Q. kztさんからの疑問
子どもの頃から疑問でした。
なぜ、紙なのに「ボール」? 「ボール」というのは丸い玉のことなのに、みんな普通に使っていて、ヘンだとは思いませんか。
段ボールの「段」については、紙が二段になっていて、間に空隙がありますから、納得がいきます。構造的にはいわゆるサンドイッチ板で、これにより面外の曲げ剛性を高めています。でも、「ボール」についてはちょっとねえ。
ボール紙や段ボール以外に「ボール」が付く紙って、他にあるでしょうか? この「ボール」って、なんのことでしょうか。
★確かに丸くはないですよね。ということは、私たちの知らない「ボール」?
関連して、段ボールの蘊蓄も送ってくださいね!(星田)
A. ロビンソンさんから
私は段ボールの紙を作る工場で働いてます。
段ボールの「ボール」は英語の「ボード」(板紙)が由来だそうです。ティッシュやお菓子の箱なんかはボール紙(白板紙)と呼ばれてますよ。
A. はらぐーさんから
ダンボールの「ボール」は、ボール紙の「ボール」です。
ボール紙とはわらを原料にした厚紙(板紙)のことで、ボールの語源は英語のボード(Board)の最後の子音「d」が抜けてしまったもの。
そのボール紙を元に「段」をつけて波状に形成したから、「段ボール=ダンボール」。命名したのは、1909年、段ボールの国産化に成功した井上貞治郎氏です。段ボール自体の発明は、19世紀イギリスです。
A. 賢さんから
「段ボール」の「ボール」は「球」を意味する「ball」ではなく、「厚紙」(本来の意味は「藁で作った厚紙」)を意味する「board」です。
「board」は「板」という意味では「ボード」とカタカナ語訳されていますが、「ボール」と訳されたのは、聞き取った音をそのまま訳していた時代的な原因でしょう。段になった厚紙だから「段ボール」です。
A. Rinさんから
たしかに疑問に思いますね。
私は、ボウリングが球のボールにingをつけたのではないと知ってびっくりしたことがあります。正しくは「bowling」ですが調理用具のボウルは同じつづりなのに違う意味、さらに穴掘りは「boring」でこれも違う、複雑すぎ。
段ボールの「ボール」は、板を表すボード(board)が語源のようです。つづりをローマ字読みすると分かりやすいですが、ボールドと呼ばれたこともあったそうで、やがてボールになったそうです。
なんだか「ボール」で表す言葉が多すぎて不便ですが、日本語には同音異義語が多いために、謎かけなどの言葉遊びができるのでしょう。
A. 暮雪さんから
以前私も「だんボール」の「だん」の字がわからなくて、「だん」も「ボール」と同様に外来語で「ダン」と書くのが正しいのか、その部分は本来の日本語で「段」でよいのか疑問に思って、辞書を引いてみました。「だん」は日本語の「段」で、「ボール」は板を意味する「ボード(board)」だとわかりました。粗雑な再生紙でできた丈夫な板紙のことを「ボード紙」と言いますね。
英語の board が日本語に入って、一方では「ボード」と呼ばれ、他方では英語の発音が近い「ボール」と呼ばれるようになったのではないかと思います。
「段」は、2段重ねのボード紙の間に波形のボード紙を挟んだものという意味だろうと思います。英語では「段ボール」は
cardboard というようです。
A. アンギラスさんから
一言でいえば、BALL
ではなく、BOARD=ボード=板 が訛ったものです。
日本語では「板紙」と言いますし、板紙=ボール紙 以外の使用は無いと思われます。
さて、段ボールに関する薀蓄ですが、日本製の段ボールは殆ど古紙が原料で、紙の繊維が短く切れているので紙としての質が悪く、古紙としての買い取り価格が安いのですが、米国などは森林資源が豊富だという背景もあるのでしょうが、繊維の長い新しいパルプを加える割合が多く、したがって古紙としての品質が良いので買い取り価格も割高だそうです。
他には、日本では、中紙の波形が大きく厚いa段、小さく薄いb段の2種類があるようです。
A. ごんたさんから
段ボールの「ボール」は「球」のことではなく、ボール紙という紙の種類から来ているのです。
この「ボール紙」とは菓子の箱やトイレットペーパーの芯などに使われている硬い紙で、通称「板紙」と呼ばれており、段ボールもこの紙で出来ています。
おそらく、この「板紙」が日本に来た際に、誰かが聞き間違えて、「ボード・ペーパー(と言ったかどうかは分かりませんが)」を「ボール〜」と聞いてそのまま「ボール紙」と訳してしまったのだと思います。
私もこの疑問に関しては前々から不思議に思っており、絶対に何かボールにまつわる由来がある(ボールを輸送する際に使われたから、とか、製造工程でボールに似た道具で波状の部分が作られている、など)と想像していたのですが、全く関係なくて拍子抜けしてしまいました。
A. 子沢山さんから
確かに、昔に比べるとボール紙というものを見る機会はめっきり減ったのかもしれませんね。
自分が子どもの頃、いちばん普通にボール紙を見たのは、ワイシャツを買ったときでした。新品のワイシャツが入った袋には、ワイシャツの形が崩れないように、片面灰色、片面白色の30cm×20cmくらいの硬い紙が必ず一緒に入っていました。
これがボール紙です。最近は、入っていないことが多いですね。資源節約の結果でしょう。
もう少し厚いボール紙といえば、めんこがありました。今の子どもはめんこ遊びなんてしないでしょうけど、その形くらいは知っているでしょうか?
