Q. kztさんからの疑問
『巨人の星』の星飛雄馬と伴忠太の出身高校は「青雲高校」でした。「青雲の志」というように、「青雲」というと、若さと希望、青春の躍動感が感じられますね。
その「青雲」についての疑問です。
よく考えると、青いのは空のうち、雲のない部分の方です。雲はあくまで白いか灰色かでしょう。青い雲などどこにもありません。「青空」や「白雲」なら理屈がわかるのですが、「青雲」というのは、表現が不適切なのではないでしょうか。
★「青雲」と聞くと、私は森田公一さんの歌を思い出します。(星田)
A. やまびこさんから
回答ではありません。
「青雲」と云うと私はお線香を思い出します。青雲とは青空に漂う雲を私はイメージします。
青空のポカリポカリ浮かぶ雲を見ていますと、自分の人生と重ね合わせるといろいろと青春、希望、夢、将来を思い出させてくれます。
誰が考えたのかよい言葉だと思います。
A. ごんたさんから
「青雲」とは、「青い空、白い雲」の前後を取った略語だと思います。
青い空にぽっかり浮かぶ白い雲のように穏やかで清清しい気持ちを表す……とかじゃなかろうかと……(自信はありません!)。
A. ざ〜さんから
日本語で、真っ白のことを「青いまでの白」という表現を使うことがあります。透き通るまでの純白は、太陽光の下では、空の青さを映して青色がかって見えるからでしょう。
また、色を塗るときに、白色に極くわずかに青色を入れることで、周囲から真っ白さを強調することができます。
そのようなことから、日本語の感性として、真っ白な雲を青雲を呼ぶのではないでしょうか。
A. トンビーさんから
語源的には違うかもしれませんけど、青年のように若々しく元気な感じのする雲を指して青雲というのではないでしょうか。真っ白でむくむくした感じの雲。
入道雲(積乱雲)ほど大きくなると壮年期の雲という感じですから、もっと小さな積雲くらいが青雲っぽいでしょうか。
A. Issieさんから
本当に青いのかもしれません。実際に光線の具合によっては雲が青く見えることはありますよね。
少し古い、漢文を読むための漢字辞典(塩谷温『新字鑑』初版1939年)を引いてみると「あをぐも」という語義が最初に出ています。続いて、「又、青空」。
どうも、水や氷の粒の固まりである「雲」と、それがない部分とを区別せずに、漠然と「高い空」を意味するものなのかもしれません。
この「高い空」という意味から派生して「俗世を離れた神仙の世界」と、逆にとても世俗的な立身出世の目標である「高位高官」という意味が生まれます。「青雲の志」とは、そのような「雲の上」に上る立身出世を目指す志、という
意味なのですね。
森田公一の歌が流れるお線香のCMでは「青雲」の連凧が「青空」へ向かって上っていきました。
ところで、「青」には「稚い、若い」という意味もあります。
中国の五行思想では「青」は「春」などと関連付けられています。ほかの色についてもまとめると、たとえば以下の通り。
青−春−木−東
赤−夏−火−南
黄−※−土−中央
白−秋−金−西
黒−冬−水−北
このうちの※は「土用」。本来は4つの季節それぞれの境目にあるのですが、現代の日本では(暦の上の)夏と秋の境目の「土用」だけがよく知られています。
ここでいう「青」には、いわゆる「緑色」との区別はありません。「青」は若葉が萌え出る「春」の色なのです。だから「青春」であり「青年」なのですね。「青嵐」なんて言葉にも若さのイメージがあります。昔これを名乗った保守系の国会議員たちは十分歳をとっていましたが(それでも議員たちの中では「若手」でした)。
ちなみに、「青春」の反対は「白秋」となります。
★狼と更新料さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
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