--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.779(2009.09.15)

Q. おさむさんからの疑問

 タオルに関する疑問です。
 先日、あるホテルに泊まったのですが、入浴後、ホテルのタオルを使ったら、水を吸い込んでくれないんです。拭いても拭いても、体に水分が残っている気がしました。
 おろしたてのタオルを使うときもそうです。なかなか水分を吸い取ってくれません。
 糊のせいだろうと知人にいわれましたが、私としてはそれだけではないような気がするのです。
水分をよく吸うタオルと吸わないタオル、その違いを教えてください。

水をすご〜く吸い取るタオルをテレビの通販CMで見ました。あれは、スゴイと思いました。(星田)


A. yamaさんから

 タオルといっても、いろいろな用途があります。
 フェイスタオル、バスタオル、スポーツタオルなどは吸水性があり、一般的に人の体を拭くために使用するものです。
 それとは別に、医療用として不織布のタオルなどがあります。例えばガーゼなどにも使用されます。急に怪我をした場合は、吸水性があると処置できない場合もあるため、体を拭く用途の他に、とっさの場合に応急処置用としても利用できるように置いてあるのではないでしょうか。
 そして、何より吸水性が少ないものは安価だと思います。

A. sugiさんから

 使ってクタクタになったタオルはよく水を吸ってくれます。一方、おろしたてのタオルはよく水を弾いてくれます。
 繊維の脂肪やワックスの成分(?)が影響しているのでしょうか?

A. YOSHYさんから

 答えになっていませんが、年寄りの知恵です。
 昔、タオルを買った場合は、使う前に一度洗うようにとよく言われました。そのまま洗わずに使ったのと、洗ってから使うのでは吸水力が格段に変わります。
 理由はその業界の方は疑問の的確な解答をご存じだと思いますが、素人が推測するに、昔はほとんど綿であったため、油が表面に付いていたのではないかと思います。
 では、ホテルなどのタオルは何故吸水性が劣るのかというと、抗菌のための表面処理が吸水を妨げているのではないかと思いますが、どうでしょうか。
 タオル業界、ホテル業界の方の解答をお願い致します。

A. 舞武さんから

 先に、ほとんどが僕の憶測であることを宣言しておきます。
 繊維が水を吸い取る原理は、毛細管現象によるものです。では、その吸水率が何に影響するかということですが、おそらく繊維の多孔性によって変わるのではないでしょうか。
 つまり、空気をどれだけ含んでいるかということですね。言い換えれば、空気と水分が置換される余地がどれだけあるか……ということではないでしょうか。
 水を良く吸うタオルでも、水を吸わせて絞った直後は、そんなに水を吸いません。これは、絞った際に繊維の孔が潰れた状態のままなので、水が入り込む余地が少ないためですね。
 一度干せば、残った水分が気化する際に、繊維を広げて孔を作ってくれるため、また良く水を吸うようになります。
 スポンジが良く水を吸うのは、この孔が大量かつ均一に分布しているからだと思います。しかも、繊維の形状記憶性が高いため、絞った後も元の形状を維持するために、空気を積極的に吸い込んでくれます。よって、またすぐに水分を吸い込める状態になります。

 よって、高い吸水性をもつタオルの条件は、

  1:多孔質で、ある程度の体積(厚さ)がある
  2:繊維の形状記憶性が高い

ということなのではないかなと思います。
 あと、おろしたてのタオルが水を吸い難いということですが、ひょっとしたら、メーカーからの発送時に、一度に大量に輸送できるように、空気を抜いて体積を減らしている可能性があります。これが正しければ、孔が潰れている可能性がありますね。
 繰り返し書きますが、あくまで憶測です。参考程度にしておいてください。

A. ゆきちさんから

 少し前に、ユニクロのロゴのデザインなどで知られる佐藤可士和さんが、今治タオルのロゴデザインなどをして、高品質・高級路線で成功しているという番組を観ました。
 今治タオルのホームページで、吸水性などの基準が明記されています。
「JIS-L1907 / 沈降法」の中身がわかれば解決する気がしましたが、天然素材(綿100%)であることや、水を吸収しやすい構造になっているんだろうなということぐらいしか私にはわかりませんでした。ご参考まで。

A. おばかさんから

「使用している繊維が綿である」と限定すると綿繊維への吸水性の違いとして大雑把に考えると下記の3点が考えられます。

(1) 糸(綿花)の違い【比較条件を同じにするため同じ機械で同じ仕様のタオルを織った場合】
 繊維の空気層の多さで決まります。糸の紡ぎ方でも空気層の違いが出ますがそれだと糸の強度に差が出る(「ギュと紡ぐか」「フワッと紡ぐか」)のでここではその条件も同じと考えると、いちばん違ってくるのは使用する綿花の成熟度です。未成熟なものは綿花1本1本の中心に空気層がなく、また繊維も短いのです。完熟した綿花は繊維に空気層が出来るので、吸水性が上がります。
 余談ですが長い繊維(完熟した綿花)のみを選別した糸を使用した場合、糸クズとして飛散しにくいので、製品(ここではタオル)の経時劣化も少ないのです。また値段の違いもこの選別が効いてくるようです。

(2) 織り方の違い【比較条件を同じにするため同じ糸を使用した場合】
 使用する糸が長ければ吸水量も増加します。同じ大きさのタオルで使用する糸の量に違いが出るのはタオル表面にある「ループ」の長さと密度で決まります。ただループ密度を上げ過ぎるとタオルが重く感じるようになるのでバランスが重要ですが国によってずいぶん好みに差が有るようです(日本人は軽い方が、欧米人は重い方が好まれるようです)。なお、使用する糸が長い方が当然値段も高くなります。

(3) 糊や柔軟剤 等の残り
「加工時の糊や油の残り」で初期性能に違いがでますし、「洗濯時に使用する柔軟剤」でも吸水性が低下します。

A. 子沢山さんから

 木綿100%のタオルということでお話します。
 一般に新品のタオルは吸水性が悪いですよね。これは、タオル生地表面の糊や染料が影響しているようです。
 また、無漂白無染色のオーガニックコットンなどでは、木綿自体の天然油脂成分のために吸水性が悪くなっています。これらは、何度か使ったり洗濯しているうちに、先の物質が取れていき、だんだん吸水性が増してきます。逆に柔軟剤を使いすぎると、柔軟剤が吸水をじゃまして、吸水性が落ちてしまうこともあります。
 一方、高吸水性を謳うタオルなどは、繊維自体に少々工夫があります。
 タオル生地の素となる木綿繊維を糸状にする際に、より細い糸にして、その細い糸を多く束ねるようにして一本の糸にすることにより、表面積が増すことで吸水性を増しています。
 ちょうどつけ麺で食べる、うどんと素麺を想像してください。同じ小麦粉でも、うどんより素麺の方がつゆがよく絡むのと同じです。