--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.682 (2008.06.15)

Q. kztさんからの疑問

 中指と小指の間にある指を「薬指」といいますが、どういう経緯でそう呼ぶようになったのでしょうか?
「薬指」ということですから、何かの薬に関係しているのでしょうが、薬といってもいろいろあります。錠剤なのか、粉薬なのか、飲み薬なのか、塗り薬なのか。
 仮に塗り薬だとすると、中指やひとさし指で塗る人もいたでしょうに、なぜ「お姉さん指」で塗る必要があったのでしょうか?

塗り薬でしょうねぇ。でも、人差し指の方がぬりやすいなぁ。(星田)


A. moryさんから

 薬指は紅さし指ともいって、昔の人は口紅を塗るのにも使ったりしてます。
 じゃあ何故使いにくい指をわざわざ使うのか? 使いにくい指=普段使わない指ということで、いちばん清潔だからではないでしょうか。

A. 異邦人さんから

「薬指」が何故「薬指」と呼ばれたのかですが、これはその昔、口紅を付ける際に使ったことからその様に呼ばれるようになったそうです。
 因みにこの口紅の原料は「ベニバナ」でして、ハマグリなどの大きな二枚貝の内側に紅花を練って作った口紅を入れて売っていたのだとか。

A. Frankieさんから

 私が子どもの頃は、飲み薬といえば(医者が処方してくれるものは特に)、粉薬と水薬ときまっており、錠剤などはおよそありませんでした。
 拙宅では、粉薬を飲む時は、湯飲みにぬるま湯を少々注ぎ、そこへ粉薬をいれて、薬指でよくかき回してから飲んでいました。
 なぜ薬指かというと、指の中で使う機会が少なく、いちばん清潔なのだそうです。私は薬指という名称はここから来たと理解しております。塗り薬は人差し指で塗っていました。

A. おやじんさんから

 薬指と薬の関係? 私も聞きかじりの情報ですが、文字通り薬を塗るのに使ったからという説が有力だと思います。
 患部や傷口に薬を塗るのにちょうどよい力加減ができたからというのです。
 また、女性が紅(口紅でしょうか)を引くときにこの指を使ったとされています。微妙なタッチがいいんですかね?

A. yamabikoさんから

 私の記憶では、薬を溶かしたり、塗ったりするのに使われたことに由来していると聞いたことがあります。
 江戸時代の辞書には「くすしゆび」は薬をつけるとき使う指と書かれ、その後「くすりゆび」に変化して明治時代後半には一般的な言葉となりました。
 また、紅をさす指として「べにさしゆび」と呼ぶところも多いようです。今では、薬指で紅をさすことはなくなりましたが、昔の人は粋ですね。

A. こだくさんさんから

 一般に薬指と呼ばれるこの指は、医学的には第IV指(足のゆびは趾です)と呼ばれております。
 この指はその腱の構造上、1本だけでピンと立てられないため、あまり使い道がない上に、際立った特徴がありません。そのため取り上げられることがなかったのでしょう。
 古代中国では、「無名指」と呼ばれていたこともありました。日本でも同様に「名無し指」という意味の「ナナシノオヨビ」という記載があり、これがこの指の最も古い呼び名です。
 その後、鎌倉時代に入って初めてこの指にまともな名前がつけられます。「クスシノユビ(薬師の指)」です。薬師とは医者のことです。
 この由来には諸説あるようですが、

(1) 薬師如来(ヤクシニョライ)の印相
(仏像などが両手の形である意味を表現していること)が第IV指を他の指より前に突き出していることに由来
(2) 医者がこの指を使って、粉薬を水で溶いたり、塗り薬を患者に塗ったりしたことに由来、(ただしこれも薬師如来のご加護にあずかりたいという意味もあった様子)

などが有名です。
 さらに時代は下り室町時代末期に入ると、女性が化粧の際に、この指で紅を溶いたり、塗ったりしたことから「ベニサシユビ(紅指し指)」という名が出現します。
 現在、第IV指は、全国的に「クスリユビ」と呼ばれることが圧倒的に多いようですが、西日本では「ベニサシユビ」やその派生である「ベンサシユビ」、「ベニユビ」などもすたれておらず、また、奄美・沖縄地方や三重、山口などでは、「ナナシユビ」も生き残っているようです。
 最後に最近分かった第IV指の薀蓄を一つ。
 第IV指の長さは、男性ホルモンの影響を大きく受けるそうで、そのため女性では第IV指の長さは第II指と同じか少し長い程度ですが、男性では第IV指は第II指に比べ圧倒的に長いのが普通です。皆さんの周りの方の指も比べてみてく
ださい。 

アンギラスさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。