Q. まっさんからの疑問
人間のヒゲは、何のためにあるのでしょうか?
毎日、毎日、ヒゲをするのが面倒で仕方がないです。それでも、ヒゲが何かの役に立っているのなら、我慢もするのですが、今のところ、苦痛でしかありません。
私の場合、ファッションには役立っていません。冬の寒さをヒゲでしのごうとも思いません。ネコのヒゲなら、触覚の役目もあるのでしょうが、私のヒゲにも何か特別な役割があるのでしょうか?
★すっごい、疑問ですね。でも、わかります、その気持ち。
カミソリでヒゲを剃ったときに、血が流れてしまうことも……。(星田)
Q. やまおさんからの疑問
何のためにヒゲはあるのでしょうか? 毎日剃るのが面倒です。何の役にも立っていません。
しかし、人間の体にムダなもの、不必要なものはないとするなら、必然性があって生えているわけです。そうすると、ヒゲを剃るのは、神にたいする冒涜になってしまいます。
男性の「おしゃれ」のためなのでしょうか。それとも、医学的な意味があるのでしょうか。
A. トンビーさんから
神の存在を信じていない立場から言いますと、もともと人間は目的を持って生じたわけではないので、その一部分であるヒゲにも目的などはないと思います。
ただ、現在までの長い期間生命をつないで来た生物には、自ずと子孫を残すのに適した性質が備わっているわけで、逆に子孫を残すのに邪魔な性質は徐々に淘汰されてなくなってきているわけです。
しかしながら、まだ進化の途中ですから、あった方が良かったのになくなってしまったものとか、必要ないのにあるものとか、「何のためにあるのか」という視点で見たら理由の分らないものが沢山あるわけです。
たとえば盲腸。あってもよいことは全くないのに付いています。
たとえば足の爪。私は何度か足の爪が完全にはがれた経験がありますが、足の爪などなくても全然問題ありませんでした。あるとときどき切らねばならず鬱陶しいだけです。でも付いています。
ヒゲも足の爪同様、私にとっては鬱陶しいだけのものなのですが、人間という種にとっては意味があるもの(あるいは、あったもの)かもしれません。
ヒゲは大人の男性にだけ生えてきます。ということは性的な面で意義があると思われます。
たとえば、女性が男性を選ぶときにヒゲが立派な方を選ぶ傾向があるとか。あるいは男性同士の争いにおいて、ヒゲの立派さで相手を威圧して優位に立てるとか。後者は私が男性ですから何となく納得できます。
立派なヒゲの同性を見ると、蛇とか蜂とかに出会ったときに思わず萎縮してしまうのと似たような心理現象が起きるかもしれません。
前者は女性のかたに聞いてみなければ分りませんが、でも、オシャレの根本的な目的が異性をひきつけることにあるとすれば、ヒゲにもそういう効果があるからこそ、ヒゲをはやしている人がいるのだと思います。
陰毛なども実用上は不要なものだと思いますが、性的には重要な意義がありますよね。
ヌード写真や映画において、陰毛が見えるかどうかで大騒ぎになることからもそれは間違いないでしょう(冷静に考えれば、陰毛が見えたからといってどうってことはないんですけどね)。
結論としては、ヒゲは大昔には女性を獲得するための1つの要素だったり、ライバルや猛獣を威圧するための道具だったりという意義があったけれども、状況の変わった現代においては相対的にさほどの効果も意義も感じられなくなっている、ということではないでしょうか。
A. アンギラスさんから
ヒゲの存在意義について、私なりの意見を。
まず、ほとんどの哺乳類は全身を体毛で覆われています。何百万年か前、人類の祖先が全身を体毛で覆われた類人猿などから分かれて、進化していく過程において、動物の毛皮などを身に着ける・暑さ寒さや雨を避けるための住居・寒さを克服する火などを獲得し、皮膚を守るための体毛の必要性が低くなり、それらは失われる方向に進化して行った。その過程においてでも、顔を守るための体毛は重要なため、未だ失われず残っている。
もしかすると数百万年後には、人類はヒゲどころか頭髪や体毛も失われているかも知れません。
A. kztさんから
「どんなものにも何らかの役割があるはずだ」という考えがそもそも間違いで、人間のひげには機能や役割などはまったくありません……というとミもフタもないので、役割があるものと考えてみましょう。
♪パピプペ パピプペ パピプペポ うち〜の女房にゃひげがある
なんて歌も昔ありましたねえ。
ひげの社会的役割
・童顔の者が、年齢を老けて見せたい場合や、無理に貫禄を付けたい場合に利用できる
・長老、老師、仙人などが、ひげがあると、しかも長いほど、いかにもそれらしく見える
・高校生が酒を買うとき、ひげがあると誰何されずに買えて便利
・ほんのわずかであるが、生やしていると暖かいことがある
・ひげ剃りメーカー、カミソリメーカー、ローションメーカーなどの需要を創出している
・全国の床屋のひげ剃り技術を維持し、また需要を創出し続けている
・とっさの変装に役立つことがある
・初対面の相手にもひげがあるとき、妙な親近感が沸いて、ひげ同士で仲良くなれる
・余興にひげダンスができる
・一本一本、抜く楽しみがある(マゾの人のみ)
・ひげのない人(含女子供)に自慢できる
ひげの弊害(体験的告白)
・毎朝のひげ剃りは、大変な手間である。ひげが薄ければ簡単だが、ひげが濃いとけっこう時間がかかるし、剃った後の始末にも時間を食う。出勤前の忙しいときに、完全に余分な時間をとり、遅刻の原因となる。
・ひげ剃りの費用がばかにならない。電気剃刀も、いい製品はけっこう高い。
・濃い髭の人は、ひげ剃りで顔をよく切り、出血する。ひげ剃りのたび皮膚を傷つける人もいる。安全カミソリなど大ウソだ。
・夕方むやみに頬ずりすると、伸び始めたひげで子供や恋人が痛がる
・伸びたひげを幼児に引っ張られると痛い
・口ひげは、食事をするとき飲食物が付いて、見るからに汚い
・鼻をかむと、ひげに鼻水がべっとりと付いて、非常に気持ちが悪い
・ときどき、ハナクソがひげについていることがある。
・ガスマスク、酸素マスクを装着するときに、ひげの間から空気が漏れる。密着性が悪い。
・ひげの部分にニキビができると、とても痛い
・入社試験、昇進試験、種々の資格の口頭試験や面接などでは、不用意に偉そうに見え、ナマイキだと判断されるおそれがある
・ひげは死後も数日間は生える。つまり、死んだ後ですら、なおも家人にひげ剃りの手間を強いる
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