--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.717 (2008.11.22)

Q. Julianさんからの疑問

「心霊写真」や「念写」というものが話題になった時期がありました。ところがデジタルカメラがフィルムカメラをしのぐようになった現代、さっぱり耳にしなくなりました。
 あれはやっぱり、撮影時の光の具合だとか、現像時の化学現象などを見誤ったものだと思うのですが、
デジタルカメラだとフィルム写真に比べて、「心霊写真」のような現象はすくないのでしょうか?

心霊写真や念写が「存在する」とか「可能だ」とか、そっちの方面への回答にならないようにくれぐれもお願いしますね。(星田)


A. アンギラスさんから

 記録方式がフィルムか?デジタル信号か?の違いよりも、カメラの機能が良くなって、二重写しなどがなくなったからではないでしょうか?
 光の当たり方などで偶然出来た影が人間の顔に見えることは、デジカメでもフィルムカメラでも同じだと思います。

A. ごんたさんから

 昔、写真にハマっていたとき、一度撮影したフィルムを巻き上げずにもう一度人物の位置を変えて撮影し、幽体離脱のように重なった写真を撮ったことがありました。
 従来のフィルムを用いたカメラは、多重露光と言われる「同じフィルム内に何回も撮影をする」技法によって心霊写真のように不思議な写真が撮れました。しかし、デジタルカメラは記録する形式が異なり、同じ写真として重ねることが出来ないため、そのような写真は作れなくなりました。
 しかし、もう一つの手段である「現像&焼付け段階での合成」に相当する「パソコン等での画像の加工」による合成は可能です。
 ただ、写真の場合、現像や焼付けなどは業者などが行っていたことも多かったので、それらの人の作業ミスによって偶然に心霊写真が出来てしまうことがあったでしょうが、デジカメ写真の場合は意図的に加工するしか合成は出来ません。

A. kztさんから

 最近、心霊写真がすたれているのは、デジカメとパソコンが広く普及し、パソコンの画像処理で誰でもかんたんに心霊写真を製作できるようになってしまったためでしょう。市販の画像編集アプリがあれば、背景の片隅に故人の顔データをぼんやりと浮かび上がらせることなど、極めて容易です。
 かつては、心霊写真の製作にはそこそこの写真技術が必要でした。だからこそ、現像テクのない人や多忙な人には無縁のものだったのです。心霊写真が珍しかったから、話題にもなったのです。昨今では小学生でも作れるので、あまりにもあほらしくて、真面目に心霊写真などという人はいなくなりました。
 念写ですか? あれはただの手品ですよ。

A. matthewさんから

 表題の疑問についての、私なりの考えを述べます。
 まず、いわいる「心霊写真」と呼ばれているものを原因別に以下のように分けます。

1.多重露光
 フィルムの装填に問題があり、1つのコマに複数回の撮影があったもの。

2.現像ミス
 現像作業上のミスや手順に起因するもの。

3.光学的現象に起因するもの
 ほこりが反射するオーブやレンズフレアなど、光学的な現象でそれらしい「何か」が写ってしまうもの。

4.その他
 トリックやすり替えなどで意図的に作られたものや、被写体の角度が原因で不自然な像に見える写真など。

5.本物(笑)

 こう考えると、1と2については、デジカメでは起こり得ないということがわかるとおもいます。特に多重露光は、過去に心霊写真として紹介されたものの多くがこれで説明できるようにおもわれますから、そういう意味ではデジカメになって少なくなったのかもしれません。
 3と4については、塩銀でもデジカメでも発生する可能性はあります。ですから、デジカメになったからといって、心霊写真がなくなるというわけにはいかないようです。
 ただし、穿った見かたかもしれませんが、写真がデジタルデータになったことで、加工の精度は塩銀写真と比べて格段に向上しました。これが何を意味するかというと……、やはり心霊写真はなくならないということになりそうです(笑)。

