--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.712 (2008.10.24)

Q. スミスさんからの疑問

 本州から四国や九州へはへは鉄道が結ばれていますし、自動車でも行き来ができます。便利になったと思います。
 本州から北海道へは鉄道が結ばれていますが、自動車で行き来することはまだできませんね。
 そこで質問なのですが、
本州−北海道間を自動車道路で結ぼうという計画は、これまでに、なかったのでしょうか? また、近い未来にもないのでしょうか?
 また、新幹線で結ぶという計画はないのでしょうか?

本州と北海道を結ぶということが、どれほどの経済効果があるのか――そんな問題もあるのかな?


A. 隠れ鉄道ファンさんから

 北海道から九州へ結ぶ自動車道の計画は、昭和45年、故田中角栄首相が経済発展の目的で「日本列島改造論」という壮大な計画の中にあります。
 計画路線の図面等は既に20年以上も前に出来上がり、後は国民の税金をいつ・どのタイミングで投入するかを待ち構えている次第であると思います。
 疑問にもあります、北海道−九州道路も道路族国会議員先生方の頑張り次第で現実となるのではないでしょうか。
 新幹線も同様で、北海道−九州を結ぶ計画も図面等は出来ていますが、後は金と土地買収・立ち退き等を含めた移転先の確保だけだと思います。

A. ごんたさんから

 車道で全国を繋ぐという構想はあるでしょう、ただし、「将来は」と頭に付く夢の構想であるとは思いますが。
 鉄道は既に青函トンネルが開通・運用されていますから、新幹線の乗り入れはそれほど夢のような計画では無いでしょう。
 では、なぜ故、道路で本州・北海道を繋ぐのが夢の構想なのか? それはやはり、自動車は列車に比べ、事故の発生率が多いからではないでしょうか?
 トンネル、橋の建築技術は年々進歩していますから、建設自体は費用や建設場所の問題を除けば実現は可能でしょうし、青函トンネルを何とか利用できるかもしれません。ただ、橋の場合、冬場は大変だとは思いますが……。
 安全対策も昔に比べ、ずいぶんと進んでいるとは思いますから、大事故の発生する確率は減っていると思います。
 しかし、事故の発生率はドライバー任せですから、どうしようもありませんね。カーフェリーを増やすより安上がりで安全な手段が提供できるなら、即計画が実行されるでしょうね。

A. MMPAPAさんから

 自動車道路ですが、前の青森県知事が熱心に運動していましたが、北海道も国も乗らず、青森県の経済界も否定的で盛り上がりませんでした。現在の青森県知事はむしろ建設反対の意見といわれています。
 現実には世界最長の明石海峡大橋を大きく上回る規模になること。国際海峡のため橋げたの高さも相当の高さが要求されることから建設費用がかかること。片方で、塩害対策や強風、冬季の路面凍結などを考えると安全確保が難しいことが言われています。一説にはフェリーの天気不良による運休日数より通行止め日数の方が多いともいわれています。
 自動車道路トンネルですが、現在の法律では海底のトンネル内にパーキングエリアとサービスエリアが必要となり、非現実的な建設費となります。また、換気や非常時の退避など多くの問題を含んでいます。また、石油等の危険物を積んだ自動車は通行できません。また、フェリーが航海速度向上による時間短縮のため不要説が強くなっています。
 新幹線ですが、現在の青函トンネルは新幹線規格で作られています。新幹線用のトンネルに無理やり在来線を走らせているという感じです。当初の将来予定では、トンネル内に3本のレールを設置して、新幹線、在来線共用で行う予定でした。しかし、現在は旅客輸送はフェリーに押されてジリ貧状態の一方で貨物輸送は予想を超える伸びを示し活況を呈しています。
 トンネルは長距離なので安全確保のため石油等の輸送は行わず安全性の確認された荷物のみを積んだコンテナのみとなっています。現在、東北新幹線を函館まで伸ばすべく準備がされていますが、コンテナ貨物の最高速度が100km/h、新幹線が200km/hで速度差が大きくダイヤが組めない事態になっています。このためJR北海道とJR貨物は超小型の車輪を使った高速貨車を開発しこれに在来線のコンテナ貨車をそのまま新型の貨車に載せて(コンテナを積み替えずに貨車の上にコンテナ貨車を載せるということになります)トンネル内でコンテナ貨物列車を200km/hで運転させる研究が行われています。これが実現すれば、自動車輸送も実現する可能性もあります。

A. ヒイロさんから

 海底トンネルでは不明ですが、かつて津軽海峡に連絡橋を作ろうという動きはあったようです。マグロで有名な青森県大間町と北海道戸井町(平成の大合併で函館市に編入)が姉妹町となった際にそのような宣言をしたようです。「津軽海峡に夢かける〜目指そう!本州北海道連絡橋の実現!!〜」という看板が立っています。
  
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/toi/sansaku.html

 海底トンネルとして有名なドーバー海峡も鉄道トンネルだけですが、自動車用道路が出来ないのは以下のような理由があるのではないかと思います。
 まず1つ目は、なぜ自動車用トンネルが出来ないのかという理由です。
 JR北海道管轄で、札幌近郊区間以外で唯一電化されているのが青函トンネル内だということが全てを物語っています。つまり電車になくて自動車にあるもの。それは排気ガスです。
 陸上のトンネルですら、数kmもの長さになるものは中央部に何基もの換気設備を持っています。これが海底トンネルになれば、換気にかかわる設備はより巨大なものになります。
 有名なものには、東京湾横断道路(アクアライン)の「海ほたる」があります。これは観光用に作られたものではなく、海底トンネル部分の換気のための人工島です。
 ほんの数キロのアクアラインですら何基もの換気のための人工島が必要なのですから、20km以上もある青函トンネルではどうなるのかは想像出来るでしょう。本州と九州を結ぶ関門トンネルは、幸いにも距離にして2kmにも満たない
長さなので、高速道路専用トンネルが運用されています。
 もう1つの理由は、トンネル以外の方法での実現が困難な理由です。
 それは津軽海峡が「国際海峡」に指定されているということです。
 これは国連海洋法条約で定められているもので、領海内であっても外国の船や航空機が、たとえ軍艦であっても海峡を通ることを妨げてはならないというものです。有名なのは、ジブラルタル海峡(地中海の入り口)やドーバー海峡、ホルムズ海峡(ペルシャ湾の入り口)、マラッカ海峡(スマトラとマレー半島の間)などがあり、日本では、津軽海峡の他に宗谷海峡や対馬海峡などが当たります。
 ここで指定された海域では、通常の航行をしている外国船に通過通行権を与えられています。つまり、外国船の往来を妨げるような巨大で長距離の連絡橋を津軽海峡に作るのは難しいということになります。
 このような理由に加え、実際の経済効果とコストの問題などもあって実現しないのではないかと思います。
 現在でも青函トンネルは、年間10億近い維持費がかかっていると言われています。

A. ざ〜さんから

 もう20年以上前になるでしょうか、NHKで青函トンネルが出来るまでのドキュメントをしていたときに、上記の問題が議論されていたことです。特に問題とされたのが、自動車道路での事故と排気問題、鉄道での軌道幅の問題でした。そのなかで、防衛庁に問い合わせをしたことが紹介されてました。
 有事に備えて、青函トンネルに戦車やミサイルが通れるようにするか否かの照会でした。
 これらを通すには、新幹線の軌道が必要になるようでした。結論としては、防衛庁は必要なしと回答していたように思います。それで汎用性の良さを選択して在来線になった話だったような……。

てっちゃンからも、回答をいただきました。ありがとうございました。