--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.624 (2007.09.08)

Q. 舞武さんからの疑問

 眼の悪い人が眼鏡をかけると、よく見えるようになります。0.03くらいの人が0.7〜1.0位に上がったりするようです。
 では、
1.5や2.0の人が、4.0とか6.0くらいに見えるようになる眼鏡は、なぜないのでしょう? ケニヤの人たちは4.0以上の視力を持っているらしいので、是非それくらいの視力を体験してみたいのですが……。
 どなたか情報ありましたら教えてください。

日常生活で、4.0もの視力が必要ないからだという答えが多いでしょうが、もしかしたら、4.0を体験するメガネがあるかもしれません。情報をお待ちしています。(星田)


A. SHOWさんから

 「4.0」ではないのですが……。
 パリダカで優勝した増岡浩がテレビのインタビューを受けていたときに、「コンタクトレンズで視力を3.0に矯正している」と聞いたことがあります。砂漠を高速で走るので、それくらいの視力がないと危険なのでしょうね。
 なので、少なくとも3.0までの矯正は可能だと思いますが、4.0以上の矯正は僕も聞いたことがありません。度をキツくする=矯正というわけではないという話も聞いたことがあります。
 あまり参考にならなかったらスミマセン……。

A. glucoseさんから

 4.0以上のメガネはあると思います。
 視力について簡単に説明すると、5m離れて1.5mmが見えれば、視力が1.0となります。視力検査のわっかのことをランドルト環といいますが、1.0のランドルト環は直径が7.5mm,すきまが直径の5分の1で1.5mmです。
 視力4.0とは5mの4倍、20m離れてこのランドルト環の向きがわかる状態です(アメリカ等ではランドルト環ではなく、アルファベットのEを使うことが多い)。
 メガネではなくコンタクトレンズでは作るのは難しいと思います。目の視野角は120度くらいですが、人の目は120度の確度の情報を小さな網膜で受けます。 たとえば、20m先であれば半径約34m(20×√3)の円が見えるわけですが、それを受け取る網膜の半径はわずか1cm程度です。20m先の1.5mmは網膜上では0.4μmです。
 視神経がそれほど小さい情報を受け取ることは、かなり限界に近いでしょう。アフリカ人はおそらく日本人と視神経の密度が違うのではないかと思います。
 デジカメに当てはめて考えるとよいかもしれません。100万画素のデジカメに良いレンズ(ピントがぴったりあうレンズという意味で、望遠レンズという意味ではない)をつけても描写力が悪いのと一緒です。
 キヤノンが開発した5000万画素のCMOSでは、広角レンズでも300m先の車のナンバープレートが読めるそうです。でも300万画素のカメラではそんなことはできません。デジカメの視力が悪いってことですね。

A. Sweetさんから

 普通の視力測定で計測する、眼および対象物が静止している状態における視力「静止視力」は、確認できる最小視角の逆数で表され、1分(1度の1/60の角度)の視角を確認できる能力を視力1.0としています。視力4.0なら0.25分まで認識できるといった具合ですね。
 具体的には、5m離れた視力表で、直径1.875mm 、空隙0.375mmのランドルト環(視力表のC型の図形)が認識できるってことになります。
 で、視力低下の原因となる眼球の光学的な歪みを完全に補正しうるメガネがあれば、網膜の解像度の限界まで視力を向上させることが可能(驚異的な視力が得られるかどうかは、網膜の解像度そのものや、眼球〜脳・脳内の処理能力まで影響するでしょうし未知数ですが)なわけですが、この静止視力を向上させた視界を得たいのであれば、簡単に実現できますよ。
 それは「望遠鏡」を使うことです。

A. picorinoさんから

 4.0とか6.0くらいに見えるようになるメガネはあります。望遠鏡と呼ばれています。でも、これだけじゃ不親切すぎますね。
 人間の目にはレンズと、網膜というセンサーがあります。そして、網膜に焦点が合って対称がきれいに写るように、レンズの厚さが調節できます(カメラのズームレンズでは複数のレンズ間の距離を変えて同様の目的を果たす)。
 きれいに写る(はっきり見える)かどうかは、レンズと網膜の距離およびレンズの調節能力によるのです。そして、焦点が合うのは一点ですがその前後もある程度見えます(その幅をカメラでは被写界深度といいます)。
 レンズと網膜の距離はほぼ生まれつきで決まりますが、調節能力は老化や酷使で衰えます。
 本題の4.0とか6.0が見えるめがねですが、近視用のメガネがそういう目的にかなうでしょう。近視は近くに焦点が合っています。それを少し遠くに合うようにするからです。ためしにごく軽い近視用メガネをかけてみてください。効果があるかも知れません(効果はその人の視力によって異なる)。
 というのも、望遠鏡は主に凸レンズで拡大する効果で見えるようにしますが、近視メガネは凹レンズで焦点が合う位地をピッタリあわせることで見えるようにするからです。

