--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.702 (2008.09.10)

Q. よしみさんからの疑問

 運動会のシーズンですね。しばらく運動会というものから遠ざかっていたのですが、子どもが運動会に出るとなると、やはり見に行くものですね。
 そこで、本当に久しぶりに聞きました。『クシコスポスト』を。『クシコスの郵便馬車』というタイトルもありますね。どちらが正しいのでしょうか?
 今回の疑問は、タイトルではなくて、
『クシコスポスト』がどうしてこんなにも運動会で使われるようになったかです。
 かけっこにぴったりの曲なら、この曲以外にもた〜くさんあると思うのです。『クシコスポスト』が使われるようになったきっかけを知りたいのです。
 また、諸外国でも、同様にかけっこで使われているのでしょうか?

好きですよ、この曲。最初から最後まで、口ずさめます。(星田)


A. Issieさんから

『クシコスポスト』は、ネッケというドイツの作曲家の作品です。
『Csikos Post』というタイトルはハンガリー語で、「チコーシュ・ポシュト」と読んで、これだけで「郵便馬車」を意味するそうです。その意味では『クシコスの郵便馬車』というのはあまり正確な訳ではないようですね。
 運動会の定番といえば、まさしく定番中の定番であるオッフェンバックの『天国と地獄(地獄のオルフェ)』から『地獄のギャロップ』や、表彰式で使われるヘンデルの『ユダス・マカベウス』から『見よ勇者は帰る』が有名です。
 ほかにもルロイ・アンダーソンの『トランペット吹きの休日』、カバレフスキーの『道化師』から『ギャロップ』、ドゥナエフスキーの『収穫の歌』などがありますが、これらが全国共通に定番となった直接の理由は、これらを「運動会の曲」として集めたレコードが全国の学校に普及したからなのでしょうね。この手のCDは、現在でも売られています。
 問題はこれらの曲が選ばれた理由なのですが、『天国と地獄』は元々が「追いかけっこ」の場面の曲であることがよく知られていたし、ヘンデルの曲もそのような場面の曲として知られていたのでしょう。
『収穫の歌』は元々、スターリン時代のソ連で作られたコルホーズ(集団農場)の宣伝映画の主題歌なのですが、日本へは戦後の「うたごえ運動」や労働運動を通じて紹介されたもので、当時の学校現場にもわりと近い存在だったのかもしれません(日本で紹介された歌詞にはコルホーズ等は一切登場しませんが)。
『クシコス・ポスト』は、私は運動会のほかに、小学校の音楽のレコード鑑賞の時間に聴いた記憶があります。
 当時(私が小学生であったのは1970年代前半)の学習指導要領には「必ず聞く曲」(各学年で3曲を指定。それを含め年間8曲以上聞くことになっていた)に入ってはいないのですが、音楽鑑賞教材として当時の小学校では広く知られていた曲で、だから「運動会の曲」にも選ばれたのかもしれません。
 で、この曲、日本では学校教育を通じて有名なのですが、他の国ではあまり知られてはいないそうです。