--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.834 (2010.06.05)

Q. ミキさんからの疑問

 フランク永井さん、ラッキィ池田さん、ルー大柴さん、ガッツ石松さんなど、名字の前にカタカナを付けている芸能人って、多いと思うのです。
 でも、どうして、こんな変わった名前で売り出すのでしょうか? 名前のことですから、きっとそれぞれの方に経緯や思い入れがあるのだと思うのです。
 みなさんの知っている例を教えていただけないでしょうか?

パパイヤ鈴木さん、カズ山本さん……あれ、男性が多いようですね。(星田)


A. ざ〜さんから

 フランク永井さんなどの終戦直後の歌手の人達は、

1.外国(とくに米国)の歌手に憧れて歌の世界に入ったから、自分の芸名に外国の有名人の名前を冠した。

2.戦後、進駐軍のナイトクラブなどで歌を歌う機会が多かったので、米兵に名前の憶えがよいようにファーストネームに外国名を付けた。

 芸能界については全く知りませんが、テレビのインタビューで、誰かが言ってたのを聞いた憶えがあります。
 現在でも、音楽家の久石譲さんは、クインシー・ジョーンズに憧れて、久石譲(くいしじょう)と名付けたそうですよ。芸名の由来を訊ねると、そんな人結構いるんじゃないでしょうか。
 ラッキー池田さんは、ただ単に語呂がよいからだと思います。

A. きはくさんから

 皆様それぞれに由来があることでしょうね。でも、まさに「かわった名前」だから……という面もあると思います。

 芸能生活で芸名は看板です。
 企業の社名やブランド名、商品名でも、それぞれ性能機能を想起させながらスッと覚えてもらいやすい名をつけるのに苦心します。芸人の命名も同様です。
 平凡で見過ごされる名前では覚えてもらいにくく、覚えてもらえなければ仕事がありません。
 また、芸名はその人の芸の特長をイメージさせればなお良いでしょう。

「フランク永井」さんはその低音の美声で名を馳せたムード歌謡の名手ですが、デビュー当時の日本歌謡界は、欧米特にアメリカ流行歌の翻訳が主流でした。もしかすると「フランク・シナトラ」のヒットが命名時に影響したのかもしれません。

「ディック・ミネ」さんはご自身の説明によれば、類稀な男性器にちなんでの命名だそうです(「ミネ」は本名(姓)のカタカナ表記)。
 ディック・ミネさんと同時期に彼のヒット訳詩歌「ダイナ」をレコードに吹き込んだ歌手として「リキー・宮川」、「テッド木村」とあり、当時を知る我が母に言わせると「その頃は歌手といえば外人(カタカナ)名」の観があったようです。

 翻訳歌謡の流行から時代が下り、歌手に英語風の名をつける流行は終わりました。苗字の前にカタカナ名をつけるのは、もうカッコ良さより古臭さを感じられるようになりますと、今度はその滑稽味を狙ってかお笑いジャンルで芸名に採用される時代となりました。
 ラッキィ池田さん、ルー大柴さんはそんな時代の命名ではなかったかと拝察。
 ガッツ石松さんは、プロボクサー時代にまず「石松」、後に「ガッツ」を加えたそうで「ガッツのある」選手になれ、という祈りがこめられていたそうです。ガッツさんは、ご推察のとおり強い思い入れのあるお名前だったのですね。

他の事例をご存じの方は、もっと教えてくださいね。(星田)