--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.783(2009.10.03)

Q. いさおさんからの疑問

 この時期になると、カマキリの卵をよく見かけるようになるのです。なぜか、カマキリさんは、我が家の家の壁にもよく卵を産み付けます。
 これまでにも、数年にわたり、幾度となく、壁に生み付けられた卵を見守ってきましたが、結局、孵化しないのです。
 今年はまだカマキリの卵を発見していませんが、発見したら、来年こそは孵化シーンを見たいと思っています。
卵をうまく孵化させるために、私に何かできることはないのでしょうか?

スズムシやカブトムシの卵ならよくケアの方法が紹介されていますが、カマキリの卵については、私も読んだことがありません。(星田)


A. bluestarさんから

 カマキリの卵を孵化させる方法は「何もしないこと」です。
 卵自体は厚い保温剤にくるまれてますので、冬の寒さで死ぬことはまれです。春になり気温が上がると自然に孵化します。
 子どもの頃、卵を持ち帰り部屋に置きっぱなしにしてたら、ある日孵化して部屋中小カマキリだらけになり、母からこっぴどく怒られたことがあります。
 ちなみにふわふわの付いてない卵は孵化済みですからいつまで待ってもだめですよ。

A. 秋島陽子さんから

 答えになるかはわかりませんが、昔、我が家で姉が拾ってきたカマキリの卵が孵化したことがありました。
 そのときは、コオロギ等を入れる飼育箱(プラスチック製)に入れていたら、勝手に孵化しました。
 住んでいた場所は関西圏なので、もしこの質問の方が住んでいる地域が極端に寒かったりすれば少し暖かい場所に、暑い地域なら涼しい場所に置いておくのがよいかと思われます。
 虫篭や飼育箱に入れて孵化させた場合は、部屋中にゾッとするほどの小さいカマキリが大量発生するので、できれば孵化が始まったら屋外に出すことをお薦めします。足の踏み場もないくらいのカマキリの幼虫がいた光景は、未だに軽くトラウマです。

A. おやぢさんから

 分かる範囲ですが、お役に立てれば……。

 孵化しない原因としては、
・無精卵である(当たり前ですが絶対に孵化しません)。

 次に有精卵での場合
・寄生昆虫(数ミリ以下の極小です)に中身の卵を食べられてしまった(食害されても外見上は見つけにくいかもしれません)。
・もしかしたら、きちんと孵化しているが見逃しているかも……。

 春に孵化しますが、何時間もかかるものではないので、屋外ですと幼虫はすぐに散ってしまうと思います。脱皮殻などが残ると思うので孵化後でも注意して見れば判別できると思います。孵化しても卵のうはしっかりと残りますので、もし残っている卵のうがあれば中を見てみるのもいいと思います。
 確実には見つけ次第、採取して保管すれば大丈夫でしょう。まず容器(飼育箱や大きいビン)を用意してカッターなどで傷つけないように卵のうをはがして、両面テープで容器内面に貼り付けます。寄生昆虫が入らない程度に隙間をふさげば完成です。
 注意することは、暖かいと冬に孵化しますので、屋外と同じ温度の所に置いてください。
 素人の経験上の事なので参考になればいいのですが。子ども向きの観察図鑑でも結構くわしく載っています。
 うまく孵化しても小さい幼虫の飼育は難しく、容器内だと共食いをして激減してしまいますのでご注意を。

