--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.803 (2010.01.16)

Q. 知子さんからの疑問

 素朴な疑問です。電車は、なぜ脱線しないのですか?
 これだけでは、どこが疑問なのかよくわかりにくいと言われたので、補足し
ます。
 電車はレールの上を走りますよね。レールがカーブしているとき、運転手さんは、カーブを曲がるために、ハンドル操作をするのでしょうか? それとも、スピードの調節だけをするのでしょうか? 電車はレールの上を走るのですから、もしかしたら、ハンドルは不必要なのではと考えたのです。
 子どもが遊んでいるプラレールの電車の動きを見ていると、ハンドル操作もブレーキ操作もしていません。
 レールの上を走るということは、「脱線」してしまうと、大変なことになります。ですから、脱線しないように、何らかの工夫が昔からなされていると思うのですが、それが知りたいのです。

 そもそも、レールの上に車輪が乗っかっているだけ、なぜ、あんなに速いスピードで走っても、脱線しないのでしょう? 新幹線なんて、考えてみれば、ドキドキしてしまいます。新幹線の車輪と在来線の車輪とでは、何か違いがありますか?

車輪がレールをまたぐような形になっているのでしょうが、それくらいでは高速走行時は、心配ですものね。(星田)


A. おせっかいさんから

 車輪の内側には、必ず数センチ位のツバが付いています。そのツバが、脱線を防止しているものと思いますが、如何でしょうか
 もし、あのツバがなければ、糸の切れた凧同様になってしまい、走れないと思いますよ。
 列車が、ハンドルなしでも脱線せずに走れるのは、車輪の内側に数cmの鍔(つば)が付いているからです。
 また、人間でもカーブを速く走る際は、身体をコーナー内側に傾けながら走りますよね、それと同様に、内側線路を外側線路に比べて低くして、列車が内側に傾きながら無理無く自然に曲がれるようになっているからです
 急カーブになる程、電車は内側に傾きながら走行しているはずですから、注意して見ててください。

A. 隠れ鉄道ファンさんから

 鉄道車両の車輪は台形の形をしています。身近な物にたとえるとプリンのシロップを外側として想像して頂ければよいでしょう。
 車輪の内側には「つば」と呼ばれる部分があり、これが脱輪防止の役目をしています。鉄道に乗車された際、カーブを曲がるとき、「キーキー」と音が聞こえると思いますが、これは車輪の「つば」の部分がレールをこする音です。
 疑問にもあります車両が脱線しないのは、曲線部分のレールはどちらかに傾いていて、車輪の「つば」の部分がレールを押し当てているからです。
 また、急カーブ区間では補助レールをレールとの間に設置しなさいとの義務があり、この補助レールが車輪の「つば」を支えています。直線区間では左右車輪の「つば」がレールとの間で緩衝致し、脱線防止の役目をしています。

A. kousukeさんから

 電車にはマスコンとブレーキ(車のアクセルとブレーキ)がついていますが、車のようなハンドルはないのでスピードの調節だけでカーブを通過します。
 車輪の踏面は平らではなくカーブをえがいています。あと線路自体がカーブの内側に向かって傾いているので脱線しません。
 プラレールの場合は、レールの形が本物のレールと真逆で車輪が引っ掛かるし、まさか時速100km、200kmは出ないので脱線しません。
 新幹線と在来線の電車の車輪は多分、車種によって直径が違うほか一緒だと思います。
 新幹線が高速運転をしても脱線しないのは、先頭の形が関係します。先頭の形により速ければ速いほど下に押しつけられるので、車両が浮き上がらずに走ります。もし形が上下逆だったらどこかに飛んで行ってしまいますよね。
 こんなもんでどうでしょうか。

A. ごんたさんから

 列車の車輪は自動車のタイヤのように路面に対して平行ではなく、内側から外側に向かって車輪の径が小さくなるように作られています。
 つまり、レールと車輪は面ではなく点で接触し、両輪が互いに内側へ向かおうとする力が均衡することで脱線を防いでいます。
 また、列車の車輪は両輪の内側にフランジと呼ばれる出っ張りがあり、必要以上に加わった横方向の力により車輪がレールより逸脱するのを防いでいます。
 車輪の両側にフランジを付け、戸車のようにレールを挟み込む形にした方がよいのではと思われるかも知れませんが、左右両輪で考えれば片方あれば十分なのです(もっとも、特殊な用途にかぎれば両側にフランジの付いた車輪を使用している鉄道もあります)。