A. アンギラスさんから

 眼の中の水晶体(レンズ)で集められた光が、カメラで言えばフィルムにあたる網膜上に像を結ぶことによって、モノが見えるのです。
 視力が良いということは、基本的にレンズの調節で遠くから近くまでピントを合わせることができる……と言うことです。
 通常、白内障・網膜はく離などの病気以外で、視力が悪くなるというのは水晶体を厚くしたり薄くしたりする筋肉の能力が落ちてきて調節できなくなるからです。
 通常、眼鏡などで4.0とかにならないのは、網膜上に並ぶ視細胞の数と網膜の構造が関係しており、人間の場合、デジカメの画素数にあたる視細胞が、網膜全体で約20万個程度です。
 これは、動物としては多いほうなのですが、100m以上の上空から、ネズミなどのエサを発見する猛禽類などの100万個に比べて、かなり少ないです。
 また、網膜上には眼に栄養を運ぶ毛細血管が張り巡らされ、これも、ずば抜けた視力が得られない一因です。
 光を感知する視細胞の数は増えず、毛細血管などの視力向上を邪魔するものがあるので、視力を良くするのには限界があるのです。
 遠くのものを見るには「双眼鏡」という手段がありますが、これでは「視力が上がった」とは言いませんよね。
 コレは推測ですが、アフリカの草原などで暮らしている人は、狩猟で獲物を見つけるため、猛獣に襲われないよう、日常から眼を使っているうちに、ピントの調節機能が鍛えられて、ピントが合う範囲が広くなったのではないでしょうか。

A. 4児の父さんから

 舞武さんは、おそらく近視ではないのでしょうね? 小生は、まあまあ以上の近視です。近視の身分で眼鏡を使っておりますと、舞武さんの疑問はなんとく解けるように思います。
 こんなふうに考えてみました。
 舞武さん、知り合いに近視で眼鏡をかけている人はいませんか? いたら、借りてかけてみてください。きっと遠くがよく見えると思いますよ。ただし、像はものすごく歪んでいると思いますが……。ちょうど、近視用眼鏡の過矯正と同様だと思います。
 単純には、近視用の眼鏡の応用で、正視の人の視力を4.0にする眼鏡は作れると思います。
 ここで、近視の眼鏡をかけている方ならお分かりでしょうが、近視用の凹レンズでは、視野周辺の像は歪んでいますから、正視の方がこのような眼鏡をかけると、像の歪みが強く、気持ち悪くなったり、頭痛がすることになるでしょう。
 この視野周辺の像の歪みは、凹レンズには避けれないもので、かつて牛乳瓶の底と言われた球面レンズから、最近は歪みの少ない非球面レンズへと進化し、改善はされてきていますが、残念ながらなかなか満足いくものは出来上がっておりません。
 これを解決するためには、レンズを複数枚使って、像の歪みを修正する必要があります。
 こうして、複数枚のレンズを使って像の歪みのない視野を得られる、遠くを見るための眼鏡を作ると……、なんだ、双眼鏡じゃないか!!

A. QWERT7さんから

 超極端な話、望遠鏡もメガネの一種とすれば、視力4.0どころか(数字は判りませんが)土星のリングでも見えます。そういう意味では、メガネで視力増強は可能でしょう。
 ちなみに視力8.0以上と言われるケニアの方も、いわゆる「C」マークでの視力検査では意外にも2.0程度のことが多いのです。
 ところが不思議なことに、見る対象が人の顔や動物の姿だと、確かに視力8.0となることがあり、これは単に光学的な問題ではなく、認知心理学の問題とされています。

A. YOSHYさんから

 直接の回答としては、「知りません」です。回答になっていない。確かに。関連情報を幾ばくか送ります。
 確かに、砂漠の遊牧民では4.0なんてざらで、6.0などというのも珍しくないそうです。日頃から、砂漠の遠く、地平線上を見つめているおかげなんでしょう。
 ところで、望遠鏡でどれくらい細かいものが見えるのかといった場合、「ドーズの限界」という経験則があり、望遠鏡の口径を「D(mm)」とした場合、116/D(わり算結果の単位は角度の秒)となります。
 人の瞳孔は約7mmと言われているため単純にわり算をすると約17秒という数字が出てきます。
 一方、視力1.0とは角度で1分(60秒)のものが区別できる能力であり、いわゆる視力とは判別できる角度の逆数ということですので、上の数字を当てはめると、人間の目の潜在能力は3.5となります。
 いわゆる近視・遠視というものは網膜上に焦点が合わない状態で、眼鏡というのは網膜上に焦点を合うように調整する道具です。
 ところで、小生も中学生・高校生時代は天体観測などということをやっており、火星とか木星の表面をよく覗いていました。
 その模様をスケッチということになると、実は全員が同じものを見、全員焦点が合っている状況なのですが、細かい模様が見える人と見えない人がいるのですね。
 ベテラン氏に言わせると、慣れらしいのですが、網膜の光を感じる細胞の密度が人によって大幅に違うとも思えないので(デジカメにたとえると、普通の人は300万ピクセルだがベテランは1600万ピクセルとか)、視神経から入った情報を処理する脳の実能力(もしくは訓練で鍛えるとか)に因るところが大きいのではないかと思います。
 で、最初の命題に戻りますと、人間の目は望遠鏡ではありませんが、潜在能力として、視力が3.5位ありそうですが、訓練とか慣れとかがないと、視力4というのは難しいのではないでしょうか。所詮、眼鏡とは目のピントを合わす道具にすぎないのですから。
 ただ、発想の転換をしますと、10倍の倍率の拡大鏡を使うとすれば、視力1.0の人は10.0まで見えるということになります。そう、双眼鏡です。カメラのズームもそうです。ただ、それは眼鏡とは言いませんが……。

洞窟ピングーさん、鬱兵さん、麻生有美さん、Nakaさん、ぎんぺーさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。