--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.613 (2007.07.21)

Q. 不思議ッ子さんからの疑問

 ガソリンの値段のことがよく話題になります。
 ガソリン(石油)は大切な、少ない資源です。今は、ガソリンは1リットル130、140円くらいです。一方、ペットボトルに入れられて売られている水は、200円くらいします。
どうして、水の方が高いのでしょう? というより、どうしてガソリンはあんなに安いのでしょう?
 すごく疑問です。と同時に、何だか納得できません。

ガソリンが水より安い! う〜ん。いいんだろうか……。(星田)


A. 船橋さんから

 私がアメリカにわたった1998年当時、水、牛乳、ガソリンの値段は次の通りでした。

  ガソリン1ガロン(3.8リットル)= 89セント
  牛乳1ガロン = 1ドル50セント
  水1ガロン = 3ドル20セント

 なんとガソリンは、水より、牛乳より安かったのです(いまはかなり高騰していますが……)。あまりに驚いたので、あちこちに理由を聞いてまわりました。回答は、「水は、ぜいたく品であるから」ということでした。
 アメリカは、日本ほどではないのですが、水道の水がかなりおいしいのです。それを飲んでいても健康上なんの問題もない。なのに、わざわざ水を買うというのは贅沢行為なので、値段を高く設定してあるそうです。実際、アメリカで水を買うのは、収入で上位40%以上の金持ち層です。
 それに対して、ガソリンが高いと、通勤、通学、電気代、運送費用、etc. さまざまなもののコストがすべてあがってしまいます。なので、そう簡単にはあげることができないそうです。
 おそらく、日本でも同じような理由で水のほうがガソリンより高く設定されているのでは?と思います。
 余談ですが。
 以前、サンフランシスコで、「利き水コンテスト」が行われたことがあります。ビッテル、エビアン、クリスタルガイザー、一日おいたサンフランシスコの水道水を、水の味がわかるという5人が飲み比べて順位をつけていました。なんと、水道水を1位にした人が2人、2位にした人が3人いました。
 日本の水道水は、このサンフランシスコの水よりさらにおいしいのだそうです。それでも、おいしい水を買うって、どれだけグルメやねん!と思います。

A. tumiさんから

 物の値段は、買ってもらえる価格で決まります。
 ミネラルウオーターが200円で売られているのは、200円で買う人がいるからその値段で売れるのです。
 企業としては、イメージの良さや付加価値を付けて、少しでも高く売る努力をします。が、逆に全然売れないと、原価割れになっても売らざるを得ません。

A. ごんたさんから

 もしも、ガソリンが水と同じようにペットボトルで売られていたら、水よりは高くなるんじゃないでしょうか?
 つまり、高いのは水そのものではなく、手間ではないかと思うのです。そうでなければ、水以外のお茶やジュースなどの飲み物と同じ値段というのはおかしいと思いませんか?
 ジュースやお茶と水が同じ値段なのは、水質管理や輸送費などの費用が価格に上乗せされているからでしょう。原油(ガソリンの原料)は大型タンカーなどで運搬されるためコストも低く抑えられていると思います。

A. YOSHYさんから

 ガソリンがなぜ安いかと言われると、困惑しますが、大きな理由は量り売りと容器売りの差、単なる消費財と工業品との差のような気がします。
 まず最初に、誤解を解かないといけないのが、ガソリン1リットルの価格の内、50円以上は何らかの税金です。ということは、ガソリンそのものは100円くらいと言うことになります。
 原油はリッターに直すと50円くらい。もちろん、原油全部がガソリンになるわけがないので、材料費はもっと高いはずです。となると、確かに安い。 一方、ペットボトルの水は、商品によってかなり差があると思いますが、1リットルで550円から400円くらい。
 ただ、缶コーヒー等の価格の内、中味のコーヒーよりかんかんの方が高いというのは有名な話ですし、2リットル(もしくは500ml)容器に詰め包装するということを考えれば、高いのもわかるような気がします。
 ペット飲料も「◎◎の水」50リットルと言ってタンクに入れてもらえれば、かなり安くなると思います。

A. picorinoさんから

 全ての物価は基本的に需要と供給で決まります。現実には少し政策的な下駄が履かされていることもあります(つまり税金の相違がある)。そういう意味でガソリンは道路税が高いし、ビールも酒税が高いが水にかかる税は消費税だけ。そうするとなおさら、ミネラルウオーターとガソリンの本来の値段の相違は開きます。でも、やはり、原因は需給にあるのです。
 もしガソリンが1リットル500円したら、今のような使い方は誰もしません。50円だったら、もっと気軽に無駄使いする結果、道路が車で極限渋滞になるまで交通量は増えるでしょう。
 同量の水で比べるとして、ペットボトル500ccが250円したら買う人は激減するでしょう。しかし、25円だったとしても、たくさん買うとは思えません。ペットボトル水の需要は多くないのです。
 供給側の論理ですが、ペットボトル水の値段は、

   水の原価+ペットボトル+輸送販売コスト+利潤

ですが、水そのもののコストはかぎりなくゼロに近い。そして、売れる量が少ないので、輸送販売コスト(冷蔵もコスト高の原因)の割合は大きい。
 対するガソリン価格は、

   原油価格+精製コスト+輸送販売コスト+利潤

です。そして、量り売りで販売単位が大きい(1回何十リットル)ため、ガソリンそのものの値段が占める割合かなりが大きい。
 結果として、現在のように、500ccの水が140円程度、ガソリン1リットルが140円程度となったのです。
 ちなみに、原油価格があがるとガソリン価格はドンドン上がります。しかし、源泉水の値段が上がってもペットボトル水の値上げはわずかでしょう。

A. Morleyさんから

 二つの側面から説明したいと思います。

【1】「水」は安い
 水道水とガソリンを比較すれば、水は十分に安いですね。
 ここで問題になっているのは、ペットボトルに入っている水です。そこには「○○の銘水」などのブランド名が付いています。そのブランド名が付くことによって、付加価値が付き、より高い値段で売ることができます。
 つまり、「水」の値段ではなく「○○の銘水」の値段である、と考えると納得はいくと思います。
 ガソリンも産地等によって品質に差はありますが、ブランドといったイメージ的なものは比較的排除され、科学的組成の差によって値段が決まってきます。
 また、工場で組成を調整の上、末端に届けられるので、値段の差はあまり目立たなくなります。
 少々話はそれますが、安全性の観点から、ミネラルウォータは水道水より一概に安全か?といわれると、疑問はあります。水道水は水道法の規制を受け、ミネラルウォーターは食品安全法の規制を受けています。
 水道法の水質基準は、食品安全法のそれと較べ、遥かに厳しいもののようです。ただ、現在日本で売られているナチュラルミネラルウォーターと言われているものの安全性は十分に高いのだと思いますが、悪質な業者がいるのだとすれば、水道法の基準に則った水道水のほうがより安全、と言える場合もあるかもしれません。

【2】販売の単位と手間が違う
 ミネラルウォーターは、500〜1500ml程度に小分けされて、日本の様々な場所で売られていますね。
 一方、ガソリンは何十リットルといった単位でガソリンスタンドに出向いて購入します。小さい単位に小分けして、日本中にそれを届ける、というのには結構コストがかかります(ガソリンスタンドと水の自動販売機の数、どちらが多いでしょうか?)。
 災害対策用などで、ガソリンを缶詰にした商品もありますが、その値段はミネラルウォーターよりも高いようです。

やまおさん、サムサムオさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。