Q. 花子さんからの疑問
家の近くで電柱に登って作業をしている人を見て、疑問を思いつきました。
電柱って、どれくらいの深さまで埋まっているのですか? また、どうやって立てているのですか?
電柱を立てているところを見たことがないので、教えてください。
★倒れたら大変だから、かなり深くまで埋まっているのでしょうね。
――というのは一般的な考え方で、案外50cmくらいだったりして……。(星田)
A. くろちゃんから
昔、短期間ですが電気工事の仕事をしていました。
電柱と言えば現在はほとんどコンクリート柱で、長さは一般的なもので16m、埋設後の高さが14mですので、地中には2m埋まっています。
電柱を立てる際には、まず電柱基部の直径より少し大きい穴を浅く掘り、そこに専用のドリルで穴を掘り下げます。その後クレーンで電柱を立てながら基部を穴に入れて行きます。
電柱を立てた後は電線を張り巡らすのですが、実はこの電線が互いの電柱を引っ張り合うことで、結構倒れにくくなっているんですよ。
最近は都会部では送電線の地中化が進み、電柱工事を見る機会は少ないでしょうね。ちなみに、小さめの電柱も立っていますが、こちらは電話線の専用です。工事の管轄が違います。
A. しげ3さんから
電柱の深さは、全長が15m以下の場合は全長の6分の1以上、全長が15mを超える場合は2.5m以上という規定があるようです。
〜以上という規定ですので、もしかしたら、同じ電柱でも地上高が若干違っているのがあるのかもしれません。注意して見てみようと思っています。
A. あきあきさんから
私は電気工事の仕事をしてまして、何度か建柱したことがあります。
電柱はコンクリート柱の6分の1以上埋める必要があります。たとえば、地上に10m出ている電柱は、12mの長さのコンクリート柱で2m地中に埋まっています。
建柱の方法ですが、手掘りではしんどいので、オーガ車という車を使います。オーガ車の後部にはクレーンと巨大なコルク抜きのようなものがついています。その巨大なコルク抜きを回転させて引き上げる事の繰り返しでだんだんと穴を深くしていきます。
規定の深さが掘れたら、クレーンで電柱を吊り上げてその穴に落とし込み、まわりを埋め戻せば完成です。
余談ですが、コンクリート柱の中は空洞です。
一般的な作り方は、筒の中に鉄筋をセットし、コンクリートを流し込んで高速で回転させて遠心力でコンクリートを外側に寄せます。コンクリートが固まるまで回し続ければ中空の柱の出来上がりです。
もちろん、一般人が作るわけではなく、メーカーが工場で作ってるんですけどね。
A. はるまさんから
中学2年生のとき、大阪陸軍造兵廠の疎開工場建設に勤労動員されました。
その作業の中の一つが電柱の穴掘りで、3人一組で1日1穴がノルマでした。 電柱を立てる場所は当然決められていて、穴の形も設計値が決められていてますが、正確な数値は忘れました。
深さはその場の土の固さや湧き水によって若干許容値があり、2m近く掘った記憶があります。
掘る形状や作業手順は覚えていますが、質問の範囲外なので、省略します。 今は専用の作業機械を使い、いきなりドリルで丸い穴を掘って立てていますね。
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