コンビニで電気料金、電話料金など、各種の支払いができるようになって、大変便利になりました。
でも、先日、便利だなと思いながら、気がついたのです。私が今支払っているお金は、どのようにして、相手先に届いているのでしょう?
銀行で支払うのなら、わけが分かります。銀行から銀行口座に向けて支払っているのですから……。しかし、コンビニは銀行ではありません。直接、相手の銀行口座に振り込むことなんでできないと思うのです。
となると、コンビニに託されたお金を、誰かが相手先の銀行口座に振り込み手続きを代行していることになります。誰がやっているのでしょうか? それって面倒な作業ですよね。コンビニは、どれほどの手数料を取っているのでしょうか?
まとめます。
コンビニで支払った各種の料金は、どのようにして、相手の銀行口座に届くのでしょうか? 不思議です。
★コンビニでの支払いは、バーコードを「ピッ」で、「○※円です」だけですものね。その後のお金の流れはどうなっているのかということですね。それは、知りたいですね。(星田)
小生、某市役所で税金関係の仕事をしています。
地方税法の改正を受けての信託法の改正により、地方税の一部でコンビニでの支払いが可能になりました。
電気料金等の公共料金はずっと昔からコンビニで扱っておりましたので、税の取扱自体が以前から取り扱っていた公共料金等の支払いと基本的には同じ方法でなされているとの思いこみでお話しさせて頂きます。
基本的には、疑問を呈された方が思ってらっしゃる通り、「コンビニ」が代わって支払っているのです。
ただ、レジでピッとバーコードをスキャンした人が納めるのではありません。
レジでピッとバーコードをスキャンします。
そして、それに該当するお金を支払います。これで、支払いは終わりとあいなりますが、問題はその後ですね。
レジでピッとなぞった後、その情報は各コンビニの集中センターに情報が行きます。
そこの本来の業務は、いつ何が売れたかの情報を管理し売れ筋・発注をするところです(したがってコンビニの店員が、経理とか全部の発注をするわけではありません。だから、あの程度に人数でやっていけるのです)。つまり、どこのメーカーの商品がいくらで売れたかという情報を送るわけです。
一寸目先を変えますと、例えばNTTという「メーカー」の「誰それ誰兵衛の何月分の支払い」という商品を「いくらで売った」かという情報を送るわけです。コンビニの払込票のバーコードをよく見ると、名宛人(顧客番号等と称する表示が宛先の近くに印字してあるはずです)の数字がバーコードの下の表示の中に必ずあります。
集中センターは、その情報を集計して、上記でしたらNTTに送ります。情報の流れは基本的にこれで終わりです。
そして、受け取ったお金ですが、店の売り上げと一緒に、恐らく店長(オーナー?)あたりか誰かが、回収して売り上げを入れる口座に一緒に入金するのだと思います。
後は、センターで集計し、まとめて送金します。これで、お金もNTTのところへ払い込まれるわけです。
もちろん、送金先の便宜を図り、いついつ振り込んだ支払いの内容として一覧表形式で再度情報を送り直しているとは思いますが……。
以上を図式化したものとして、大阪府が下記のHPで公開しています(もちろん内容は「税金」ですが)。
http://www.masse.or.jp/~jichiosaka/issue/issue18_12/200612_p34.pdf
コスト面を考えると、税金を取り扱うために今までと全く違ったシステムを開発するとは思いませんので、一般の振り込みも同じような方法をとっているものと思われます。
なお、手数料は、守秘義務の範疇に入りますので申し上げられませんが、以前というか大昔、「新電電」に極々少額の利用料金を申し訳なさそうに、振り込みをしたときに、レジの店員さんは、にこにこしながら、
「3%の手数料もらっていますのでご安心ください」
と言っておりました。
おそらく個々の契約によって異なるかとは思いますが、極端に安い金額とか高い金額はないような気がします(場合によっては、定額料金になっている場合もあるかとは思います)。
コンビニでお金が払えるようになって便利になりました。大手コンビニチェーン2社では、来期は収納代行業務の売り上げが一般商品の売り上げを追い抜く見込みと発表しましたが、他のコンビニチェーンも同じだろうといわれています。
さて、本題です。
受取人(支払い先)とコンビニチェーンとの間に信販会社が入っています。大体、こんな感じになります。
1.受取人が、支払い者に請求書とバーコードつきの振り替え書を郵送します。
2.支払者がコンビニ店でお金を払います。コンビニ店は、POSシステムを通して、遅くとも半日以内、早いところで即時にコンビニチェーンのシステムにデータが転送されます。お金はコンビニ店とコンビニチェーン本部との仕入れ金額やロイヤリティーと一緒に精算されます。
3.コンビニチェーンは、該当の信販会社に最低1日1回支払いのデータを転送します。
4.信販会社は、コンビニチェーンからのデータに基づいて、支払い先に支払いのデータを転送します。
5.信販会社は月に一度、コンビニチェーンの本部の口座からコンビニ手数料を引いた金額を引き落とし、信販会社の口座に入ります。
6.信販会社は手数料を引いた金額を支払い先に振り込みます。
これで、支払い先は誰が払ったかを確認すると同時にお金を受領できます。信販会社は、支払い先からの手数料とコンビニから受け取ったときと支払い先に支払う間の運用益で利益を得ます。
コンビニは、信販会社からの手数料と現金を受け取ってから信販会社に支払うまでの運用益で利益を得ます。
さて、信販会社ですが、コンビニ対応の信販会社は100社以上あるといわれています。信販会社として大手というか老舗の三菱UFJニコスやセントラルファイナンス、JACCS等から、クレジットカードの子会社、電力会社やガス会社の子会社、金融機関の子会社、宅配便の子会社、システム関連の子会社などいろいろな会社があります。
また、サービスの内容も同じ会社でも違うケースがあり、信販会社の手数料は10%以下のケースから50%弱のケースまであります。
支払い状況のデータは毎日欲しい、さらにお金も2から3日以内に毎日欲しい(この場合は信販会社の立替になります)、なんて契約すれば手数料はものすごく高くなります。一方、データは月に1回まとめてくれればいいよ、お金もコンビニから受け取ってからでよいとなると手数料もかなり安くなります。また、一部の信販会社は請求書の作成から郵送までも請け負っているようです。その分、手数料は当然高くなります。
★お二人とも大変ていねいでわかりやすい説明です。うれしいです。ありがとうございました。
雑学は、まだまだやめられませんね。(星田)