--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.612 (2007.07.18)

Q. とよさんからの疑問

 トイレの話で恐縮です。水洗トイレについての疑問です。
 和式でも、洋式でも、トイレを上から眺めると、底にすでに水がたまっています。においが逆流してこないように、あらかじめためておくのだと聞いたことがあるのですが、本当ですか?
 不思議なのは、日によって、トイレにたまっている水の水面の高さが違うのです。「ええ!」っと驚くくらい、水位が低いこともあります。不思議でなりません。
 U字管を「∪∩」のような感じでつないでいるだけだ思うので、たまっている水の量が気圧の影響を受けるとは考えにくいのですが……。教えてください。

すごいことに気がつきましたね。確かに、水位が動いていますね。(星田)


A. glucoseさんから

 この疑問を読んで早速トイレに駆け込みました。
 お〜っ。確かにそうかも。だから水垢のつく位置が毎回変わるんだ! と妙に納得です。
 ところで、よく考えてみると当然かもしれません。水を流したとき、∪∩の部分に水が溜まります。このとき大気圧と下水側の気圧が同じであれば、水面は同じ高さになります。
 もし、ある日、台風で低気圧だったとします。翌日、台風一過で高気圧に恵まれ、晴れていたとします。すると大気圧が高くなるので、下水側の気圧が変わらなければ、便器側の水面が大気圧によって押されて水面は下がるはずです。逆に大気圧が下がれば、下水側の気圧に押されて便器側の水面は上がります。
 天気だけでなく下水側の気圧も近くで大量の排水をすれば高くなったり、いろいろな要因で変わるでしょうから、水面の高さが変わってもおかしくはありません。

A. 異邦人さんから

 この方の家の状況がわかりませんので的はずれになるかもしれませんが、考えつくのは次の二つです。

1.あまり使わないトイレの場合(たとえば、複数ある場合の一つ)。
 単純にたまっている水が蒸発し、水位が下がった。我が家の二階のトイレによく起こりました。

2.一つの配水管を複数のトイレで共有する場合(1件の家に複数のトイレがある場合、マンションの一室の場合)
 トイレの水が勢いよく流れると配管内の空気が一緒に下水管の方に流れるため、パイプ内の気圧が下がり、ほかの便器にたまっている水をパイプ内に引き込むことがあります。特にパイプがつまり掛けの時要注意。

A. サムサムオさんから

 水が減る理由ですが、主な原因の一つが気圧変化です。
 たとえば、トイレの扉を勢いよく閉めるとトイレ内の気圧が上がりますが、下水側の気圧はそのままなので、トイレの水が下水側に吸い出され水位が下がります。
 他にも、下水の構造に問題があった場合、風呂や洗濯機、他のトイレの流水等で下水管内の気圧が下がってトイレの水が下水側に吸い出されることもあります。
 他の原因としては、水の勢いと水の供給不足があります。
 トイレの種類にもよるのですが、水を流している間は水の勢いで水量が減り、流し終わりの勢いの弱い水で水を溜めるという順番になっているトイレでは、タイミングがずれたり、十分な水が流れない場合、水が溜まらずに水位が最大まで上がらないこともあります。
 また、トイレが長期間使用されなかった場合、水が蒸発して水位が下がることがあります。

A. SZLさんから

 液体・気体といった流体は、流動する際に、静止している状態より圧力が下がります。
 身近なところでも確かめる方法をひとつ。
 止まっている扇風機の気流の範囲の少し外にリボンや糸等を垂らし、スイッチを入れると、気流の方へ引き寄せられるのがわかるでしょう。これは、外部よりも気流部分の方が圧力が低くなったため、気流側へ空気が引き込まれていることから起きる現象です。
 トイレの水位が低くなるのも同様。下水配管の上流側から下流(本管)側へ排水が流れると、一時的に下水管内の気圧が外部(室内)より下がります。すると、支流部分にあるトイレの U字管部分の水(洗面所の排水管と同様の構造になっており、一番最後に流れてきた分が残って溜まるようになっています)が下水管側へ引き込まれて ある程度の量 流れ落ちるため、気圧が平衡状態に戻った時点で元より量が減ってしまうからです。

