--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.721 (2008.12.09)

Q. bluestarさんからの疑問

 先日、お弁当を作った時ゆで卵を作りました。適当に時間を計って殻をむくと、なんと半熟状態! さわるとぶよぶよ状態でした。
 もったいないのでその卵を殻をむいた状態で再度お湯に入れました。何度か確認しながら加熱しましたが、不思議と黄身は固まりません。いくら加熱しても最初のぶよぶよ状態のままでした。

 疑問を感じたときは時間がなかったので、今回もう一度実験してみました。

1.最初はそのまま5分間ゆでる。
2.殻をむくとぶよぶよ状態で半熟とわかります。
3.殻を全部むいて再度沸騰したお湯に入れて5分間ゆでる。
4.出してみると、最初よりは固まってる様子。ぶよぶよ感が少し少なくなってました。
5.さらに5分間ゆでてみました。
6.かなりぶよぶよ感は少なくなってました。切ってみると黄身外側は固まり真ん中がトロトロ状態。ちょうど地球の状態でした。煮卵を作るときはこんな風に作るのかな?

 合計15分ゆでてもハードボイルドにはならないことがわかりました。殻を付
けたままですと10分もゆでれば十分固まります。
 殻をむいた卵はどうして黄身に熱が通らないのでしょうか? 熱を通すにはどうしたらよいのでしょうか?

こんな不思議な体験、みなさんは経験がありますか?
  案外、前回の疑問No.720「ステンレスボトルはあんなに薄いのに、なぜ保温性が高いの?」と関連があったりして……。(星田)


A. ごまさばさんから

「殻をむいた半熟卵を再度ゆでても黄身が固まらないのはなぜ?」を読んで、逆に私の長年の疑問が解けました。
 というのは、ラーメン等にのっている煮卵なんですが、味付けされて白身のいちばん外側が醤油で黒っぽくなっている半熟卵、これの作り方に関して不思議に思っていました。ゆで卵は、当然ながら殻のままゆでますけど、その後、殻をむいて「半熟のゆで卵」を醤油等で味付けしながら煮るのだと思います。
 で、最初に作った半熟卵を醤油で煮ると、半熟の黄身が固まってしまうのではないかと思っていました。なので、どうやって半熟の煮卵をつくるのだろうと思っておりました。
 この疑問を解決するために、半熟卵を醤油で「煮る」ことはしたことがありませんでした。なぜなら、半熟卵を煮れば、「黄身が固まる」と思っていたからです(思い込み)。
 それで、試したのが、「半熟卵を醤油ベースの汁に漬け込む」でした。これだと、ある程度うまくいき、ラーメン屋さんは、こんな作り方をしてるんだろうと勝手に思い、完全に納得していませんでしたが、自分で解決したつもりになっていました。
 今回の疑問を読んで、自分なりに半熟煮卵の作り方がわかりました。本来の疑問解決の話題じゃありませんが、すっきりしたので、メールさせて頂きました。

A. トンビーさんから

「へえーっ、そうなんだ……」って感じで驚いてます。
 固まってしまった白味はかなり断熱性が高いってことなのでしょうかね。黄味に熱が伝わりにくいことと殻があるかどうかは関係ないように思います。
 生卵からゆでるときは、白味が固まる前に黄味に熱が伝わりますし、白味が固まってしまった後も、白味自身が高温ですからその熱で黄味が固まっていくと考えられます。
 一方、白味だけが固まったところで一旦冷やしてしまった半熟卵は、再加熱しても既に固まっている白味が断熱壁となって、黄味まで熱が伝わりにくいということではないでしょうか。
 ところで、これ、小中学生が研究したら科学賞とかもらえそうな面白いテーマですね。

A. 黒男さんから

 推測ですが、卵の殻に圧力鍋と同じような効果があるのではないでしょうか?
 だから、殻を取った状態だとふたのないお鍋で茹でているのと同じで、黄身まで熱が伝わりにくい……。
 余談ですが、殻をとって茹でた玉子の味が気になります。

A. ともぽさんから

 高校の化学で「PV=nRT」という式を習いました。Pは圧力、Vは体積、Tは(絶対)温度です。つまり、圧力と体積の積は温度に比例するということです。
 さて、ゆで卵。殻が付いていると体積は変わりません。ですから、計算は省略しますが、沸騰水中だと卵の内圧が3割くらい上昇する計算になります。
 おそらく、その圧力で黄身が状態変化を起こしていると考えられます。殻をむくと、体積が増える分、圧力がそれほどではなくなるので、黄身の状態変化が起こりにくくなるのではないでしょうか。

A. ごんたさんから

 黄身の加熱の加減が関係しているのだと思います。
 温泉卵を見るかぎり、白身と黄身の固まる温度には違いがあると見て間違いは無いと思われます。そして、通常のゆで卵を見れば、加熱で固まった状態が違う(弾力のある白身に対し、黄身はパサパサと水分が抜けたような状態にある)ことがわかります。つまり、黄身が固まったときには水分が抜けているわけです。
 半熟の状態では水分と黄身が混ざり合った状態ですから、その水分は白身あるいは外に逃げ出したと見るべきでしょう。
 半熟の場合は、先に白身が固まり始めたため、逃げられなかった水分が黄身とそのまま残って混ざりあっているのではないでしょうか?
 黄身そのものは細かな粒状に固まっているため、いくら加熱しても水を取り込むことは無く、固まった白身が水分を逃がさないのでどろっとした状態を保つのではないでしょうか?

A. うにうにさんから

 回答の中で、「PV=nRT」を用いた説明がありましたが、この式は「気体の状態方程式」ですので、卵黄や卵白には当てはまらないのではないでしょうか。
 私は、トンビーさんの説明が最も妥当だと思います。

そういえば、むかし、NHK教育テレビの子ども向けの番組の中で、卵料理が得意な「ラン・ハンジュク」という名前の女の子がいたなぁ。