--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.813 (2010.02.27)

Q. 洋子さんからの疑問

 流行の歌について行けなくなって久しいです。恥ずかしいのを我慢して、質問します。
 絢香×コブクロの『WINDING ROAD』がヒットしました。この「×」の意味は、絢香とコブクロが一緒に歌ったということですよね。
 分からないのは、「respects」とか「featuring」とかいうやつです。
 ドリカムの『その先へ』という歌がありますが、教えてもらったのですが、歌っているのは、DREAMS COME TRUE feat.FUZZY CONTROL でした。「feat.」というのが、「featuring」ですよね。もとは、「feature」だと思うのですが、辞書で調べてみても、ピンとくる意味が見つかりません。
「respects」は、何となく意味が分かるのです。人の歌に敬意を払って歌うということなんだろうと思っています。違いますか?
 でも、それなら、わざわざ歌手名にそのことを織り込まなくてもよいと思います。それに、これまでにも過去の歌をリバイバルで歌う例なんて山ほどあります。

 『亜麻色の髪の乙女』by 島谷ひとみ respects ヴィレッジシンガーズ

とは言いませんよね。きっと、私は、「respects」の意味を誤解していると思うのです。
 恥ずかしいのを長期化させたくないので、ぜひ、早めに教えてください。

確かに多いですね。じつは、私も分かってません。
  『そばにいるね』青山テルマ feat. SoulJa のように、誰かがラップで参加していることだと思っていましたが、違うようですね。(星田)


A. 洞窟ピングーさんから

「respects」は見たことないのですが、「featuring」は昔からありますね。
「featuring」を英和辞書を調べると「客演の、ゲストの」、「feature」を英英辞書で調べると、

   to be included as an important part

とあります。
 よって「DREAMS COME TRUE feat.FUZZY CONTROL」であれば、ドリカムが主、重要な部分を任されているゲストでFUZZY CONTROLが参加しているいうことです。

A. kztさんから

「respects」の意味は、書いておられる通りです。書かなくたっていいじゃないかとおっしゃいますが、それをどうしても書きたいんじゃないでしょうか。
「この人は、私の心の師なんである。要(かなめ)なんである」
と聴衆に知って欲しいという気持ちでしょう。

「featuring」はちょっと違って、その曲で誰を主役にするか、誰をとくに前面に押し出して際立たせるか、ということをあえて表現したい場合に使います。
 たとえば、ピアノAさん、ベースBさん、ドラムスCさんで構成するピアノトリオを考えてみましょう。ふだんは、Aさんが主旋律もコードも弾き、Bさんはベースライン、Cさんはリズム担当です。BさんCさんは縁の下の力持ちです。誰が見てもAさんがリーダーで、日常的な主役だとわかりきっているときには、あえてfeaturing とはいいません。
 しかし、ある特別な曲で、Bさんがソロをとり、長時間にわたってすばらしいアドリブを展開するとしましょう。その曲では、ソロのなかでBさんはテーマから感動的なストーリーを展開させて、その間、AさんもCさんも、Bさんのソロをサポートし、メインのBさんの邪魔をしません。ここでは、一時的にですが、完全に普段脇役のBさんが主役になっているのです。そういうときが「featuring Bさん」なのです。
 ステージで、Aさんがマイクを取って、
「では次の曲は、ベースのBさんをfeatureしてお送りします」
と聴衆に説明することもよくあります。聴衆はBさんのソロに大きく期待します。
 もちろんドラムスのCさんをfeatureすることもあります。ただし、featureされるためには、聴衆を感動させ納得させるだけの腕がなければならないことはいうまでもありません。
 featureの対象は、バンドのレギュラーメンバーだけではありません。特別参加のゲストメンバーをfeatureすることもあります。また誰を特にfeatureしている演奏かというのは、説明がないこともありますが、聴衆にはわかります。
 私はジャズしか聴かないので、ジャズのバンドでの説明になりましたが、他のジャンルの音楽でもおそらく同じことでしょう。

A. ごんたさんから

 私も最近の歌からだいぶ遠ざかっておりますので余り自信はないのですが、「respects」とは「尊敬」を意味する言葉ですから、カバー曲というより、尊敬するアーティストのことをテーマにした歌であったり、代表的な曲のフレーズを一部に取り入れて、敬意を表したりしているのではないかと思うのです。 もしかするとカバーであっても大胆なアレンジが施されて曲の印象を変えてしまうような場合も、「言い訳的」な使い方としてこの言葉が付記されるのかもしれませんね。
「featuring」に関しては、「共演」の今風な呼び方と解釈しても構わないのではと思います。どちらかと言えばこの言葉に続くアーティストの方が格上でこれもまた敬意を表す表記なのでしょう。
 少し穿った見方をしますと、共演(連名表記)だと報酬(ギャラ)の配分が等分ないし大物が割合を大きく取られるので、少ない配分で許してもらうための秘策かも知れません(笑)。

A. kztさんから

「featuring 誰それ」については、どうも、本来のバンドメンバー以外の客演者が「誰それ」であるかのような使い方が増えてきています。
 しかし、元々は違います。ほんとうの意味は「その曲で誰を際立たせるか、主役にするか」ということであって、「ゲストメンバーのこと」などでは決してありません。ゲストであってももちろん構わないけれど、「ゲストのこと」ではないのです。
 著名な例ですが、Bill Evans の名盤"Sunday at The Village Vanguard" には Featuring Scott LaFaro とジャケットに書いてあります。 Scott LaFaro は当時Bill Evans Trio のレギュラーメンバーであり、ゲストではありません。これだけで「featuringとは特別参加ゲストのことである」というのが、明確な
誤りだということがお解りいただけるかと思います。
 日本の若手ミュージシャンたちが、「featuringとはゲストのことだ」と軽々に思い込んでアルバムを作っているようにも思えますが、それは、本来の正しい使い方ではないことを申し上げておきたいと思います。