--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.824 (2010.04.17)

Q. やたさんからの疑問

 散歩でよく公園に行きますが、いろんな鳥達が鳴いています。
 たとえば、カラス同士は仲間の鳴き声を理解し合っていると思いますが、
スズメのさえずりをカラスは理解できるのでしょうか? その逆も然りです。
 つまり異業種交流は可能なのでしょうか? 教えてください!

「言葉」はないと思うのです。でも、「気持ち」は伝わるのかな?(星田)


A. ごんたさんから

 スズメとカラスは生存圏が似通っていますが、お互いが助け合って生活しているわけではありませんので意思の疎通は必要ありません。
 しかしながら、お互いのテリトリーを主張するためには相手に対し何らかの形で思いを伝える必要があります。
 おそらく「警戒している/いない」とか「怒っている/いない」ぐらいのことは鳴き声の調子や態度で分かり合えるのではないでしょうか?
 我々が犬を見つけ近寄ると、「ウ〜」と言いながら身構えられられれば、
「ああ、この犬は怒っているな、近づくのは止めよう」
と考えますね。これと同じ程度の理解はしていると思います。

A. 子沢山さんから

 カラスとスズメの間で意思疎通ができるかは寡聞にして知りませんが、比較的似たものとしては数年前に、渡り鳥が地元の留鳥(一か所に定住する鳥)から情報を得ているという報告を見たことがあります。
 留鳥であれば、その土地の猛禽やヘビなどの天敵を知っているのは当たり前です。しかし、遠距離を移動する渡り鳥は、その土地、その土地の天敵を識別できません。ところが、渡り鳥は地元の留鳥から、危険に関する情報を得ているらしいのです。
 カナダの研究者からの報告なのですが、ある土地の留鳥Aと別の土地の留鳥Bの発する警戒音を前もって録音しておいた後、留鳥Aが住む土地(留鳥Bは住まない土地)で、まずAの声を再生する。すると、地元の留鳥たちだけではなく、渡り鳥も動揺した際の鳴き声を発して警戒し、場所を移動しました。
 次に、留鳥Bの警戒音を再生すると、地元の留鳥たちは全く無反応であったのに対し、渡り鳥は反応したということです。
 これは、渡り鳥がその場の騒がしい音や物々しい感じに反応しているわけではなく、遠く離れた場所での危険信号をしっかり記憶していた結果というわけです。
 渡り鳥は、渡りの際の方角を知る方法も素晴らしいですが、このような記憶も優れているのです。