--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.870 (2010.12.04)

Q. MERRYさんからの疑問

 僕は、「富士山が日本一高い山だ」というのは小学生の頃から知っていますが、昔の人(江戸時代とかそのころ)の人は、どうやってそれを知ったのですか?
 その頃から富士山は別格視されてた感じがするのですが。富士山が日本一高い山だとわかったのは、昭和に入って測量技術が発達してからだと思うのですが……。

ここのところ、山関連の疑問が多いですね。
 「高さ日本一」かどうかはさておき、「日本一の山」だとは思っていたでしょうね。姿がきれいですしね。(星田)


A. YOSHYさんから

「富士山」は最初から、日本一「高い」山だったのでしょうか?
 種々の古典と言われるものにはよく出ており、知識人層には日本中の高山の情報があったとは思いますが、単に極々一部の人の「知識」の状態であったと思います。
 江戸時代になると交易により、各地の情報が日本最大の消費地江戸に集まるわけですが、結局海路もしくは街道を通るにしても、そこを中心にした情報が主なものだったと思います。
 確かに富士山は、独立峰のため目立ち、並はずれて高く、美しく、信仰の対象となる等、畏敬の念を起こさせるものですが、おそらく、「日本一」の後には高いという形容詞がつかなかったか、ついていたとしても確たる証拠もないまま身近な山としてはいちばん高いとのことではないでしょうか。
 ところで、日本の高山100傑を見ますと、アルプス(北・中央・南を含む)を除くと1位 富士山(3776m)、14位 御嶽山(3090m)、33位 赤岳(2899m)、後は八ヶ岳連峰の山々が続きます。
 江戸時代に、アルプスの山々が庶民に一般的に認識されることはなかったように思います(それどころではなかったと思います)。
 富士山は「江戸」からよく見え、皆が身近に感じ、よく知っていたということだと思います。そのほかの比較可能な山では、富士山と背比べをしたという八ヶ岳は富士山よりは低い存在であることが明白になっております。
 木曽の御嶽山も高いですが、2割以上低いとなれば日本一高いとは認識されなかったのではないか。
 明治時代に入り、正確な測量がなされ、アルプスの山々が庶民に明らかになったのと同時に、富士山はやはり日本でいちばん高い山であったということが明らかになったというのが真相ではないかと思います。

A. 少伯さんから

 日本一高い山としての富士山は、明治時代の大日本帝国陸軍参謀本部測量局(後、陸地測量部、国土地理院につながる)による全国の地図作成のための測量が初めてのことになると思います。
 当時の機器・技術からすると驚異的な精度で、現在、国土地理院から発行されている地形図の元となっています。
 それまで、富士山が日本一と言われる所以は、その姿の美しさからで江戸時代以前は日本一美しい山として知られていたものと思います。
 蛇足になりますが、富士山の高さの測量だけならあの伊能忠敬も行っていますし、その他個人、団体の多くが試みています。