんですね。紙詰まりを起こした時に中からコピー途中の紙を取り出すと、印字部分が手に付いたりしますが、まだ定着されていないからです。(家庭用も業務用も原理は似たようなものではないかと思うのですが、違っていたら申し訳ありません)
 修理の方曰く、最近は複合機の普及でコピーのみの機種は減少傾向にあるそうです。印刷もA版が増えてきたとか。
 ですが、中には私のようにどうしてもB4が印刷できないとという方や事業所があり、それなりにコピー機の需要もあると仰っていました。

A. Cobiさんから

 某コピー会社で働いている者です。
 コピーは粉のインク(トナー)を紙にのせて、アイロンをかけて紙にくっつけて(定着)いますので、出てきた直後は温かい(熱い)のです。レーザープリンタも同じ仕組みですので、同じように温かいですよ。インクジェットは液体のインクを紙に染みこませているので温かいは無いですがしっとりしてますね。
 詳しくは、富士ゼロックスのサイト内の「カラーコピーの仕組み」をご覧頂くと分かりやすいかと思います。
 ADF(自動原稿送り装置)からスキャン(読取)、プリント(コピー)、両面印刷の仕組みがわかりやすく紹介されています。昔から比べると格段に進歩していて感動モノです。

麻生有美さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。