--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.767(2009.07.25)

Q. かかしさんからの疑問

 とても答えにくい疑問だと思うので、すいません、はじめに謝っておきます。星座に関する疑問です。
 北斗七星でもいいし、カシオペア座でもいいのですが、あのひしゃくの形やWの形は、大変見つけやすいですよね。
 でも、ひしゃくの形だよ、Wの形だよって誰かに教えてもらったから見つけやすいのでしょうか? それとも、星座について何の予備知識を持ってない場合でも、北天を見れば、あの星の並びに見えてしまうものなのでしょうか?
 私は、2例のほかには、オリオン座、さそり座、はくちょう座くらいしか識別することができません。ケフェウス座にいたっては、五角形だよと何度いわれても、そのときはわかっても、次回は発見しづらいのです。

私も似たようなものです。夏の大三角はわかっても、こと座の並びは見抜けません。
  あ、それから、カシオペア座は、「カシオペヤ座」が正しいようです。(星田)


A. bluestarさんから

 確かに答えにくいですね。もし、ご質問の主旨と違っていたらすみません。
 星空を見ると、明るい星や暗い星、赤い星や青い星と様々です。でも、その星空は便宜上星座と言う区分けをしてあります。カシオペヤはWの形と広く知られてますが、実際は淡い星も含まれてるわけです。
 その中で目印となる一番明るい星をα星、次に明るい星をβ星などとし、その星座の代表的な星を線で結び星座の特徴を表し探しやすくしてるのではと思います。
 昔は星を頼りに航行してましたからね。でも星は天の北極を中心に動いてますから当然Wの見え方も違ってきますし、地平付近に見える場合は大気の屈折で間延びしたりして見えます。
 名前はギリシャ神話から命名されてるものが多いと思いますが、由来までは知りません。
 ただし、星座の星々は見かけ上で、実際は遠い星や近い星とバラバラですので、地球以外のかなり遠い場所から見ると違った形になってしまいます。また、宇宙は日々膨張してますので、何億年未来になれば今の形には見えないのではないでしょうか。
 最近の都会の空は光害で暗い星はほとんど見えません。その方が星座を見つけるのには良いかもしれませんが、やはり満天の星空を見たいですね。
 こんな回答でよろしいでしょうか?

この質問を掲載するにあって、質問をいただいた方と文面についてやりとりを重ねたのですが、やはり、答えづらい疑問ですよね。
 たとえば、私たちは夜空に「W」や「ひしゃく」を発見しますが、それは、教えられたからなのか、それとも予備知識が無くても、そのように見えるものなのか?――そういう疑問でした。(星田)

A. 少伯さんから

 星好き人間の一人として、自分の経験からお答えします。
 結局はその星空を見たときの状況によると思います。
 現在の日本のように夜も明るいところですと、せいぜい2〜4等星までしか見えないので、カシオペヤ座あたりは「W」の星のつなぎ以外見つけるっことが困難です。したがって、星座を知らない人でも「W」の字を知っていれば、そのように見えると考えられます。
 しかし、降るような星空(6〜7等星まで見えるような暗い夜空)では、とてもたくさんの星が見えるため、特定の形に見えないことも考えられます。星座の知識がなければランダムな星の輝きだけで、必ずしもカシオペア座の「W」がはっきりと認識できることはないと思います。ただ、たまたま比較的明るい星を結び、自分の知っているものと関連付けしようと考えた場合は「W」に見える可能性があります。
 自分自身が30年以上前に長野県の山奥でキャンプをしたときまさにそのような状況でした。星が多すぎて、落ちてきそうで怖いくらいよく見えました。そうなると暗い星までよく見えるので星座の知識や特別な関心がないと、混沌としてとても秩序だった形状には見えません。

A. YOSHYさんから

 いちばん的確な答えは、「対象となる星の全てがまわりに比べて明るく、しかも等級にあまり差がなく、しかもなじみのある形である」ということではないでしょうか。
 大熊座のひしゃくですが、子熊座にもありますが、いかんせん暗い。田舎の空が暗いところならいざ知らず、都市部ではまず見えないのでは。
 ケフェウスの五角形が見にくいということですが、ずっと明るいぎょしゃ座の五角形はすぐおわかりだと思います。
 もっと暗いところではどうかというと、単なる幾何学模様としては認識可能でも、その星座名を連想させるのがかなり難しい場合が多い。特に神話に登場する想像上の人物・動物となると年間何百時間眺めている人でも細部までは想像不能です(北天の麒麟座〜想像上の動物で動物園にいるキリンではない〜はどうもラクダのスペルミスではなかったのかという説がまことしやかに伝えられている)。
 とはいえ、星空の楽しみというのは、ご質問にあったような星座だけではありませんので、星座早見晩をもって是非星降るような暗い空で眺めてください。

A. ヒロシさんから

 ちょっとへそ曲がりな、星座の知識があまりない素人からのちょっと違う角度からの意見ですが、「でも、ひしゃくの形だよ、Wの形だよって誰かに教えてもらったから見つけやすいのでしょうか? それとも、星座について何の予備知識を持ってない場合でも、北天を見れば、あの星の並びに見えてしまうものなのでしょうか?」という部分にだけかぎってみれば、「誰かに教えて貰ったから見つけられる」だと思います。
 明るい星であることには気づくと思いますが、「何の予備知識を持ってない場合」、つまり、生まれてから一度も「あそこに見える明るいあの星とあの星とこういう風に結ぶとほらWみたいに見えるでしょ」と教えて貰ったことがない人には、「Wの形」に見えるとはかぎらないと思います。星座であるとは気づかないかもしれません。
「何の予備知識を持ってない場合」、星空の星を眺めているだけで、「あの明るい星とあの星とあの星と繋いでいくとまるでサソリみたい」とか「オリオンみたい」などと思うでしょうか(そもそもオリオンの神話を知らない人にとってオリオンって何?)。
 満天の星空の中から星座が見えるというのは、よくテレビで、脳科学者の茂木健一郎氏がやっている「Aha体験」のような、何が書いてあるかよく分からないごちゃごちゃした絵を見せられて、「ここに馬が見えます」と言われると、今まで何が書いてあるか分からなかったものが馬にしか見えなくなってしまうというのに似ていると思います。