また、最近でも自分がボール紙を見るのは、職場で帳票や伝票が印刷屋さんから届いたときです。千部単位の帳票が紙に包まれて配達されるのですが、帳票の底や間には必ず厚さ1mm以上はあろうかという分厚いボール紙が入っており、帳票が丸まらないようにしてくれてあります。
お分かりでしょうか? このように、厚みのある板状の紙を広くボール紙と呼ぶのです。その多くは紙の繊維が粗く、紙自体に何かを書くことを目的としているというよりは、紙自体がその構造を保って他の何かを支えたりすることが目的です。
その目的が構造を保つことなので、もともとは漂白や着色をされず、素地の灰色や黄土色をしているのが普通でしたが、最近は人目に触れる表面だけでも、白色など着色されていることも多いと思います。
ですから、ティシューペーパーの箱なんかもボール紙です。あとは書籍のハードカバーなどもボール紙といっていいですね。
もともとボール紙とは、藁などの粗い繊維を元に作られた硬い板状の紙を指したようですが、実際は木材パルプが原料です。
語源は、英語のboard、ボード(板)からきており、かつてboardを「ボールド」と読んだことから「ボール」という音が生まれたようです。
そして段ボールは、そのボール紙を使って作られ、段々の構造があるため、この名がついたのです。もっとも現在では古紙を原料とするようですが。
最近は、プラスチック段ボールというのがありますね。もはや「ボール紙」ではないのですが、ご愛嬌ということで……。
A. よしなさんから
「段ボール」の「ボール」は「ボール紙」の「ボール」だと思っていましたが、改めて考えると「ボール紙」の「ボール」って何なんだろう?
そもそもボール紙とは藁パルプから作った板紙のことだそうで、それを多重構造にしたものが段ボール。で、問題のボールは、「ボード」から来ているそうです。ネイティブの人が「ボード」と発音すると「ボール」と聞こえなくもありません。段は、断面が階段のように見えるからだそうです。
最近、段ボールメーカーの人と話す機会がありました。昨今のネットショッピングなど通販が流行っているおかげで、段ボール業界は数少ない景気のいい業界なんですって。
某ビールメーカーが宣伝して有名になっていますが、缶ビールの段ボールの角を切って八角形の段ボールにすることで紙の使用量を15g削減したり、使わないときはコンパクトにできたり、梱包時にホチキスやテープを極力使わないですむような複雑な形状にしたりと、付加価値をつける開発が大変なんですって。
ちなみに缶ビールの段ボールを15g軽くすると、その一社で、数万トンの二酸化炭素を削減できるそうです(製造時+流通時の合計で)。
段ボールのリサイクルは、粉砕して水に溶かしてスラリーという状態にします。ここで遠心分離と濾過で、ホチキス、テープ、砂などの不純物を取り除いてから紙の状態にします。少量ならホチキスやビニールテープが混ざっていても問題ないそうですが、大量に入ってくるとメンテナンスが大変なので、ケガをしない範囲でテープやホチキスなどは取り除いて欲しいというのが本音のようです。
★e-arfさん、くまくまくまたさんからも、回答をいただきました。
ありがとうございました。
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