--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.641 (2007.11.23)

Q. こうだいさんからの疑問

 テレビのアナログ放送がもうすぐ終わっちゃうので、現在使用中のテレビは、そのままでは使えなくなるとか……。
 そこで、疑問です。
 テレビの第1号機が作られたのがいつのことなのかわかりませんが(我が家に初めてテレビがやって来たのは、たしか1960年代の後半だったと思います)、
そのテレビの第1号機で、現在のテレビ放送を見ることはできるのでしょうか?
 つまり、初期のテレビ放送と現在のテレビ放送では、何かが大きく変わってしまっていて、昔のテレビは、今はもう使えないなんて状況があるのでしょうか? また、現在のテレビを、テレビの初期の時代に持って行ったとして、ちゃんと映るのでしょうか?
 先日、古〜いラジオ(家具のようなラジオ)が出てきまして、コンセントにつないでみたら、ちゃんと聞こえたのです。昔のラジオは、今でも現役で使えるのですね。

カラー画面は無理にしても、音声多重は無理にしても、はてさて、映るのか、映らないのか?(星田)


A. 麻生有美さんから

 もちろん映ります。昔も今も、アナログ放送に大きな違いはありません。
 主に、スタジオ内部で、違いが出ているだけなので、放送する電波としては、何も変わっていません。
 これが、デジタル放送になると、当然のことながら、DA変換装置がないと全く見ることも出来なくなります、
 要は、デジタルを普通の信号に解読する装置が必要ということです。昔のテレビは、解像度も低く光度も低いことから、現代に持って来ても、画像が見えないでしょう。

A. Keiさんから

 地上アナログテレビ放送の基本信号フォーマットは、放送開始当時から変わっていません。カラー放送やステレオ・音声多重放送は、白黒放送やモノラル放送で使っていない部分に情報を載せています。したがって、白黒テレビやモノラルテレビでも、カラーステレオ放送をちゃんと見ることが出来ます。もちろん白黒やモノラル音声ですけど……。
 ということで、放送開始時のテレビでも、現在の地上アナログ放送を白黒・モノラル音声で見る事が出来ます。
 ただし、機械が壊れていたらダメですけどね(笑)。

A. Frankieさんから

 デジタルやハイビジョンは別とすれば、答えはYesです。
 現在のカラーテレビ放送は白黒TV受信機で見たら、白黒で見えるように、逆に、カラーテレビの受信機で昔の白黒テレビ放送を受信したら、白黒で見えるようになっています。
 このように、放送方式、受信機のどちらかがカラーでなくても見えるようになっているので、コンパチブル方式と呼ばれています。白黒からカラーへの過渡期の救済策ですね。
 日本では、テレビ放送の初めからNTSCという方式を採用しているので、いちばん古い受像機が今でも使えます。

A. 異邦人さんから

 昔のTVが映るかですが、映像変調方式が一緒のものであれば映ります。
 TVの黎明期には回転する鏡を使って映像を信号化する方式やらアイコノスコープを使ったものなど各種ありました。
 日本の場合、高柳式のTV受像機を使って現在の放送を映像化できるかと言われたら変換装置を経由しなければNOでしょうね。
 1950年代の現行方式のものであれば問題なく映像化できます。もちろん白黒ですが(笑)

A. にゃこさんから

 テレビ第1号は、高柳健次郎氏が1926年12月25日(実はこの日は昭和元年の最初の日なのです)にブラウン管による電送、受像に世界で初めて成功したものです。これがテレビの始まりです。
 そのときの画像はカタカナの「イ」でした。しかし、これは試作で現在の放送方式と異なっています。そのため、現在に持ってきても視聴することはできません。
 しかし、質問はこの第1号ではなく、一般流通し始めたテレビのことについてのことだと思いますので、知っていることを書きます。
 日本のテレビ放送は、1953年にNHKが開始しました。その当時のテレビを現在に持ってくるとどうなるか? 問題なく視聴できますが、画像は白黒、音声はモノラルとなります。
 また、現在のテレビを1953年当時に持っていっても問題なく視聴できます。もちろん、画像は白黒、音声はモノラルとなります。
 なぜ、問題なく映るのか? それはカラーテレビ信号が巧みに設計されているからなのです。カラーテレビの映像信号は輝度信号(明るさの信号)、色差信号(色の情報)に分かれています。
 もともと白黒放送時代は輝度信号のみを送信していました。色差信号が開発されると、カラー放送が開始されました。カラーテレビは、輝度信号と色差信号を処理できるためカラーで映ります。一方、白黒テレビは輝度信号だけを処
理できるのでカラー用の信号を受信しても白黒画像が映ります。
 現在のアナログ放送でも信号の規格は同じですので、最新型テレビを1953年当時に持っていっても色差信号がないだけで、輝度信号はありますから、こちらも白黒となるものの問題なく視聴できます。
 このようにテレビ放送信号は白黒放送の上位互換性としてカラー放送があるため、いつ製造されたテレビだろうと、とりあえず視聴はできるようになっています。
 白黒放送からカラー放送へとスムーズに移行できたのはこの信号の上位互換性があるからとも言われています。
 2011年のテレビ放送のデジタル化は、過去の規格とはまったく別物となるので、テレビがそのままでは使えなくなります。
 昨今のテレビ離れを鑑みると、デジタル化はスムーズに行くのか疑問です。もしかしたら2011年以降、「携帯電話があるから固定電話を引かない家庭」があるように、「テレビがない家」が珍しくなくなるのかもしれません。
 余談ですが、子どもの頃、家に白黒テレビがありカラー放送を受信すると画面にうっすらと色がついていました。カラーは処理できないはずなのに、どうしてなのでしょうか。子どもの想像力が色をついているように見せたのか、はたまた記憶違いなのでしょうか?