--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.675 (2008.05.14)

Q. 酒もっとさんからの疑問

 うたた寝をして寒かったときによく風邪をひきますが、寒い目に遭ったときになぜ風邪をひきやすいのでしょうか?
 風邪は細菌感染が原因なので、寒いと免疫力が低下するためとも考えられますが、免疫力というのはそんなに急激に低下するのでしょうか?
 もしそうだとしても、なぜ風邪だけが他の病気に比べて圧倒的に感染しやすいのでしょうか?

どなたか、お医者さん、答えを教えてください。(星田)


A. Picorinoさんから

「寒いと風邪を引きやすい」には、2つあると思います。
「(1)寒いと風邪を引きやすい」と「(2)寒いとき風邪を引きやすい」です。
 (1)は物理的に寒く体の温度を維持するために、エネルギー消費が増え、結果として抵抗力が下がり感染しやすくなるのでしょう。
 (2)ですが、寒い時期(冬)は一般的に乾燥しています。そのため、のどの粘膜が乾燥気味となり感染しやすくなっているので、風邪を引きやすいのです。

A. 黒男さんから

 寒いと体力と免疫機能が低下するからだと思います。
 寒さに耐えるために体は熱を作ろうと脂肪を燃焼させカロリーを消費させます。ブルッとくるのも体が熱を発生させようとしてるのだとか……。それによって体力が低下。
(免疫に関してはまったく知識がありませんが、)寒いと免疫細胞(などというものがあるかどうかも分かりませんが)の動きも鈍くなり、体内にウィルスが侵入。ウィルスは免疫細胞よりも寒さに耐性がある。だから風邪を引く……というのはどうですか?

A. アンギラスさんから

 医者ではないので、すべて推測になって申し訳ないのですが……。

(1) 風邪やインフルエンザのウィルスは低音&乾燥状態を好み、数が増え活動も活発になるから感染しやすくなる。
 どんなに清潔にしても、手のひらにはサルモネラ菌や黄色ブドウ球菌などがあり、手で触ってから食べたら、それらは体内に入りますが、通常入った菌が一定数以下の場合がほとんどなので大丈夫ですね。
 でも、高温多湿の状況下で食べ物を保存していると、食中毒菌は爆発的に増え発病しますよね。それと同じことだと思います。

(2) ノドの粘膜上には「繊毛運動」で異物を粘膜で包んで、ブラシで掻き出すように体外へ排出する機能がありますが、寒い空気に晒されると繊毛運動の機能が低下し、痰などと一緒に排出されるウィルスが減り、ノドや鼻の中の粘膜上でウィルスが増殖するから。

 以上の2点の理由によると思います。

A. 蒋龍さんから

 寒いときに風邪を引きやすいのには、次のような理由があります。
 まず、単に寒いと風邪のウイルスの活動が活発になります。そのため当然風邪を引きやすくなり、患者数が増えます。
 さらに、咳やくしゃみで飛散したウイルスは、湿度の高い夏などでは早く地面に落下しますが、乾燥している冬場には落下スピードが遅いため、鼻や口の粘膜にたどりつきやすくなります。
 これはなぜかというと、湿度の低いときには、ウイルスに含まれる水分が蒸発して軽くなるからです。このため、ウイルスの活性が高く飛散しやすい冬のほうが、他の季節より風邪を引きやすいということになります。
 余談ですが、風邪の原因となるウイルスは1万種類以上あって、2・3種類に対応できるワクチンを打ってもあまり効果はないそうです。

A. 子だくさんさんから

 非常に答えにくい質問だと思います。
 というのは、どのようにして、またどのような速さで、かぜの病原体が身体に付着し、身体に侵入し、体内に定着し、体内で増殖し、ついには発病にいたるかということが、あまりに千差万別である上、詳細にはわかっていない部分もあるからです。
 われわれは発病しなければ、「かぜをひいた」という認識は持ちませんから、その一歩手前まで感染自体は進行していても、自分ではわかりません。ですから、かぜの感染の評価は極めて困難です。
 また、免疫力という言葉も、漠然としたものとしてはありますが、具体的に何という細胞や臓器の何の働きを指しているのか、それをどのように評価するのかが全くないので、これまた議論はできません。
 たとえば、明らかにかぜをひきやすい人とひきにくい人がいることは事実ですが、ではその両者では何が違うのか、全くわかっていないのです。
 ただ、日常生活の中で、湯冷め、寝冷え、うたた寝などで、あの時かぜをひいた、とわかる場合がありますね。
 自分は冷房をかけたまま寝てしまい、翌朝起きた際にのどが痛くなっており、そのままかぜをひいてしまうというケースがよくあります。
 これは、冷房にあたっただけで急速に全身の機能に変化があるわけではないようですが、のどの粘膜などの局所の機能は短時間で低下するという事実で説明されています。
 われわれの鼻やのどの粘膜は、温かくて湿った状態で、その機能を十分に発揮できるようにできています。
 ですから、たとえ短時間でも乾燥した空気にさらされたり、冷たい空気に接触したりすると、粘膜の繊毛を有する細胞が急速にそのバリヤ機能を失い、感染に対して脆弱になるようです。
 たとえ粘膜に病原体が付着していようと、バリア機能で防御しているうちは大丈夫なのですが、ひとたび粘膜バリアを突破されてしまうと、今度は全身的な免疫の働きが重要になってくることでしょう。
 われわれは絶えず病原体の攻撃にさらされていますが、先のような何段階かのバリアをすべて突破されると、やがて病原体が体内で増殖し、発病にいたります。
 かぜが最も多いのは、その攻撃が最も多い病原体だからだと思いますが、この辺で勘弁してください。

A. ざ〜さんから

 風邪ひきはとても平凡で、難しい病気です。
 風邪のウイルスが原因と考えられていますが、最近はちょっと違った視点で考えられるようになりました。
 原因は、サイトカインという物質です。これは、体の中で作られる物質で、いくつか種類があります。
 サイトカインの主な役目は、体外、体内の有害物をやっつけることです。体外はばい菌、ウイルス、ケガなどで、体内はがん細胞などです。
 このサイトカインが体内で増えると、頭痛、吐き気、喉の痛み、鼻水などがでるようになります。サイトカインは免疫力を上げるために体温を高めに保とうとしますから、まず熱が上がります。ちょうど風邪の症状と似ていますね。
 今のところ、これが風邪の正体のようです。
 サイトカインは、ウイルス感染によって増えます。インフルエンザなんかがそうですね。
 インフルエンザのような強力な病原ウイルスでなくても、寒くて乾燥した環境が好きなウイルスというのがたくさんあって、ちょうど日本の冬の気候と合致しています。
 このようなウイルスに感染すると、サイトカインが増えて風邪症状がでてくるようです。
 余談ですが、防菌フィルター付きマスクでなくても、布のマスクをするだけで、口内の温度・湿度が保たれて、寒くて乾燥した環境が好きなウイルスが増えにくいという効果があります。
 また、サイトカインが増える原因として、寒さによる体温低下があります。ですから、寒さでサイトカインが増えると風邪症状がでることがあります。ですから、寒いときに風邪を引きやすいというは、そうなんだと思います。
 もっとも、体力低下で寒冷による体温上昇反応ができないなら、サイトカインも増えず凍死します。
 大雑把な説明でしたが、いかがでしょうか。

かなてっくんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。