--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.758(2009.06.20)

Q. アイコさんからの疑問

 子どもが、社会見学で浄水場を見学に行きました。帰ってきて、見てきたことを話してくれました。それを聞いていて、疑問が湧いたのですが……。
 きれいになった水は、私たちの家までどうやって届くのでしょうか?
 でも、これはなんとなく、想像できるのです(ちがうのでしたら、教えてください)。圧力をかけて水を送り出し、水道管を通す。圧力をかけているので、少々の「上り坂」でも、水は水道管の中を流れるのでしょう。
 ところが、下水はどうやって、浄水場まで流れるのでしょうか?
 私たちは流すだけです。圧力なんてかけていません。水は重力に従うしかないのです。それなのにどのようにして、下水は浄水場までたどり着くのでしょう? 不思議でなりません。
 よく考えてみると、
下水が浄水場に行くというのも、不安です。そのまま川へ、流れてしまうとか? 子どもと一緒に勉強したいので、ぜひ、教えてください。

社会勉強になる疑問ですね。
 もしかしたら、お子さんに聞いてみたら、知っていたりして……。(星田)


A. 糸色さんから

 一応、下水道設置工事に係わったことがあるので、その経験からお答えします。
 率直に言うと、浄水場でちゃんと何らかの処理はされますよ^^。どんなことをするかまではわかりませんが……。
 で、どうやって流れるのかは簡単です。水は高いところから低いところに流れます。つまり、最初をできるかぎり高くして、配管を少しづつ勾配をつけて低い方に流れるようにします。う〜ん、そうめん流しを連想してもらうと良いでしょう^^
 そうやって少しづつ高いところから低いところへ流し、最終的にはいちばん低い浄水場に流れ込むわけです
 説明べたで申し訳ありませんが、お分かりいただけたでしょうか^^;

ということは、浄水場は、比較的低い土地にあるということですね。

A. つかささんから

「圧力はかけていない……」と思われがちですが、実際には「流し台」と「地中の下水管」という高低差によって圧力(重力)があります。したがって地中に埋まっている下水道管は水平でも汚水は流れます。また、地形的に高低差(標高差)のある場合や、処理場までの距離がある場合はポンプで中継、加圧されます。
 処理場では「沈殿」「濾過」といった工程で不純物を除去したり、バクテリア(細菌)により「有機物」等を取り除いたり、薬品による「中和」を行ない汚水をきれいな水に戻していきます。汚水の浄化の過程で発生した(除去された)不純物(汚泥)は別途、埋め立て等により処理されます。

A. ごんたさんから

 少し前、今でも一部の地域では家庭で出た排水(洗濯した水や風呂の湯、台所で流した水など)を近くの川にそのまま流していました。天然(?)の下水です。トイレは汲み取り式で別に貯め、肥料などに転用していました。
 川に流されるのは比較的綺麗(?)な水でしたが、現在は水洗トイレなども排水に含まれますので、下水に流れる水は本当に「汚水」となってしまいました。
 下水は「川」と同じなので、基本的には上から下に流れるためポンプなどを使わずとも下水処理施設まで届くのです。
 水道管は蛇口をひねればいつでも水が出るよう圧力を掛けるためポンプが必要ですが、下水は夜中など、流れない時間もありますから、ポンプは使えません(ゴミなどが詰まる危険性もありますね)。
 ただ、一時的に汚水を貯めて汚泥やゴミを沈殿させたりする場所やどうしても高い位置に移動させる必要がある場合はポンプを用いることはあります。
 そして下流に位置する下水処理施設に集まった汚水は浄化され、付近の川などに放流されます。
 浄化されたとはいえ、汚水だった水をそのまま上水用に利用する地域は無かったと記憶しているのですが、違うかも知れません。
 上水用の水は大きな河川の上流や湖の深い場所など、元の水が綺麗な場所から取水しています。

A. KKさんから

 仰るように、重力ですね。高い方から低い方に流すだけです。それも微妙な勾配ですね。○/100とか、○/1,000です。
 でも、河川などを横断する時にはその下を通ることになるので、一旦、深くまで下げ、河川などを横断した後、ポンプで上げます。
 下水道の計画では、まず都道府県などの浄水場を作る行政機関が太い管を地中の比較的深いところに設置します。次に、市町村などの行政機関がこの管に接続する……、といった具合に進めていきます。
 ちなみに、工事は下流側からです。
 坂道は登れないこともないでしょうが、ポンプ場などの施設をたくさん作らなければならないので、お金がかかりますね。

A. sekisanさんから

 下水管には勾配(傾斜)をつけてあります。汚物は自然流下が原則です。
 ……が、処理場までの長い距離を勾配つけて配管するのは、起点深度を−30cmとしても処理場では深度20〜30m、それ以上になってしまい、処理施設に流入させることは不可能になります(処理施設はそんなに深く、低くない)。
 勾配は5%程度が良いとされており、緩いと汚物は流れず、急だと水だけが流れ汚物を置き去りにします。工事の仕様書に「○○%の勾配にする」ことが指示されています。
 そこで、地中の配管のところどころに中継場所がありポンプアップして、配管が深くなり過ぎないようにしています。
 ポンプは水では一般的ですが、汚物をくみ上げる特殊なものが使われています。
 下水処理場は、

   国土交通省の補助に当たるものは……下水処理場(都市)
   農林水産省補助に当たるものは………農業集落排水事業場(農山村)

に分けられています。