--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.749 (2009.05.09)

Q. たつおさんからの疑問

 不景気が続いていますね〜。
 仕事がうまくいかないことを、「商売、上がったり」と言いますが、「上がる」という言葉が持つイメージからすると、「商売がうまく進んでいる」と思えるのですが……。
「商売、上がったり」はどうして、「商売がうまくいかない」のでしょうか?

「願ったり、叶ったり」は、よいイメージですね。(星田)


A. 黒男さんから

 私の想像ですが、日本人には古来から「言霊」という概念があり、悪い(イメージの)言葉を使わないようにする風習(慣例?、習慣?)があります(梨を「有の実」と言ったり、地名の「亀梨」が「亀有」になったり)。
 だから、本来は下がっている商売の状況を、逆の言葉で表現しているのではないでしょうか?
 私の商売もあがったりです。(TдT)

A. しげ3さんから

「商売上がったり」の疑問ですが、「上昇」などの意味ではなく、「終わる、終了」の意味だと思われます。
「車のバッテリーがあがる」も同様です。

A. かかしさんから

 英語で「up」という副詞があります。「商売あがったり」の「あがったり」は、この「up」に近い気がしています。
 英和辞典では、
「終結・完成・充満などを表わす強意語として動詞と結合して] まったく,すっかり; …し尽くす
といった説明がありました。

  drink up ……飲み干す
  use up ……使い切る
  eat up ……食べ切る

 飲み干したり、使い切ったりすると、その物は無くなってしまうわけで、「up」にはおのずと「終結」の意味が生まれるのでしょう。すごろくのゴールを「上がり」というのも、似たような発想だと思うのです。
「あがったり」の「〜たり」はよくわかりませんが、「商売があがる」というのは、「商売が終わってしまう(くらいにうまく行かない状態)」ということなんだと思います。

A. 子沢山さんから

 辞書で引いていただければ分かると思いますが、「上がる」には、

  「物事が終了する」 例:雨が上がる、すごろくの「上がり」

という意味があり、そこから、

  「物事の働きが終わって、だめになってしまう」 例:バッテリーが上がる

という意味があります。
 そういう意味の「上がる」に、完了の助動詞である「たり」(例:「願ったり、叶ったり」−「願ったら、その通りに叶った」の意)をつけて、「もう商売がうまくいかなくなってしまった」という意味で、「商売、上がったり」と使います。