Q. ゆきのさんからの疑問
この時期になると、毎年思う疑問があります。毎年思うのに、早くこちらのお世話になればよかったと思います。
6月といえば、「梅雨」です。これで、「つゆ」と読みます。
葉っぱの水滴、これも「つゆ(露)」ですね。
そうめんにも「つゆ」があります。こちらは、漢字では「汁」と書くのでしょうか。「つゆ」で変換したら、「汁」が出てきました。
ほかにも「つゆ」があるかもしれません。「梅雨」「露」「汁」、これらは何か共通の語源があるのでしょうか?
★大きさで言えば、露<汁<梅雨、となりますかね。
面白い疑問です。ご回答をお待ちしています。(星田)
A. 異邦人さんから
「つゆ(露、梅雨、汁、液)」について
これらは、すべて水に関連しています。
また、これらは川や海、湖などにある水と比べると「少ない」ものです。これから転じて、「少ない物事」を表す際に「ツユ」を使うようになります。
★「そんなこととはつゆ知らず」の「つゆ」ですね。なるほど。
むずかしいギモンですが、もっと、情報をお待ちしています。(星田)
A. yamabikoさんから
梅雨は、中国から「梅雨(ばいう)」として伝わり、江戸時代頃より「つゆ」と呼ばれるようになりました。
日本で「つゆ」と呼ばれるようになった由来は「露(つゆ)」からと考えられますが、梅の実が熟し潰れる時期であることから「潰ゆ(つゆ)」と関連付ける説があります。「五月雨」と云われるように旧暦の6月です。
「露」は、水蒸気が凝結して出来た水滴です。季語は秋です。
「汁」は、漢字を分解すると、「水」+「十」で、多くのものを混ぜて作ったものです。
汁には、2種類ありまして、水や液状のもの「豚汁、三平汁、おつゆ(吸い物)」など。食品ではない液体「鼻汁、墨汁」などです。
以上のように私は、語源、由来は別々だと思いました。
A. chomicatさんから
「つゆ」と言う言葉はもともと「潰」(ついゆ)が変化して出来た言葉です。潰れぐちゃぐちゃになった、水気の多い状態の言葉から変化し、水分の多いものに漢字を当てはめていったのだろうと推察します。
日本語が元々あり、その発音があって、其処に中国の漢字を当てはめたのは確かです。
梅雨は五月雨や黴雨と言っていました。旧暦の5月は大体今の6月から7月上旬に当ります。「梅雨」と言い出したのは江戸時代以降です。
梅雨の季節という現象は、中国揚子江一帯から朝鮮半島、日本にまたがっています。当然、「梅雨」という言葉は中国にもあり、やはり梅の実が熟す季節の雨を意味しますから、誰かがそれを引っ張ってきて当てはめたのだろうと思
います。
五月雨は別にしてそれまで使われていた「黴雨」では、確かにカビが生える季節なのは判りますが字からは良い感じは受けませんね。同じように汁も露ももともと「つゆ」と言う状態に漢字で当てはめたものです。
共通の語源と強いていえば、
「潰」:ついゆと云う日本語から変化した「つゆ」
と言う言葉に同じような状態を漢字に当てはめたものだろうと考えます。
漢字は象形文字、状態を表すものから作られたとの勘違いがありますが、物の形を現す漢字は全体の2割にも満ちません。ほとんどが「音」に対するものなのです。
日本語の発音を漢字の音に当てはめたゆえ、万葉集を見れば判るように歌の漢字は日本語の発音に同じ発音の漢字(4、5世紀に入ってきた呉音やその後入ってきた漢音がごちゃごちゃになっているが……)を当てはめたものであるのからもよくわかります。
A. 新山英輔さんから
「つゆ」を拝見。「梅雨」……潰ゆ、とはなるほどです。
「露」は「着き+揺れる」だとおもいます。
そもそも「つ」は付く、着く、爪、突く、津(船をつなぐ波止場)、綱、など「先端」の語感があります。
「ゆ」は揺れる、ゆらゆら、など「揺動」の語感です(さらには緩む・湯(ゆるんだ水)・許すなどにつながる)。だから、葉の先端に付いて揺れているのが「露」です。とても詩的です.
「汁」は「御飯に付ける湯」でしょう。「おみおつけ」の「つけ」と同じ根ではないか。
とすると、「露」と「汁」は多少の縁があるが、梅雨は無関係ということになる。
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