--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.859 (2010.10.09)

Q. ごまさばさんからの疑問

 先日、家族との会話の中で「大阪の『天保山』が日本でいちばん低い山だ」という話をしたら、妻が「あれは丘だと思ってた」という話になりました。
 いろいろ検索して調べてみたら「認知度の差だ」「明確な定義はない」など様々意見があり、実のところどうなのか疑問を感じました。
 さらに調べてみると、実に日本のあちこちに「日本一低い」を主張している「山」があることも分かりました。
 これらは、国土地理院が「山」と認めたら「山」になり、認められないなら「丘」と定義されるのでしょうか? それとも山は山?
 古墳なんかは、「墳丘」と呼ばれるので「丘」だと思いますが、認められれば山にもなるのかな? などと疑問が次々と湧いてきました。
 この辺り、すっきりさせたいので、よろしくお願いします。

ついに、来ましたね〜、この疑問。先日、山地と山脈のちがいの疑問がありましたが、もっと根本的な疑問です。さあ、答えがあるのかどうか?(星田)


A. 岐泊さんから

 ウィキペディア内の「ノースダコタ州の地理」項の説明文によれば、合衆国では「学術的な区分ではないが、標高600m(2000フィート)を山と丘の区分としている」そうです。
 日本でも国土交通省あたりで何かそんな便宜上の境界がある……と面白いのですが、探し出せませんでした。
 基本語句の定義から法令を書き起す習慣が、法案時点で英語翻訳を必要とするようになった戦後のものだとすれば、そういうものは存在しないのかもしれません。
 さて、私の推論ですが、結論から申しあげると「山と丘は厳密には区別できない」。
 むしろ「山」が平地の森や林を指す用例が東日本各地に現在もありまして、古語において「やま」の本義はそちらだったと主張する学者さんもいます。 また漢字にさかのぼって見ても、「山」と「丘」はどちらも、

  (1) 自然にできた隆起した地形
  (2) また人工のそのような地形
  (3) お墓(土盛りがあるからでしょう)

と、同じように使われています。
 山陵、墳丘……、どちらも(天然か人工かは不問で)、お墓です。
「人間至るところ青山あり」という文の「青山」もお墓、人のいる所にはどこにでもお墓があるという意味で、この「青山」のサイズですが、直径2mくらいかもしれません(庶民のお墓だとそのくらいです)。
 ただ「○○山」と呼ぶ寺院はありますが、「○○丘」はありません(日本だけでなく中国でもです)。
 使い方の違いはそれくらいかも。

A. ざ〜さんから

 日本では、はっきりとした線引きはなかったように思います。

「およそ300mまでのなだらかな隆起面」

程度の定義じゃないかと思います。
 この300mという数字は、「1000フィート未満の隆起面は、山ではなく、丘に分類する」という英国の定義を参考にしているのだと思います。
 映画「ウェールズの山」は、この山と丘の分類について、侃々愕々の騒動を描いたものです。DVDが安く売られてますから参考にどうぞ。