--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.831 (2010.05.18)

Q. ゆかりさんからの疑問

 私は、小学生の子どもを2人持つ親です。彼らは毎月毎月「給食便り」を持ってきてくれます。それに書かれているメニューの中で、どうしてもわけが分からないものがありますので、お尋ねしたいと思います。
 それは、「すきやきふうに(すき焼き風煮)」です。
 牛肉が入っています。糸こんにゃくや豆腐も入っています。その他の材料を見ても、「すき焼き」と称しても違和感のないものばかりです。
こんなにすっきりと「すき焼き」なのに、どうして「すきやきふうに」なのでしょう?
 自分が食べるわけでもなく、子ども達に聞いても、やっぱりすき焼きのようにしか思えませんし、お助けください。

私たちの知らない「何か」が欠けているのでしょうか?(星田)


A. 江戸川三連豚さんから

 材料の価格差は置いておきますが、種類そのものは同じとして、すきやきは、深さの浅い平鍋で作ります。一方、給食は、多くの人が食べるので大きく深い鍋で作ります。
 結果、材料は同じでも、片や肉、しらたき、ねぎ、春菊などグループ分けされた「すきやき」と、片や材料が全部ごっちゃになってるものは「同じ」とは呼べなかったのではないでしょうか?

A. jazzhannonさんから

 推測なんですが……、すき焼きの、「焼く」という工程を省いているから、「すき焼きと同じ材料を使った煮物」という意味で、「すきやき風煮」なんじゃないかな?

A. よしなさんから

 うちの会社の社員食堂には「かに玉風」というメニューがあります。「カニ」の代わりに「カニかま」が入っているので、「風」なんだろうと思います。
 でも、ゆかりさんのお子さん達の話によると確かに、「すき焼き」っぽいですね。そこで僕の個人的な考えを書きます。
 うちのすき焼きは割り下で牛肉や野菜、こんにゃく、豆腐などを入れて煮ます。これを生卵につけて食べます。
 ところが以前泊まった民宿のすき焼きは、まず牛肉を焼いてから割り下を入れていました。調べてみると地方によって焼いたり焼かなかったり、豆腐は焼き豆腐だったり木綿豆腐だったり、地方によっては牛肉ではなかったり……。いろいろなすき焼きがあるようです。
 つまり給食で「すき焼き」と言い切ってしまい、もし地方から転校してきた子が「こんなのすき焼きじゃないよ〜!」と言い出すかもしれないですし、そうなるともしかしたらいじめの原因にも発展してしまうかもしれません。そこで「風」とつけてお茶を濁しているのではないでしょうか?

 個人的なことですみませんが、最近ちょっと野菜が不足気味。図らずしもこの疑問の番号はNo.831(やさい)。お鍋の季節は終わり気味ですが、久しぶりに野菜たっぷりのお鍋でも食べたいですね。

A. ばりさんから

 いつも楽しく拝見させて頂いてます。
「すき焼き」と「すき焼き風煮」の違い、私もなんなんだろうと回答楽しみに待っていたのですが、先日、1冊に1ヶ月分の献立が載っていて、それが12冊シリーズになって365日分の献立が掲載されている本をパラパラと見ていたところ、「すき焼き」と「すき焼き風煮」が違う月に掲載されているのを見つけました。
 その本では「すきやき」は牛脂をひいてお肉を焼いて割り下入れて……ですが、「すき焼き風煮」は割り下(そのものでは無かったかもしれません)に材料を浸して味をしみこませ、それを煮るようです。
 材料は一緒だけど作り方が違うので「風煮」なんでしょうね(^_^;)

A. 子沢山さんから

「すきやきふうに」と謳っている以上、当の本人たちには、それが「すき焼き」ではないという認識があるのでしょうね。星田さんがご指摘のように、「すき焼き」に不可欠な「何か」が欠けているのでしょう。
 ただ、一口にすき焼きといっても、関東風、関西風など地域によって、また各家庭によって、さまざまなバリエーションがあるので、何が不可欠かということも安易には決められませんね。

 自分がこの問題を考えているうちに、すぐにピンと来たものがあります。「みりん風調味料」です。
 これはご存じのように、酒に分類される「みりん(味醂)」に、成分がよく似ているが、アルコール濃度がみりんの規定量に達していないため、みりんとは異なるものとして、販売されているものです。
 一方、伝統的なすき焼きの味付けには、本来日本酒やみりんを使うのが定石です。給食では、一定量以上のアルコールを含む、日本酒やみりんを使うことはできないでしょうから、どうしても本当の「すき焼き」と名のることはできず、方便として「すきやきふうに」としたのだと思います。

A. ごんたさんから

 「すき焼き」に対する「すき焼き風煮」というのは、食材や味付けの違いではなく、調理のプロセスや食べ方が違うという点にあるのではないでしょうか? 両者に食材の組合せ、味付などで明確な違いは無いでしょう(全ての地域に当てはまるかとうかは知りませんが……)。

 本来の「すき焼き」という料理は、一つの鍋を大勢の人が突付いて食べる鍋料理の一種ですが、給食で出される料理は個人の器に予め盛り付けた状態で食べます。こういった食べ方をしない限り、この料理を「すき焼き」と呼ぶわけにはいかず、「〜風煮」が付いたのだと思います。
 もっとも、すき焼きの語源には農機具である鋤で調理したという説がありますから、「すき焼き」自体も「鋤焼き」風の料理ですから、給食のそれは……何が何だか分からなくなります。

 もし「すき焼き風煮」と呼ばずに後者の料理を表すのなら、「(牛)肉と野菜の甘辛煮」みたいな名前になると思いますが、「すき焼きみたいな料理」と言った方が味を想像出来るのではないでしょうか?

 料理には他にも、使用する食材で「〜風」と名前を付ける場合があります。「すき焼き風煮」にキムチが入れば「韓国風すき焼き風煮」、トマトが入れば「イタリア風すき焼き風煮」なんて料理になるんじゃないかと思いますよ(笑)