--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.743 (2009.04.07)

Q. 美代さんからの疑問

 こんなこと本当は聞いてはいけないのかもしれませんが、どうも気になるので教えてください。
 燃えるゴミの中に金属が混じっていたら、その後の処理にどれほどの影響があるのでしょうか?
 たとえば、10枚のプリントの端をクリップやホチキスで留めていた場合。たとえば、コンビニ袋程度の燃えるゴミの中に、コーヒーの缶がまざっていた場合……。
 わざとそんなことをやろうなって思っていませんが、気がつかずに混ざってしまうことも多いと思うので、気になっています。

ゴミの分別は大の苦手です。(星田)


A. よしなさんから

 一昨年、清掃工場、つまりゴミ焼却処理工場を見学してきました。焼却施設が「工場」と言うのに違和感がありますが……
 詳しいことはわかりませんが、アルミ缶は大丈夫ですが、スチール缶は清掃工場にとって迷惑なような気がします。
 まず集められたゴミはゴミバンカと呼ばれるところに集められます。そこからクレーンでストーカ炉と呼ばれる焼却炉に入れられます。斜めに傾いた炉で上からゴミが転がり落ちながら燃え、下に着く頃には灰になっています。
 最近はこの炉が回転する回転ストーカ炉というのがあり、均一に燃えるらしいです。
 この炉の中には水が通ったパイプがあり、温められた水で発電します。また、ボイラも設置されており、その熱は施設内あるいは施設近傍の公共施設の暖房や市民プールの温水やシャワーなどに使われたりします。
 その後、活性炭や消石灰で匂いや有害物質を取り除いたり、集塵機で粉塵を取り除いたりして廃棄します。
 一方、この時点で灰はもとのゴミの体積の1/20くらいになっていますが、その灰は灰溶解炉と呼ばれる炉で、都市ガスを使って1200℃くらいでさらに燃焼させます。すると灰は液体になります。液体になった灰を水に入れると急激に冷却されて砂状になります。これをスラグというのですが、アスファルトに混ぜたり、OA床材などに有効活用しています。
 アルミの融点は約660℃ですのでストーカ炉で溶けてスラグになりますが、鉄の融点は1500℃以上ですので灰溶解炉でも溶けません。これがどうなるのかは質問しなかったのでわかりませんが…。
 灰や熱まで再利用しますが、日本の焼却炉の熱回収率はまだ低いようですし、埋め立て場も枯渇してきています。やはりゴミは出さないように日頃から気をつけていないといけないようです。

A. Yoshihiroさんから

 昔の焼却炉なら影響は有りましたが、現在大阪市などの大都会で使われている焼却炉だと、少しくらいの金属なら溶けてしまい、灰の中に混ざってしまいます。家庭用アイロンでも全く影響は無いそうです。
 有害だと言われるダイオキシンも、高温で焼却すれば発生は防げます。それだけ炉の耐火性が高まっている、ってことでしょうね。

ということは、「分別」の意義は、主に「再利用」にあるということですね。(星田) 

A. やまたんさんから

 参考の話として、ですが、数年前にサイトを検索していてわかったことがあります。
 ゴミの焼却工場では、ときどき焼却灰の成分分析をするそうで、それによると、都市ゴミには一般にかなり多量の「鉛」が含まれているそうで、その量は、ゴミの中に(自動車用の)バッテリーでも混入している以外には理由がわからない、のだそうです。
 バッテリーが一般ゴミとして本当に捨てられたかどうかは別としても、この話から、その程度のものが混入していても「わからない」「気が付かない」ということになり、焼却処理上は「大きな問題はない」ということになりそうです。
 焼却灰は埋立て処分するケースが多く、環境汚染の原因になりますので、鉛のような有害物質をはじめ、自治体で定めているものは、可能な限り分別排出しなくてはなりませんが、少なくとも質問者様の書かれているレベルは、(一般的には)「気にする必要はない」ということになるかと思います。

A.現在、調査中です。情報ください。 [メール]