Q. kztさんからの疑問
ゴジラ、モスラ、ガメラ、キングギドラなど、怪獣の名前は語尾にラを付けたものが多くあります(例外もたくさんありますが……)。
なぜ、語尾に「ラ」がつくと、いかにも怪獣っぽくなるのですか?
★ベムラー、ゲスラ、ガボラ、バニラ、ヒドラ、ケムラー、ジャミラ、グビラ、ゴモラ……。
『ウルトラマン』でも、これだけあります。私たちが、『ウルトラマン』に刷り込まれてしまったのでしょうか?(星田)
A. 洞窟ピングーさんから
日本語の動詞の語尾に多い「…る」に、「行為者/〜をするもの」を表す英語の接尾語
"er" が付くと「…ラ」になります。それゆえ、何かをする生き物のような印象を受けるのだと思います。
更に濁点が付くと、音が破裂音になることが多いので、「強い生き物→怪獣」という印象を与えるのでしょう。
A. よしなさんから
確かに「ラ」で終わる怪獣の名前って多いですね。
怪獣はもちろん実在しない存在。ですから、人間がネーミングします。たとえば、ゴジラは「ゴリラ」と「クジラ」を掛け合わせた名前なのは有名です。ゴジラのヒットでその後の怪獣も似たような名前がつけられることが多いそうです。あとは恐竜の名前に似せて、「ドン」「ゴン」で終わる怪獣も多いですね。
その他としては、「ガギグケゴ」を含むことが多いようです。ガ行の文字は聞いたときのイメージで、「汚い」「強そう」というイメージが強いのだそうです。
このように共通のネーミングがある例として、車の名前があります。カローラ、セドリック、カマロ、クラウン、シーマ、シビック……(綴りがCで始まる)。
薬の名前は語尾が「ン」で終わることが多く、しりとりにはむきません。たとえば、パブロン、バファリン、ケロリン、ノーシン……。特に処方箋薬ではその傾向が顕著です。これはおそらく化合物の名前が「ン」で終わる化合物が多いからだと思います。化合物はある程度名前の付け方が決まっており、ラテン語が由来でしょうか、語尾が「ン」となる場合が多いのです。
A. 江戸川三連豚さんから
やはり、「ゴジラ」の影響なんだと思います。
「ゴジラ」自体が、「ゴリラ+クジラ」というわかりやすいネーミングだったわけですが、「ウルトラQ」「ウルトラマン」と週1製作になると、ますますネーミングに知恵を絞らなくなっただけの話でしょう。
ゴジラのライバルというべき、大映の「ガメラ」の方は、
バルゴン、ギャオス、バイラス星人(ウイルスの転化)、
ギロン、ジャイガー(公募)
と「ラ付き」ではありません。「ガメラ」は「ゴジラの影響」でも、他は東宝とは差別化を図ったのでしょう。
A. こだくさんさんから
星田さんがご指摘の通り、刷り込みだと思います。
この問題の答えを考える前に、まず「怪獣」の定義をはっきりさせておく必要があると思います。
古代より洋の東西を問わず、人知を超えた異形の存在である、怪物、モンスターは多数想像されてきました。ドラゴン、ギガンテスなどの巨人、鬼。比較的新しいものでネッシーなど、いくらでも例をあげることはできると思います。
ただこれらは、怪物ではあっても、kztさんが考えるような「怪獣」にはあてはまらないでしょう。
では怪獣とは何か?
結局、
(1)「怪獣映画」と呼ばれる特撮映画に出てくる
(2)人類の持つ近代兵器でも殺傷できない
(3)人類の科学を超えた特殊な能力を持つ巨大な存在
が怪獣の定義ということになると思うのです。
近代の怪獣映画の嚆矢は、1933年、米国の「キングコング」ですが、これは既存のゴリラを大きくしただけの形態で特殊能力もないので、上記の(2)(3)にあてはまりません。
そして次なる怪獣映画が、1954年、日本の東宝の「ゴジラ」です。
ゴジラの名前の由来が、ゴリラとクジラであることは有名なので詳細は割愛させていただきますが、ここで初めて名前が「ラ」で終わる怪獣が出現します。
その次に出現した怪獣は、1955年、東宝「ゴジラの逆襲」に出てくるアンギラス(アンキロサウルスに由来)で、これは「ラ」で終わりません。
この後に出てくる名前が「ラ」で終わる怪獣は、1961年、東宝映画『モスラ』中の「モスラ」、1964年、東宝『三大怪獣
地球最大の決戦』中の「キングギドラ」、1965年、大映『大怪獣ガメラ』の「ガメラ」などであり、とどめは、1966年にテレビで始まった『ウルトラマン』の怪獣たちです。
以上のような、東宝、大映、ウルトラマンシリーズという流れの中で、現在のわれわれが「怪獣」と呼ぶ存在の概念ができあがったので、
「怪獣」=名前が「ラ」で終わる
という刷り込みができ来あがったのだと思います。
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