Q. アンギラスさんからの疑問
なぜ、餅は焼いたら、柔らかくなるんでしょう?
つき立ての餅が時間が経って硬くなるのは解ります。おそらく、水分が失われるからでしょう。
お汁粉や雑煮などに入れて加熱されると、水分を吸収して柔らかくなるのは当然でしょう。しかし、もちを焼くと水分が失われ、一層硬くなってもうよさそうなものですが。餅を焼くと柔らかくなる原理や理屈も知りたいです。
★面白い疑問ですね。正月までに解決したいですね。(星田)
A. YOSHYさんから
経験によるもので、理論的根拠はないのですが、餅が軟らかくなるのは、餅の中に含まれる水分が膨張して、餅がスポンジ状になるからではないでしょうか。
その証拠に、本当にかちんこちんになった餅は、いくら焼いても硬いままです。そして、我々のような年寄りは、正月が終わると、飾っておいた鏡餅をお水に十二分浸してから焼いて食べます。
一般に、焼くよりも電子レンジで「チン」する方が柔らかくなります(焦げ目がつかないので食べてもおいしくは感じませんが)。
A. 麻生有美さんから
水分が、完全に無くなって干乾びたお餅を焼くと、せんべいになります。
普通焼いてるお餅は、表面は固いけれど、中には水分がいっぱいたまっているので、焼くと内部の水分の蒸発のせいで、お餅は、柔らかくなるということです。
A. 異邦人さんから
餅は厳密に言えば「固体」ではなく、液体と固体の混合物である「ゲル」なのです。
そのため、つき立てのときに含んでいた水は温度が下がっても餅の中にそのまま残っています。だから、硬くなった餅を加温するとつき立てのときのように柔らかくなります。
A. ごんたさんから
まず、餅は水分が抜けると硬くなるのですが、内部の水分は相当な時間を掛けるか、表面積を多くしてわざと乾燥を進めるような処置をしないと抜けません。外部の水分が先に抜けると、それが卵の殻のように内部を保護するため、内部が乾燥しにくくなるからです。
餅を焼くと、外面は水分が無いため炭化(こげる)が進んで硬くなりますが、内部は残った水分によって餅が柔らかくなります。
お汁粉や雑煮に入れる餅でも、一度焼いた餅なら外側は硬いままのはずです。焼かずに入れると乾燥した外部が水分が吸って全体が柔らかくなります。
昔からあるおやつに、餅を薄く切って直火で焼く煎餅のようなお菓子があります。私の住む地域では「かき餅」と呼んでいますが、焼く前の状態でも売っていることがあります。完全に水分が抜けているので、焼いても煎餅状にはなりますが柔らかくはなりません。
A. よしなさんから
小学校(中学だったかな?)の家庭科で習った「なぜお米は冷めるとかたくなって、温めるとまたふっくらになるのか」というのを思い出しました。
お米には澱粉(デンプン)がたくさん含まれています。デンプンは結晶構造をとっており、なかなか水には溶けません。しかし、熱を加えると溶けるようになります。溶けるといってもどろっとした感じです。冷めてくると溶けたデンプンがまた結晶化して沈殿してきます。最近あまり見かけませんが葛湯のような感じです。(正確にはデンプンにはアミロースとアミロペクチンの2種類が混合されており、前者は温水に溶けますが、アミロペクチンは溶けません。)
このようにどろっとすることを「糊化(こか)」といい、冷えてまた分離することを「老化」といいます。お米やお餅は冷めてくると「老化」して堅くなります。老化したお米やお餅にも水分はまだたくさん含まれているので、熱を加えるとまた糊化してふっくら、やわらかになるのです。
ちなみに、アルカリ性の水を用いると室温でも糊化します(もちろん食べられなくなりますが……)。これは段ボールを作るときの糊として使われたりします。
★抹茶ケイキさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
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