--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.697 (2008.08.24)

Q. サチさんからの疑問

 カーナビは、便利ですね。行きたい場所を電話番号や住所で入力すれば、きちんと道案内してくれます。「あともう少しで到着!」というところで、音声案内が終わっちゃうことがあるので、あれは困ったものですが……。
 疑問があります。
 カーナビの地図情報は、CD、DVDやHDに保存してあると思うのですが、それにしても膨大な情報だと思うのです。右折や左折をする付近、高速の入り口、出口で等は、その付近の簡略な道の様子まで画面で表示されます。そんなことをしていると、データ量はさらに増えますよね。
 何かきっとデータ量を減らすための工夫があると思うのですが……。ご存じでしたら、教えてください。

昨年から、カーナビを使い出しました。
 いつも通っている道でも、目的地を設定しておくと、「あと何分」がわかって便利ですね。(星田)


A. ライナスの毛布さんからの回答

 ご質問には多くの技術が複合使用されていますので、おおまかな部分をざっくりと書いてみます。
 地図業界の者ではないので、思い違いがあるかもしれませんが、コンピュータ画像やフォント関係の業界にいましたので類推してみます。
 まず、地図を構成する基本は、ベクタデータ(関数書式などで線{ライン}や面{ポリゴン}など地図の固定情報を保存しています。数式ですのでデータ量が小さくでき、拡大表示にも有効な特徴を持っています。
 施設のマーク(コンビニなど)は、ラスタデータ(デジカメの写真のように点の集まり)で保存と思います。画素が多くなったり表示内容が複雑になるにつれ、データ量が大きくなります。
 他にも文字(フォント)情報や出口表示情報、分岐など様々な情報がそれぞれどちらかの形式で保存されています。出口情報や分岐は、使い回しが利くパターンも多いと思いますので、フォント情報を分けていると思います。画面表示の際にレイヤ(層)にして一括表示します。
 しかし、画面表示にはベクタデータではなく、ラスタデータつまり「点表示」が必須ですので、ベクタ→ラスタ変換(ラスタイメージプロセシング、RIP)という演算が必要になります。
 なぜ、すべてラスタイメージにしておかないのか?
 地図は拡大縮小しますので、倍率毎にラスタデータを保存するよりもベクタ数式に表示サイズに合わせた数字を入れて、都度RIPするほうが軽くて済むからなんです。
 昔のカーナビは拡大縮小に時間がかかりましたが、CPUが高速になり解消されてきています。
 最近は、メモリが低価格化と驚くほどの大容量化をしてきましたので、ラスタに統一しても大丈夫かもしれませんね。
 技術の粋を集めた複雑な装置だけに、説明にも難解な言葉がでてきてしまい、うまくお伝えできたか不安です。