--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.650 (2008.01.11)

Q. れいなさんからの疑問

 糸電話は、紙コップに糸をつけたくらいで簡単に作ることができます。ですから、電話が発明される以前から「糸電話」はあったはずだと思うのです。
 そこで、疑問です。
「電話」が発明以前は、「糸電話」は何と呼ばれていたのでしょうか? また、糸電話がこんなことに使われていたとか言う、なにか歴史的事象はご存じないでしょうか? よろしくおねがいします。

「実用」されていたことってあるのかな?(星田)


A. 麻生有美さんから

「電話」って、電気で話すからってことでしょ? 電気がないわけで、「通話装置」とでも、呼んでいたんじゃないでしょうか?
「telephone」って、「テレ」……遠い。「ホン」……角、角笛。で、遠くまで伝えるってことで、「テレホン」。
 船なんかでは、筒で作った、伝令管という物がありますね。

A. ごんたさんから

 糸電話について辞書を引いても、該当する英単語は見つかりません。原理自体は電話機が生まれる前から有りそうなものですから、もし外国で糸電話が生まれていたとしても、「糸を使って声(音)を伝える装置」みたいな意味合いの名称で呼ばれていたのではないでしょうか? もちろん日本でも同じでしょう。
 また、糸電話の実用性についてですが、基本的には音を伝える糸が緩んだ状態では使い物になりませんから、移動体での使用は不可能です。糸を針金など丈夫なもので代用したとしても、減衰による損失、糸部分が拾う振動(風など)によるノイズ混信など、到底実用に耐えるような通信手段とはなりそうにありませんね。
 通信手段として糸電話を用いるには少々無理がありますが、音声を振動に変換して伝播させるという原理を応用したものなら、エコーマシン(振動板の間にスプリングを渡し、残響を作る)昔の蓄音機のピックアップ(針)部分などがあります。
 また、糸を光に置き換えた電話機?のような玩具が、任天堂より「光線電話」なる名称で1971年に発売されております。詳しい仕組みは分かりませんが、糸電話の進化系ではないでしょうか?

A. わるにゃさんから

 参考になるかどうか分かりませんが、英語では「糸電話」のことを、"string phone" と呼ぶようですよ。いろいろとサイトを探していて、発見しました。

でも、この「phone」は、やっぱり「電話」なんでしょうね。

A. 船橋さんから

 糸電話は、昔、「tin can telephone」と呼ばれていました。日本語にすると、「空き缶(針金)伝声装置」でしょうか? 空き缶の底に針金を取り付け、針金を振動させて音を伝えていたわけです。
 現在では、子どもの教育用に、空き缶ではなく紙コップやプラスティックコップの底に糸をつけたものがあり、これはそのまま「string telephone」と呼ばれています。
 その他、「lover's telephone」という呼び方もあります。糸電話を使って会話をすると、まわりには声が聞こえず二人だけの世界ができる、ということからこの名前がついたと言われています(他説もあり)。
 日本では、明治時代になって糸電話より先に本物の電話が伝わりました(江戸時代に糸電話がすでにあったという説もあるんですが、一般には知られていなかったようです)。
 当時本物の電話は高価で庶民に手が届くものではありませんでした。それで、電話してる気分だけでも味わおうと夜店などで糸電話が売られるようになり、これで日本中に「糸電話」という言葉が広がったわけです。
 もし、糸電話が電話より先に日本に広まっていたら、「string telephone」を直訳し、「糸伝声装置」とでもなってたかもしれません。が、本物の電話が先で、夜店の人たちも「これは糸を使ってる『電話』だ」ってことで糸電話を
たくさん売りたかったので、そこで「糸電話」という言葉ができたということです。

おお! 「糸電話」が「電話」よりもあとに、「普及」したのか!
 そういう状況だったのですね。よくわかりました。

A. Volklさんから

 私も疑問に思ったので、調べてみました。
 糸電話は、電話が発明される200以上前に発明され、日本に紹介されたのが、1870年頃でした。電話が発明される1876年の少し前となります。
 当時の糸電話は、金属線を使用していましたが、一般に普及したときには、金属線に代わり、安価な木綿糸を使用したそうです。その時の呼び名が、「糸伝話」だそうです。
 その後、電話が発明されてから、玩具として売り上げを伸ばすために「伝」を「電」に変えて、「糸電話」となったそうです。
 ですから、電話が発明される前から、「いとでんわ」であったということです。

http://rika.miyakyo-u.ac.jp/gakubu/navi/nagata.html
を参照しました。