A. picorinoさんから

 管をS字に曲げて、下向きU字部分に水が停留する仕組みで、その水面の高さに影響するものはいくつかあります。
 主なものは、水の入り口から出口に至る部分の形状及び太さ、流す水の量及び速度です。
 非常にゆっくり水を流し込むと、水面は毎回同じ位置になります。それは上向きU字部分の下面と一致する高さです。
 ところが、大量に速い速度で流し込むと、水路内の水流が速くなり勢いで後方の水を引きずり込みます。水路が細く、上向きU字からの出口水路が十分長いと、ほとんどの水は引きずられてつながったまま流れ出てしまいます(ただし、S字の高低差が10m程度が限度、つまり大気圧が水の重さと釣り合う高さ)。
 しかし、水の流れが速くても、水が入り口で乱流となって空気を巻き込むと、この引くずり込みはおき難くなります。
 一般の便器では、かなりな量がどっと流し込まれ、そこで渦を巻きます。最後の方には空気を巻き込む音も聞こえるでしょう。水流は引きずり込まれるが、最後に気泡が混じって先行部分と途切れ、残りが水の栓になるのです。
 バケツでそーっと水を追加すると、水面は数センチ高いところに安定します。

A. bluestarさんから

 便器の底にたまってる水は「封水」と業界ではよんでます。おっしゃるとおり汚水管からの臭いや虫の進入を防いでます。
 洋便器には何種類かあって、それぞれ封水の溜まり方が異なります。いちばん少ないのが「洗い落とし便器」これは水の勢いで流すタイプ。もう一つが「サイフォン式便器」。これは空気の引っ張る力で流すタイプで音が静かですが、封水は多く溜まってます。
 封水の溜まり方が日によって違うのは、汚水管内の空気圧の変化で変わる場合があります。特に集合住宅の場合は影響を受けやすいですね。
 もう一つは、配管内に汚物が付着して、それにより封水が毛細管現象で徐々に流れ出してる場合もあります。これは時間がかかりますし流れも悪くなりますのですぐわかります。おそらく前者の影響だと思います。

A. 4児の父さんから

 まず、トイレや水道の配水管の屈曲部に水が溜まっているのは、とよさんがおっしゃっている通り、におい(場合により有毒ガスも)が逆流させないためのものです。
 とよさんの家のトイレの溜まり水の水位が、大きく変化するということですよね? おそらく、とよさんの家は、マンションなどの集合住宅なのではないでしょうか? 小生の家は一軒家なので、このような現象はほとんどありません。
 この溜まり水の水位に影響を及ぼすいちばんの原因は、溜まり水前後の気圧差です。
 溜まり水前は、当然大気圧ですから、1気圧でしょう。ところが、溜まり水後は、1気圧でないことがあるのです。
 集合住宅などでは、各家庭の配水管が徐々に集合し、やがて太い集合管になります。ある家庭がトイレの水を流すと、集合管内を多量の水が速い速度で流れる結果、集合管内の気圧が下がります。そうすると、とよさんの家のトイレの溜まり水の前後に気圧差が生まれ、その溜まり水が引っ張られてしまうのです。当然、集合管が細いほど、流れる水の量が多いほど、また速いほど気圧差は大きくなります。
 極端なケースでは、水道の配水管の屈曲部の溜まり水が全くなくなり、悪臭が逆流したケースもあるそうです。このような現象を、「サイフォン現象(他動サイフォン現象)」といいます。
 また、上記のような他の家庭の排水とは関係なく、自分の家のトイレだけでも、あまりに勢い良く水が流れると、溜まるべき部分に水が留まれずに流れてしまうことがあります。これは、「自動サイフォン現象」といい、これも溜まり水の水位を変化させる一因だと思います。

ごまさばさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。