--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.626 (2007.09.18)

Q. しゅうちゃんからの疑問

 温度、湿度、濃度、角度……などなど、「度」がつくことばがたくさんあります。それぞれ、何かの度合いを表しているので、「度」がつくのでしょう。それはいいのです。
 このうち、私の疑問は、温度と角度です。
 温度は摂氏温度なら「℃」、華氏温度なら「°F」のように、「°」を使って表します。また、角度も「°」を使って表します。温度と角度に共通する「°」って、一体何なのですか? なぜ、共通しているのでしょう?
 小学校の頃からの疑問です。よろしくおねがいします。

ほぉ〜。面白い。温度や角度の他に「°」を使う場合ってあるのかな?(星田)


A. YOSHYさんから

 これは推測です。
「°」は元々英語(元をただせば古代フランス語?)のdegreeの代わりに使っていた記号で、「程度」を客観的に表すときに使っている科学用の単位のようです(したがって「学位」には使いません。非常に意味深ですが)。
 おそらく、英語でdegreeが付く客観的数値にはすべてこれが付くのではないでしょうか。
 ちなみに、大好きなお酒のアルコールの濃度にも「°」が使われています。
 ときどき、時間で「′」「″」とともに「°」が使われていることもありますが、これは誤用だと思います。

「°」について少しまじめに調べましたところ、「℃」の「C」は、「セルシウス」であると、1848年の第9回で議決まっていたようです。しかし、一般的には、「センチグレイド」とよく聞きます。
http://lamar.colostate.edu/~hillger/temp

「°F」については、アメリカ人向けの天気予報ではごく一般的に見られます。「°K」については、上記の学会ではあり得ない(degree Kは「ない」)となっていますが、表記としてはときどき見かけます。
 そのほか、アルコール度数で「°」を使っているのをときどき見ます(スーパーで調べたら、サントリーのアイスウォッカとジンの表記が「37°」でした)。通常%ですが、15℃のときの容量の割合を、%または度と決まっているようです。
 これらの共通点は、英語表記で、“degree”、日本語表記で「度」が入っていることです。ということは、「°」に何らかの意味があるのではなく、単にdegreeの略ではないかと思います。
 ということは、医学用語で、やけど の重度を示すために「度」を使いますが、ひょっとしたらこれも「°」を使っているのかもしれません(英語サイトを調べる気力が続かなかったので完全に想像の段階ですが。ちなみに、細胞の癌化の度合いも1度〜4度だったと思いますが、これは、phaseを使っていました〜私目の大腸ポリープは3度でした)。
 実は同じようなことが、「マグニチュード」にもあります。
 マグニチュードと言えば、地震の規模しかないようですが、天文用語で、星の明るさ「等級」のことをマグニチュードといって使っています。肉眼で見える、いちばん暗い星の等級を“least magnitude”といいます。

A. 賢さんから

 温度と角度の「°」について、推測ですが……。
 温度と角度に共通することとして、「特定の2点を定めて、その間を等分した単位」ということがいえます。
 摂氏温度の「1度」は、水の融点と沸点との間を100等分したものです。角度の「1度」は、円一周の最初と最後との間を360等分したものです。
 また、温度と角度の特徴として、「「ゼロより上」「ゼロ」「ゼロ未満」に大きな違いがない」といえます。
 理解しにくいかもしれませんが、たとえば、「3m」と「2m」と「1m」は長さが違うだけですが、「1m」と「0m」と「−1m」は、「在る」か「無い」か「概念としてありえない」かという大きな違いがあります。
 同様に、「3kg」と「2kg」と「1kg」は重さが違うだけですが、「1kg」と「0kg」と「−1kg」も、「在る」か「無い」か「概念としてありえない」かという大きな違いがあります。
 しかし「°」を使う角度では、「円の中心から見た「3度の方向」と「2度の方向」と「1度の方向」」がちょっと向きが違うのと同様に、「円の中心から見た「1度の方向」と「0度の方向」と「−1度の方向」」もちょっと向きが違うだけで、長さや重さのような大きな違いが発生するわけではありません。温度でも、「3℃」と「2℃」と「1℃」がちょっと温度が違うだけなのと同様に、「1℃」と「0℃」と「−1℃」」もちょっと温度が違うだけです。
 水の多い地球上では0℃が重要な基準になっていますが、もともと摂氏温度の基準になった「水」以外の物質にとっては、3℃が1℃に下がるのも、1℃が−1℃に下がるのも大した違いはありません。
 以上のように、「特定の2点を定め」、「等分して目盛りを作り」、「最低がゼロではない」単位に「°」が使われるのではないでしょうか。
 メートルも元々は赤道と北極点との距離を等分して基準にした単位ですが、最低がゼロなので「°」がつきません。
 温度であっても、最低がゼロの絶対温度では単位は「K」であり、「°」がつきません。

つまり、「0m」というのは「長さ」がないのだけど、「0℃」という温度は存在するし、「0°」という方向も存在するということですね。人が便宜的にそこを「0」としているのだけれど、どうしてもそこが「0」でないといけないかと問われると、特にこだわらない。そんな感じですね。(星田)

異邦人さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。

A.現在、調査中です。情報ください。 [メール]