Q. マイクさんからの疑問
運動会のシーズンになると、いつも浮かんでくる疑問があります。
私の友人にもいたのですが、裸足で競走するのです。先日、娘の運動会を見に行きましたが、やはり、裸足で走っている子どもがいました。
不思議です。裸足の方が、速いのでしょうか?
靴を履いた方が安全で、速いと思うのですが……、実際のところはどうなのでしょうか?
オリンピックに出るようなランナーは、本当は、裸足の方が速いのだけれど、安全のために靴を履いているのでしょうか? 運動音痴の私にも理解できるように、お願いします。
★石があったら痛いだろうにね……。(星田)
A. ワインチョコさんから
中学校の運動会で、裸足で走っている子どもがいました。それは、中学2年の我が息子でした。さっそく、インタビュー。
「裸足で走っていましたが、どうしてですか?」
息子:「速く走れるから!!!」
「裸足のほうが速く走れるのですか?」
息子:「……、速く走れるような気がする」
「ような気がするだけ? 本当に速く走れてるんですか?」
息子「……、そんな気がするだけ……かも」
ごめんごめん。裸足で走ってる姿は、とってもかっこよかったよ〜。裸足で走るとかっこいいということです。答えになってませんね。
A. かずやんさんから
裸足で徒競走を走るのは利点もあれば不利な点もあり、これは人それぞれかと思います。
裸足は靴と比べ大地をしっかり蹴ることができますから、キック力が増すはずです。これは瞬発力や加速力を得るのに大きな利点ではあります。
ですがそれに反し、直接地面を蹴るわけですから星田さんの言われるように小学校のグラウンドに砂や小石等があった場合は痛い(と言う反射的意識の)ため、キック力は逆に低下すると思います。また長距離の場合だと、靴のようにクッションがないのでヒザ等に衝撃がかかりダメージが大きくなります。
よくニュースで、靴を履かずに裸足で校庭を駆け回っている小学校があるのを見かけます。先生は、「裸足で走ることで脳を活性化させる」と言ってました。
A. ごんたさんから
我々が普段履いている靴はスポーツ用とは謳いつつも、耐久性などを考慮した靴底などを用いたりしますので、多少の重さがあるのは仕方がなく、それらを脱ぐことで足が軽くなり、走りやすいと感じるのではないでしょうか?(締め付けがない分、気持ちが良いことも要因の一つでは?)
プロのランナーでも裸足の人はいるようですが、あれは足裏の鍛え方(!)が違うからできる技なのではないでしょうか?
靴は、足裏の保護(異物、路面の質、地面からのショック吸収など)や、力を路面に伝えやすくする(グリップ力)等、履くことによって得られる利点は多くあります。何より、走ることを目的とされて設計された靴ならば、裸足より良い記録が出せないはずがありません。
一般の人で裸足の方が速く走れるという人は、恐らく、適切な靴を履いていない(足に合っていない、靴の種類が違う、等)のではないかと思うんですが。
A. 異邦人さんから
地面と足裏の摩擦力が最大になればそれだけ速く走れるようになります。靴を履いた場合には靴と地面との間の摩擦力もありますが、足裏と靴との間の摩擦力が大きくなることが必要です。
さて、では裸足で走るよりも靴を履いたほうが速く走れるのでは? と思うかも知れませんが、今度は靴の重さというものが邪魔をします。スポーツカーのバネ下荷重と同じで、軽ければ軽いほど良いのです。そうすると、裸足に近いほうが良いわけです。ですから、最近のスポーツシューズは軽くて靴底の摩擦係数が高いものになっているのです。
昭和40年代の前半ぐらいまでは短距離走などのために「足袋」が売られていました。これは裸足に近い感覚で走れたのですが、足裏のゴムの質が良すぎて1回走ると擦り切れてしまい、使えなくなったものでした。
最近のマラソン用シューズはこれに近いですね。ただし、耐久性は格段と上がっています。
A. アンギラスさんから
履いている靴の底がツルツルだったら、地面を蹴るときに滑って力が逃げるので、つま先で地面を捉えられる裸足の方が速いと思いますが、そんなに差は無いと思います。
陸上競技の選手の場合は、靴の底にはスポーツ工学で計算された位置に3〜4mmのネジ式の鋲が取り付けられるようになっており、地面を蹴る力がロスなく伝えられるようになっているので、スパイクを履いた方が速く走れるのは間違いないです。
オリンピックでメダルを争うような超一流選手の場合、シューズメーカーと契約を結び、超軽量素材の生地や反発力などを考慮した靴底、鋲を取り付ける位置を足にあわせるなど、全てを考慮した完全オーダーメイドのスパイクを履いている場合が多いですね。
A. YOSHYさんから
確かに大昔はよく見かけました(最近は運動会そのものにも行っておりませんが)。
昔の運動場は生徒たちが休み時間に踏み固めてくれるため、晴れているときはテニスのクレイコートのようにカチコチに固まった粘土の上に薄く砂が乗っているような状態で非常に滑りやすかった。しかも靴は今ほど地面を捕らえる力はなく、重く、しかも高価であった。したがって、当時は裸足で走る方が速く、その方が選手みたいでかっこよかった。
しかし、それが全国に普及した発端は、アベベだと思います。
マラソンの直前に靴が壊れたため、裸足で走り世界記録を塗り替え優勝したので、裸足で走ることがかっこよく思えまねしたのでしょう(格好をまねても、当人のようになれるわけではない。本当の勝因は高地トレーニングだと言われていますが)。
しかし、あれからうん十年、軽くて地面をしっかり掴める靴も比較的(収入が上がったため)安価で入手できるようになり、走る場所も舗装道路、樹脂(?)トラックの上と様変わりしたため、現在は裸足で走る方が負担が大きく、したがって遅いと思います。
A. picorinoさんから
人間は100万年ものあいだ裸足でした。履物を履くようになったのはここ数千年のことです。単純に考えると裸足のほうがよさそうですが、そうではありません。
昔の人は、100mとか42kmを、人生をかけて競い続けるようなことはしませんでした。ここまでやるのは現代人だけなのです。そして、スポーツ記録は伸び続けています。これには、人間の進化もありますが、用具の進化の影響は大きいのです。
たとえば、ランナーが走るとき、着地は踵からです。裸足で走路に踵から着地すればクッションはあまりありませんから関節を痛めてしまいます。靴のクッション効果があればこそ、全力疾走が可能なのです。
また、靴の裏の摩擦力(材質と形状で異なるが人の足の裏よりはるかに高い摩擦係数がある)が蹴る力を無駄なく地面に伝えるし、足の皮膚を保護します。現代人は裸足で全力疾走はできません。
A. あきあきさんから
裸足で走ったら速いかということですが、私はそうは思いません。
というのも、中学時代の運動会で裸足で走って、トップからビリまで転落した記憶があるからです。まぁ、私の足が遅かっただけかも知れませんけど……。
私はともかくとして……、
陸上選手の場合はつま先部分にだけスパイクのついている靴を履いて走っています(昔の話かも知れませんが)。裸足では後ろ向きにける力を地面に伝えるのに限界があるからでしょう。
それだけの力がかかるわけですから、裸足の場合、脚の皮膚にかかる負担も相当なもので、小さな突起(石など)でも痛みは倍増だと思います。そういう心配をなくして、走りに集中する為にも靴は必要と思います。
今回の疑問からは多少ずれますが、運動靴のかかと部分だけに1cmくらいの敷物を入れて走ったら、走るのが速くなったという実験もテレビで見たことがありますよ。
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