--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.869 (2010.11.27)

Q. けいこさんからの疑問

 水に潜ったときに、耳や鼻の中に水が入ってこないのかと心配です。どちらかというと耳の方が心配です。
「鼓膜があるから大丈夫」という人もいますが、鼓膜ってずいぶん奧にあると思うのです。そんな奧まで水は入り込むのでしょうか?
 水に潜ったとき、耳の穴のどのあたりまで水が入るのでしょうか?

私も、潜るのは苦手です。私は、鼻に水が入るのが怖くて、水の中で1回転できません。(星田)


A. よしなさんから

 耳は、外耳、中耳、内耳の3つにわけることができます。鼓膜の外側は外耳、鼓膜よりも内側が中耳となり、中耳は大部分が骨で覆われています。その空洞になっている部分を中耳腔あるいは鼓室よ呼びます。中耳腔の下からは耳管と呼ばれる管で咽頭上部の側壁につながっています。この耳管は普段は閉じているのですが、つばを飲み込んだり、あくびをしたり、鼻をつまみ、口をふさいで息を吐こうとしたときなど、特別な状態になると開いて、空気が出入りできるようになります。図がないとわかりにくいですね。
 さて、水がどこまで入るかですが、鼓膜の手前の外耳の途中までだと思います。耳垢がたまっていると入った水がなかなか抜けずに違和感が長続きしてしまいます。さらには雑菌が繁殖する場合もあるそうなので、気をつけましょう。
 なお、「鼓膜があるから大丈夫」というのは大きな勘違いです。
 潜って水圧が高くなると鼓膜にも(耳に残った空気を通して間接的に)水圧がかかります。中耳腔は1気圧のままなので鼓膜は外側から内側に押されて破れます。
 これを防ぐには中耳腔の圧力も高めればよいわけですが、このときに耳管を開きます。この動作を「耳抜き」と言います。口と鼻をつまんで息を吐こうとするわけです。すると耳管が開いて中耳腔が高圧になり、鼓膜が外側からも内側からも押されて平衡になり破れません。
 逆に上昇するときは、ゆっくり上昇すれば自然と圧平衡は保たれますので、特に何もする必要はありません。素潜りでも耳抜きをしないと鼓膜は簡単に破れてしまいますのでご注意を!