Q. サトイモさんからの疑問
野球好きの方にとっては、「何を今さら……」という疑問なのかもしれませんが、怒らないで教えてください。
野球のポジションに「ショート」ってありますよね。日本語では、「遊撃手」です。どちらにしても、なぜ、あのポジションが、「ショート」であり、「遊撃手」であるのか、私にはさっぱりわかりません。
他のポジションの名前は、ピッチャーにしろ、レフトにしろ、その由来は大変わかりやすいのです。
一体、「ショート」「遊撃手」って、どういう意味なのでしょうか?
★一体、「ショート」の何が短いのでしょうね?(星田)
A. アンギラスさんからの回答
「ショート」は、ベースボール草創期には、投手と二塁手の間で守備をしていたそうです。
一塁手、二塁手、三塁手より、打者に対して「短い距離で打球を止める」ので、「SHORT
STOP」です。
「遊撃」という日本語は、塁に捉われず、あちこちへ「遊軍に行く」という意味があります。
★投手と二塁手の間って、かなり狭いと思うのですが、昔はそんなところを守っていたのですね。
A. ごんたさんからの回答
「ショート」は「ショートストッパー」の略であることは結構有名だと思っていたのですが、それ程でもないのでしょうかね?
場所的には二塁に近いので、二人目の二塁手と呼べなくもありませんが、ややこしいので別の名称で呼ぶことにしたのだろうと想像します。
ショートストップは読んで字のとおり、
短く止める人=打球を内野(つまり打球を短距離で)で止める
=長打を阻止する役
だと言うことじゃないでしょうか?
日本語では、「遊撃手」です。他の内野手(1〜3塁手)は各塁(周辺)の守備という役割から名前が付いていますが、ショートはベースに属さないため、軍隊で言う遊撃隊(戦況に応じて攻撃や援護に回る部隊)になぞらえ、「遊撃手」と名付けられたのではないでしょうか。
A. やまおさんからの回答
一塁、二塁、三塁には、それぞれベースがあります。このベースを枕に見立てているのです。つまり、「ショート」の位置には枕がありません。枕がないので、「泊まり」ではない。泊まっていかないのだから「ショート」です。
「遊撃」とは、あらかじめ攻撃する敵を定めておかず、「時に応じて敵に襲いかかる」という意味です。つまり、「遊撃手」とは、ピンチ・ヒッターのことです。
守備位置の「ショート」を、攻撃を意味する「遊撃手」と訳した人に問題があります。大間違いです。それをそのまま使用した日本野球連盟にも問題があります。
正しくは「遊守手」です。今からでは遅すぎますが、日本野球連盟の偉いさん、正しい呼び名に変えましょう。
A. ライナスの毛布さんからの回答
「ショートストップ」というポジションを、日本では「ショート」と呼んでいます。
今の位置を守備するようになるまでの時代、ピッチャーとセカンドベースマンの間で活躍したとか、ファーストとセカンドの間とセカンドとサードの間にもいて内野が5人体制だったなど、読んだことがあります。
守備範囲が短いから「ショートストップ」なのでしょうか。右打の打者が圧倒的に多いだけに、華麗な魅せ場を量産できそうで、アサインされる選手の力量も大したものなのでしょうね。
A. どーもさんからの回答
「ショート」正式名は「ショートストップ」です。
なぜショートストップというかというと、野球が始められた頃までさかのぼります。
当時の守備人数は今とは違い、1チーム11人程度(10名、11名、12名の説あり)だったため、外野手は4人、内野手は各ベースに付いたベースマン(ファーストベースマン、セカンドベースマン、サードベースマン)と投手の後ろの両サイド、ダイヤモンドの内側にもう2人位置していました。その2人を「打球を短く止める役割の選手」という意味で「shortfielder(ショートフィルダー)」または「shortstop(ショートストップ)」や「shortman(ショートマン)」などと呼んでいました。
その後、ルールが変更され現在のように9人守備の形になっても、二塁手、三塁手の間の守備「ショートストップ」と呼ぶようになりました。
和訳で「遊撃手」というのは、当時野球を観戦していた中馬庚(ちゅうまんかなえ)氏が、ショートの守備を見て、
「ショートストップは、戦列で時機を見て待機し、あちこちを動き回り守備を固める。これは『遊撃』のようだ」
と思い、「遊撃手」と和訳したそうです。
遊撃とは「主力から独立して行動する部隊が、戦況に応じて敵を攻撃したり見方を助けたりすること」(広辞苑より)
ショートは状況に応じて動くため、まさにこの通りですね。
ちなみに、ベースボールを野球に和訳したのは正岡子規ではなく中馬庚氏です。これは『トリビアの泉』でも放送していましたね。
A. 船橋さんからの回答
「ショートストップ」の起源は、野球の起源同様さまざまな説があり「これで絶対」というものがないのですが、アメリカでもっとも一般的に信じられているものを説明します。
アメリカで野球の原型のようなスポーツがつくられた頃、野球のボールは今より大きくていびつでした。このため、いまよりゴロが多く、しかもどこに転がるか予測が難しかったようです。
また、現在のような機械式の芝刈り機がなく、球場全体を刈り揃えることはできませんでした。このため、野球場全体が深い芝生に覆われているところが多く、外野にゴロが転がった場合はボールが芝生深く入り込んで見つけられないこともあったそうです。
ボールを見失うことが続くと、試合がつまらなくなります。そこでこれを防ぐために、他の内野手よりバッターに近い位置で守備をする野手を置くことにしました。
内野は外野に比べて芝が整備されていましたし、また、選手も常に行き来して芝が踏み固められてるために、内野でボールを見失うことはありません。だから、内野ゴロをしっかり止めることで、ボールを見失うことがなくなり、ゲームに緊張感を持たせることができました。
その頃の野球の監督は、よく内野手に「Stop
them (the balls) Short(飛距離が短いうちに止めろ!)」と叫んでいたそうです。
この役割の選手が、「Sort-range ball (内野を転がるボール)をStopさせる人」ということで、「Shortstop(ショートストップ)」と呼ばれるようになりました。
その後、機械式の芝刈り機が発明され、ボールも小さく丸く作れるようになります。これにともなって、ショートストップの守備位置は徐々に現在の位置に移動していき、かなりの「Long
hit ball」にも対応するポジションに変化したのですが、昔の名残でいまでも「ショートストップ」と呼ばれているわけです。
さて、日本には野球は明治時代(1871年ごろ)、アメリカから輸入されます。野球用語が翻訳され、多くは直訳に近いものが採用されました。たとえば、「Secondbaseman」は、「二塁手」といった形です。
しかし、日本が野球を輸入した時点で、すでにショートストップは、ほぼ現在の位置で守備をしていました。このため、Shortstopの直訳であった「短遮(短くさえぎる人)」は、このポジションの実際の役割とは異なっており、実状にあわせて日本で独自に「遊撃」手という名前を作って呼ぶようになって現在に至っている、といわれています。
★showozさん、yamabikoさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
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