--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.739 (2009.03.24)

Q. みつひろさんからの疑問

 本に関する疑問です。

(1)出版社から本屋さんに本が卸されますよね。本屋では、どちらかといえば、売れる本よりも並んでいる本の方が多いはずです。
(2)そして、私たちは本屋でお金を払って本を買います。

 出版社はどちらの時点で、「収入」が確定するのでしょうか?
 自分なりに「予想」もしてみるのですが、どちらとも考えられて……。ぜひ、本屋さんからの「お声」が聞けるといいのですが……。

「返品」というシステムもありますしね。(星田)


A. まいたけさんから

 本はよくわからないのですが、衣料品でよくある販売形態に置き換えてお話してみます。
 アパレル業界の販売形態には、大きく分けて「買取」と「消化(委託)」というのがあります。
 前者は、百貨店等が業者から商品を買い、それを販売する方法で、業者の会計ではこの業者が百貨店に品物を渡した時点で売り上げが成立します。
 後者は、業者が百貨店等に陳列を委託する形になり、この場合は業者が百貨店等に商品を渡した時点では売り上げになりません。百貨店等で販売できて始めて会計上の売り上げが成立します(細かく分けると、販売した時点、もしくは、販売したと言う伝票を業者が店舗から受け取った時点の2パターンがありますが)。
 書籍に関しても、委託販売はおそらく後者と同じで、店舗で販売できた時点、もしくは販売したという伝票を店舗から受け取った時点のどちらかでしょう。

A. Chakoさんから

 聞きかじりで申し訳ありませんが、少しでも参考になれば幸いです。
 本の流通は少し複雑です。もちろん、「出版社→問屋(東販と日販ですね)→本屋」という流れなのですが、卸しの問屋さんとそれぞれの出版社、卸しの問屋さんとそれぞれの本屋(小売店)の契約、個々の条件にかなり差があるのです。
 大手で老舗の出版社だと、高い掛け律で問屋に引き取ってもらえ、支払いもすぐされますが、新しい出版社だと掛け律も低いし、支払いも半年後とかにされてしまったりするようです。
 本屋さんとの契約は残念ながらもっと不案内なのでお許しください。
 返本分はもちろん出版社が返金します。赤字になった分はヒット作品の儲けで埋め合わせをしてるわけです。
 でも、これは一昔前のお話で、amazon等のネットでの流通も盛んになってきましたから、少しは新規の参入もしやすくなってきたかもしれません。

A. ますやんさんから

 出版社の場合、個人の「収入」に該当する「売上」は、取り次ぎに本を納品した時点で立ちます。出版社の口座に代金が振り込まれるわけです。また、その本の注文が入れば、そのぶんの代金も振り込まれます。
 ところが本が返品されると、今度は逆に、返品されたぶんの代金を支払わなければいけません。この差し引きが今月はいくら? というのが毎月の最終的な売上となります。
 つまり、月末に締めてしまえば、その時点で確定ともいえるのですが、個人の収入と違い、返金が発生するので、確定という概念ではとらえにくいのが、日本の出版システムなのです。
 また本の場合、返品された本が在庫に積まれたままだと評価損が発生し、売上が大きく減らされます。これもまた、確定できない要素の1つです。

 本1タイトルでみた場合、その本がまったく売れなくなり、返品もこなくなって、在庫も破棄したときが、ある意味、確定の時点ともいえます。この段階ではお金がもう動かないからです。

 日本の出版は委託販売となっており、お金の流れはすさまじく複雑なので、この説明もかなりはしょっています。