--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.821 (2010.04.03)

Q. ごまさばさんからの疑問

 コラーゲンに関する質問です。
 コラーゲンといえば、豚肉などに含まれる「プルプル」したやつだと思うのですが、あれが本当にコラーゲンなのかと疑問を持っています。
 私は、あのプルプルは、動物性の脂肪が大部分ではないかと思っています。なぜかというと、加熱したら液体になり、冷えたら固まるからです。
 ちょっと調べてみると、コラーゲンはタンパク質の一種であることがわかりました。卵がそうであるように、タンパク質であれば、加熱したら凝固して、その後の温度変化に関わらず凝固したらずっと変わらないものであるはずです。
 だけど、タンパク質であるコラーゲン(あのプルプル)は、加熱すると液状になってしまいます。だから、よくコラーゲンといわれているプルプル物質は、実はコラーゲンではなく脂分であると思うのです。本当のところはどうなんでしょうか?
 プルプルの大部分は脂分だけど、あの中にわずかなコラーゲンと呼ばれる物質が入っているというものなのでしょうか?
 あのプルプルの真の正体が知りたいのです。よろしくお願いします。

私は、軟骨を食べるのが好きです。(星田)


A. やまびこさんから

 コラーゲンについてはそんなに詳しくないので、明確な回答にはなりませんが、とりあえず、一つだけ誤解を解いておきましょう。

  タンパク質→熱を加えると固まる→その後は戻らずに固まったまま

という公式から、

  コラーゲンは溶ける→上記に反する→タンパク質じゃない

……という見解でいらっしゃいますが、これはちょっと違います。
 たとえば、炭水化物で考えてみましょう。
 炭水化物の代表であるお米。お米は冷えて水分がなくなるとカチカチになります。しかし、同じ炭水化物の、しかも同じお米でありながら、もち米はそこまで固くなりません。
 もち米は捏ねてお餅に出来ますが、普通の米は出来ません。一方で、もう一つの炭水化物の代表であるジャガイモは、もち米と同じ方法ではダメですが、別の方法ではお餅みたいに出来たりします。
 というように、同じ炭水化物でも、その分子構造により性質はまちまちです。もちろん、これはタンパク質にも言えることで、中には水溶性のタンパク質もある……ということです。

 一応、店で出されているコラーゲン(ゼラチン)は本物と考えてもよいと思います。違ってたら詐欺になってしまいますし、ゼラチンなんて簡単に手に入る物でわざわざ騙す人もいないでしょう(笑)
 ただ、コラーゲンを食べたからお肌が〜ってのは、おまじない程度に考えておいた方がよいような気がします。

A. jazzhannonさんから

 加熱したら液体になり、

   冷えたら固まる ⇒ だからたんぱく質ではない

というのは、間違ってます。
 たんぱく質の凝固(例えば、卵の白身)は、アミノ酸分子間の化学反応が発生していて、冷やしても逆の化学反応は発生しないので、卵の白身が元に戻ることはありません。(化学的には、アルカリ性にすることにより、逆の反応も発生させられますが、そんなことしたら食べ物としては、成立しませんね……)
 しかし、ゼリーの場合、

   熱により、たんぱく鎖がほどける ⇒ 溶ける
   冷えて、たんぱく鎖が結びつく ⇒ 固まる

という原理で変化しています。化学反応は発生しておらず、簡単に元に戻ることができます。
 ちなみに、あのプルプル状のものは、化学的には「ゲル」と言います。液体(水や油)の中に、高分子(おおきな分子)が溶けていて、高分子間のつながりにより網目状のネットワークが作られ、そのつながりが強いために、液体としての流動性を失った状態です。
 例としては、ゼリー(コラーゲン)、寒天、ジャム、こんにゃく、豆腐などがあります。プルプルしているからといってコラーゲンとはかぎりませんが、油ではないことは確かだと思います。油が冷えて固まったところを思い出してみると、全然プルプルしてませんでしょ?

A. 如熊夢さんから

 コラーゲンは靭帯や軟骨等に多く含まれ、細胞同士を結び付けたり組織を強靭にする役割を果たしているもので、いわばスジ肉をスジ肉たらしめる固めの物質です。
 なので、ごまさばさんのおっしゃる「豚肉などに含まれる「プルプル」したやつ」とはむしろスジに付随する脂肪組織の方を指しているかもしれません。
 コラーゲンは水に溶けにくい性質を持ちますが、これを多く含む食材を煮るとゼラチン(水溶性コラーゲン)が生じて、冷ますと固まるプルプルの「煮凝り」となります。これは熱変性で得られた性質ですから、更なる加熱で性質が変わらなくても不思議はありません。

おせっかいさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。