A. 船橋さんから

 テレビ制作会社に勤めている大学時代の友人に聞いてみました。
 1993年以前、テレビ局には視聴者からの心霊写真が、毎年かなりの数が送られてきていたそうです。それらのほとんどは、2重露光や、現像時にフィルム同士の接触とわかるものだったそうです。
 しかし、制作側は「視聴者はそのようなものだとわかっていても楽しんでくれているだろう」という前提で心霊写真番組を作って放映していたそうです。
 その後、1993年にオウム真理教の事件が発生し、この手の番組は制作が自粛されます。テレビの心霊写真、超能力、宇宙人などを扱う番組が、宗教に走る若者を増やしてしまったのではないか?いう判断があったからだそうです。
 それから10年たち、2003年頃からこの手の番組はまた「解禁」となったそうです。
 しかし、すでにこの頃にはデジタルカメラがかなり普及していました。フィルムが無いため、二重露光などは起こらず、「心霊写真」らしきものは募集をしてもあまり集まらないのだそうです。だから、「解禁」されたと言っても心霊写真をテーマにした番組を作成することは大変難しくなっているのが現状だそうです。
 以上が、その友人の話です。
 これから判断すると、やはりデジタルカメラでは心霊のようなものが写る可能性は、ずいぶんと下がっているのではないでしょうか?
 さて、デジタルカメラに関して、個人的にはアメリカで以前毎週発行されていた「Weekly World Ners」が、今年休刊になったことが大変寂しいと感じています。
 この新聞は、一面に
「宇宙人がネブラスカで捕まった!」
とか、
「ネス湖のネッシーはエリザベス女王のペットだった」
とか、
「2メートルの巨大ウサギは実在した!」
などという見出しとその写真が掲載されるというものでした。
 まだネットが存在せず、日本人がアメリカの新聞が読むのが難しかった時代には、矢追純一氏や韮澤潤一郎氏がこの新聞をアメリカから取り寄せて、番組作成や雑誌編集のネタとして重用していたといわれる新聞です。
(現在は、Webでのみ運用中:
http://www.weeklyworldnews.com/

 なぜこの新聞が廃れたのかというと、やはりデジカメとPhotoshopのような画像編集ソフトの発達のせいだと言われています。
 以前は、
「クリントン大統領と宇宙人が握手をしている写真」
を一面に載せると、それだけで非常にインパクトのある紙面となり、新聞が売れに売れました。でも、いまでは素人でもPhotoshopを使って合成写真が作れてしまうので、誰もびっくりしなくなってしまったのです。そのため、部数が激減し、ついに廃刊となりました。
 一方では、心霊写真(と見えるもの)が減り、その一方で合成写真が簡単にできるようになったという、一見全然逆の2つのことを引き起こしてしまっている……というのがデジタルカメラの面白いところかもしれません。

A. うにうにさんから

 写真でときどき謎の光の点やにじみが写っていることがあります。これは「フレア」といい、レンズに入った直射日光が、レンズを構成しているガラスやレンズ内部の壁などに乱反射して起こるものです。フレアのうち、強い光源の回り以外の所にうつっているものは特に「ゴースト」と呼ぶことがあります。文字通り「幽霊」です。これらは光学系の問題ですので、デジカメでも起こります。
 対処方法として、レンズフードやフィルターをレンズの前に付けたり、直射日光が入らない向きで撮影したりします。
 フィルムカメラでは、強い光がフィルムの内部で反射して、光のにじみのような色が写ることもあります。これを「ハレーション」といいますが、デジカメでは起こりません。
 しかし一方で、フィルムの代わりを務めている感光素子の表面にほこりが付くと、それが画像上にも写ることがあります(一眼レフではわざわざほこり除去装置が付いているほどです)。
 そんなわけで、デジカメであっても、「心霊写真」のような予期しない模様や光の点などは写ることがあります。
 昔ほど「心霊写真だ」といって騒がれなくなったのは、写真に対する考え方が変わったためではないかと思います。
 フィルム写真では、写真の修整は特殊な技術が必要でした。普通の個人が行うことはまず無理で、現像に出して戻ってきた写真をそのまま鑑賞するしかありませんでした。
 また、「写真」という単語自体が「真を写す」と書くこともあって、写真の専門家でない人の多くは、出来上がった写真に過剰な信用を置いていて、何か変なものが写っていると、霊のしわざだなどといってすぐに騒いだのではないでしょうか。
 ところが、デジカメになるとパソコンさえあればだれでも写真の修整や合成ができます。むしろ、人様に見せる写真では修整を加えてからプリントしたり公開するのが当たり前のようになってきました。たとえ画像に変なものが写っていても、「合成だろ」とか「画像ソフトの使い方が下手だったんじゃないか」と言われればそれっきりです。
 また、写真の仕組みそのものも、フィルムからデジカメに変わることで、「光を電子回路で数字の塊に変換する装置」という無機的なものになり、心霊写真などといった神秘的な作用が入り込みにくいのではないかと思われます。