A. しげ3さんから

 電車の車輪は外側が小さく、内側が大きい横にした台形状になっています。その車輪は同じ回転数の場合、径の小さい方がすすむ距離は短くなります。電車がカーブに差し掛かると、遠心力でカーブの外側に車体は移動します。そのときに外側の車輪と内側の車輪で進む距離がかわるためカーブが曲がれる仕組みになっています。
 脱線しないためには、車輪のいちばん側に縁が付いていますので、そこで止まるかたちとなっています。スピードが出過ぎて縁が線路に乗り上げてしまうと脱線してしまいます(最近は路線により脱線防止策をとっている線路もあるようです)。

A. Rinさんから

 電車が脱線しないのは、車輪に余裕があるから、と聞きました。
 車輪が均等な円盤ならは、カーブのとき外側と内側で走る距離がちがうので脱線しますが、極端な表現をすると車輪は台所のボウル2個を内側に向け棒でつないだ形をしています。
 この場合カーブでは遠心力で車輪が外側にずれますが、そのとき外側の車輪は直径の大きい部分が、内側は直径の小さい部分が線路に当たるのです。これなら走る距離が同じになります。
 さらに念のため、「ボウル」のふちの部分に出っ張りがあり、線路の内側に引っかかるために、予想外の遠心力でも脱線しないようになってますし、線路を敷くときに遠心力も考えて敷きますので大丈夫。高速で走る新幹線はカーブをできるかぎりゆるやかにして、トンネルを掘ってなるべくまっすぐに走れるようにします。
 アメリカで開拓鉄道を敷いていたころには、車体に直接車輪をつけるのではなく、車体の下に回転する板をつけ、その板に車輪をつけることで、極端なカーブで前輪と後輪がちがう方向を向いても走れるしくみを技師ジョン・ジェービスがつくり、それが改良されて現在の車両にも応用されているそうです。
 曲がるとき運転手はどうするのかについては、ハンドルやかじのようなものはなく速度のみを調整します。Y字の分岐では、線路を管理する人が進む方向を変えると聞いてます。
 ただ私は運転席に入ったことがないので参考資料出版後(JR発足後)にハンドル付きの運転席がつくられたかもしれませんが……。
 なお、プラレールは車両ではなく線路の幅に余裕があるのではないでしょうか。線路が凸ではなく凹で凹のみぞがかなり広いですから。

A. 賢さんから

「レールの上に車輪が乗っているだけなのに」という表現は、正確ではありま
せん。
 前から見て、

   車輪→ □==□
   レール→■  ■

こんな構造では、数cm進めばずれ落ちてしまいます。こうではなく、

  車輪→  <=>
  レール→■  ■

このような形になっています。
 レールの上に車輪が「乗っている」のではなく、レール2つの間に挟まるように「収まっている」ので、平坦な直線ならどんなにスピードを出しても脱線するはずがありません。
 線路に石が置いてある、レールが曲がる、カーブなどの上下左右の歪みがある場合、跳ねて脱線することがあります。
 最近は、

・線路に人が入っただけで警報を鳴らして電車を止める「センサー」
・電車の速度を監視する「自動列車制御装置」
・レールの内側にもう一組レールを置いて横にずれなくする「脱線防止ガード」

などが導入されて脱線は少なくなっているようです。
 また、ご想像の通り、電車にはハンドルはありません。敷かれた線路に沿って進むだけです。

A. SHOWさんから

 とてもいい質問でかつ説明しにくい疑問ですね(笑)。そこをあえて簡単に言うと「台車にフランジが付いているから」が答えです。
 フランジというのは、車輪の内側に脱線防止のために付いている「つば」のようなものです。レールから車輪が外側に逸脱するのをこれで防ぎます。
 さらに高速で走ると線路の繋ぎ目、カーブ等によりどうしても振動が伴い、何もしないと脱線する恐れがあります。
 そのためバネやダンパーと呼ばれる装置でこの上下左右の振動を吸収し、安定走行させるようにしています。新幹線でも在来線でも基本的な原理は同じです。
 余談ですが、これだけで脱線しないかというと、そうでもありません。まだ記憶に新しい事故ですが尼崎のJR西日本の脱線事故がいい例です。
 察しの通り、鉄道車両にはカーブを曲がるための「ハンドル」はありません。制御装置とブレーキだけです(一体化しているものもあります)。
 電車が曲がるときはあくまでレールに沿って曲がります。逆にいうと、自動車とは違い、障害物がない限り、必ず同じ軌道を通ります(ここでカーブには内輪差があるのに何故曲がることができるのかという問題は質問の主旨から外れるのでここでは述べません)。しかし、カーブを曲がるときは遠心力が働くので、ある程度速度を落として走る必要があります。
 もし速度を落とさないと……、あの不幸な事故のようになってしまいます。

jazzhannonさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。