--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.864 (2010.10.30)

Q. トダコさんからの疑問

 よく漫画やテレビの手術前のシーンで、術者が胸の前くらいに両手を上げ、相手に手の甲を見せるような(自分に手のひらを向ける)ポーズをしています。
 あれはなんなのですか?

よく見かけますよね。「私は何も持っていません」という挨拶かな?(星田)


A. moon-jellyさんから

 もし雑菌が腕に付いている場合、手を下げると、手袋に降りてくるかも知れないので両手を上げていると聞きました。

A. こみゃんさんから

 せっかく手を消毒して、無菌状態になっているのに、何かに無意識に触ってしまわないように、両手を胸の前で合わせています。
 そういうふうに学生時代に教えられた遠いかすかな記憶……。

A. おせっかいさんから

 私見です。
 手術関係者は、必ず無菌の手袋を装着しておりますの。絶対に他の物と接触しないように守るためだと思います
 万一、雑菌の付いた物と接触した場合、手袋にばい菌が移り、それが患者に悪影響が出ては困りますので、あのような姿になるのでないでしようか

A. いっす〜さんから

 手術は感染防止のために、滅菌操作が必要です。
 滅菌手袋をつける前にも、しっかりとブラシを使って手洗いするのですが、指先がいちばん清潔である必要があるので、水が指先に垂れてこないこうに上に向けておきます。
 そして、手袋装着後も、清潔にした指先を不潔なところに触れさせないように意識して、指先を上にあげるのだと思います。

A. nagiさんから

 一言で言えば、「両手を不潔にしないため」です。
 手術に携わる医師は自らの手で術野に感染を起こさないように、皆、手洗いをし、滅菌手袋や滅菌されたガウンを着て術場に入ります。
 手洗いでは両方の手先から肘まで念入りにブラシで洗い、滅菌水で洗い流しますが、両手を肘より上に上げておかないと肘付近についた不潔な水が、清潔にした手に滴り落ちてきてしまい、せっかく手洗いをした意味が無くなります。
 また、手袋やガウンを着た後も、基本的に胸より下は不潔との考え方ですので、両手を下げずに肘よりも上にしています。
 ただ、ドラマなどでよく見るように両手をバラバラに上げておくことはないと思います。お祈りをするように目の前で両手を組んでおくのが普通です。

A. 子沢山さんから

 手術前の手や腕のあのかっこうは、手をどこにも触れさせず、少しでも清潔を保つためにとるものです。
 もともと、人間の皮膚には多くの細菌が常在していますが、これらの細菌は普通に手を洗ったくらいではびくともしません。そのため外科医は、手術するエリアが、自分の手からの細菌で汚染されないように、何重にもガードをします。
 手術前には、手のみならず肘あたりまでブラシを使って消毒液で丹念に洗います。その洗った手では、もはややたらと物は触れませんから、足で操作できる水道の滅菌水で消毒液を洗い流し、使い捨て滅菌ペーパータオルで手を拭き、滅菌済み手術衣をひとに着せてもらい、最後に滅菌手袋をして、装着完了となります。
 この後、手術室に入るのですが、この清潔になった手は、手術まではどこにも触れてはいけません。宙に浮かしておかなければならないのです。
 ところが、幽霊のうらめしや〜のかっこうでは、腕や手に後から付いた汚れが、いちばん清潔が求められる指先に移動してくるかも知れません。そのため、指先を天に向けておかなければならないのです。
 その意味では、万歳のかっこうがいちばんいいのかも知れませんが、長くは続けられないので、例のかっこうに落ち着いているわけです。
 ちなみに、ウルトラマンのライバル、バルタン星人の腕のかっこうも、この手術前のものと同じです。これは、バルタン星人特有のハサミ状の手の部分が、当時の材質では軽量に作れず重くなってしまい、スーツアクターがその重い手をいちばん安定して保持できるようにと、あのかっこうになったのだそうです。

バルタン星人の思いが伝わってくるようです。(星田)