A. にゃこさんから

 先日、カマキリの卵についての疑問を拝見しました。
 質問された方のお宅の卵をじっさいに見たわけではないので、「絶対に」とは言えないのですが、たぶん、毎年カマキリは無事に孵化して、巣立っていっているのではないかと思います。
 カマキリの卵、というかあのカタマリは、秋に産みつけられた何百個かの卵を春まで保温プラス保護するためのクッション材入りの寝袋みたいなもので、卵自体は外からは見えない状態です。
 私は、一度だけですが、カマキリの孵化をライブで見たことがあります。たしか5月中旬頃、朝、たまたま庭に出ていたら、頭の上にパラパラと何かが降ってきました。びっくりして見上げると、バラの枝に産み付けられていたカマキリの卵から、半透明の赤ちゃんカマキリがブワーッという感じにあふれるようにあの中から出てきていたのです。
 あわてて降ってきたカマキリを踏まないように落として草の方に落として、何十匹かを飼育ケースに入れて子どもが学校に持っていきましたが(クラスの皆で観察したあと、中庭に放したそうです)、ついでに隣のお子さん用にもと分けたりしているうちに、いつのまにか残りはいなくなってしまったという感じでした。
 その間、ほんの数十分から小一時間。残された卵(の抜け殻)は、ほぼそのままだったという記憶です。もしかしたら多少は破れたりしてたかもしれませんが、頭上の卵を見上げて、「へえ〜出て行ったあとも卵自体はこのままなんだ」と思った記憶があるので……。
 ですから、おそらく、ご覧になっていなかった間に、さーっと生まれて散らばっていったのではないかと思います。
 何年も続けて庭でカマキリの卵を見つけておられるのであれば、ほぼ確実に、そのカマキリ一族の家系が続いていると考えてよいのではないでしょうか。
 最初は飛べませんが、夏ごろには立派な羽も生えて、豪快に飛びますので、近所のお庭のカマキリ一族とほどよく交配しながら世代交代を続けているのだと思います(カマキリは、産卵後死にます。カブトムシ同様、1年限りの虫です)。
 結論としては、「カマキリの卵は、見つけた場所にそのまま放置しつつ見守る」が、正しいケアの仕方ではないかと思います。
 ちなみに、「カマキリの卵が産みつけられた位置で、その冬の積雪量が分かる」という説がありますが、あれは本当だと思います。
 あまり低い位置だと冬の間雪に埋もれて卵が死んでしまう可能性がある、かといって、あまりに高い場所に産むと、葉が落ちたり枯れたりしてスカスカになった枝や草の中で卵が目立つため、鳥に見つかり食べられてしまう危険性が増す、そのため母カマキリは、雪に埋まらないギリギリの高さを見極めて卵を産むと言われているからなのですが、実際、我が家では、窓の庇の上の方だったり、腰くらいの高さの草むらの中だったりと毎年まちまちな位置で卵を発見し、冬の降雪量は(日本海側なので、そこそこ降ります)だいたい卵を発見した場所の高低に準じています。
 ある年の晩秋、地面に置いてあった植木鉢のへりに卵が産み付けられていたことがありました。地面からたった10cm程度、
「いくらなんでもこの低さはないでしょう! 親カマキリは足でも怪我してたのかな?」
とおせっかいにもその鉢をエアコン室外機の上に乗せて冬を迎えたのですが、その年は記録的な暖冬で、まったくといってよいほど雪が降らない冬となりました。春になり室外機の上の鉢を見て、この卵が地面すれすれに産みつけられていたことを思い出し、「カマキリの能力恐るべし!!」とびっくりした記憶があります。
 未確認の話ですが、某暖房機器メーカーでは、専属契約している「カマキリおじさん」なる方がいるそうです。毎年秋に山に入ってカマキリの産卵位置を調べ、それをもとに冬の積雪・寒さの予想をしているらしいです。そして、その予想をもとに、暖房器具の生産計画を調整しているとか……。
 我が家では、カマキリとクモは、「虫を食べてくれるありがたい生き物」と(私は本当は虫は苦手というか大嫌いなのですが!)大事にしております。夏まではカマキリ、9月以降は日に日に太り巨大化していくでっかいクモが、庭に住む生き物の食物連鎖の頂点に立っているようです。
 とくに世話をしているわけでもなく、子どもはともかく大人はカマキリを見つけても知らん顔なのですが、晩秋から冬にかけてカマキリの卵を見つけると、「これで来年も安泰だ」みたいなホッとした気持ちになるのが不思議です……。

既に、卵は孵化している!
 目から鱗の回答でした。ありがとうございました。(星田)