TVや映画で活躍する「正義の味方」は、ほとんどの場合「宿敵」として悪の秘密結社や大悪人が存在します。
正義の味方はその「宿敵」との戦いを目的としており、通常の事件事故の類を解決することはあまりありません(それらの解決は自分たちにとって他愛もないことだ、という表現が描かれるケースはあります)。
正体を隠す理由としての理由として私が考えるのは
(1) 敵に個人情報を知られてしまうと、家族や親類、友人や近隣の住民などに迷惑が掛かる(人質にされたり、攻撃対象になる)
(2) 何でも解決してくれると思われると本来の活動(宿敵との戦い)に専念できない。
(3) 普段の生活に支障をきたす(差別に近いかもしれません)。この辺は芸能人と同じようなものかと。
(4) 実はいろいろ法律に違反していたりする(秘密基地を無断で造ったり、大量破壊兵器を所有している、乗り物での移動などで交通違反など法に反する行為を行っている、など)ので、警察に捕まらないようにしている(ヒーローがあまり警察や軍隊などと連携しないのはこのせい?)
あまり現実的な想像をすると、ヒーローもいろいろと大変なんだろうな、なんて思ったりして、見方が変わるかもしれませんね。
ヒーローたちが正体をかくす理由を考えてみました。
なお、ウルトラマンのように宇宙から来た者たちとくらべて、仮面ライダーや大部分の戦隊ヒーローのように、地球人が変身するものは、やむをえない場合は正体がばれるのを覚悟で人前で変身するなど、深刻ではない傾向があるようです。
1.怪物がいないときや事件が起きてないときは休みたいのに、ものめずらしさで訪ねてこられても困る。これは芸能人もオフの日は同じかも。
2.人類の力で解決できるときは自力で解決するほうがいいのに、やたら頼りにされたら困るから。
3.見た目が明らかに人間と違う、ロボット系や妖怪系は差別されるのや笑われるを嫌がって変身する。
4.そのままでは街中で目立ちすぎるから。トランスフォーマーが乗り物になるのは、これでしょう。
5.相手の悪事を暴いたり、弱点やアジトを探ってから戦う場合、調査活動は一般市民のほうがやりやすいから。時代劇でも水戸黄門一行や遠山の金さんの例があります。
6.正体がばれたら「地球または住んでる町を去る」「動物になってしまう」などの罰則があるものも(ウルトラマンA、パーマン、ポワトリンなど)。
時代劇ではありますが、必殺仕事人などは活動形態自体が違法ですので、ばれたら終わりです。
7.敵にも正体を知られていない場合、知られたら家族や同僚、近所の人々が巻き込まれ犠牲者がでてしまう(帰ってきたウルトラマンやメガレンジャーで身内の被害が出ている)。
8.主人公が悪の組織に追われる身の場合、ふだんは正体を隠し、有事のときのみ本来の姿に戻り能力をつかう。24時間ねらわれたら睡眠も入浴もできませんから。
9.ヒーローとは別のキャラでちがう活動をするため。タイガーマスクは、「伊達直人」の名で孤児院の子供たちを助けていました。ニュースでも見たでしょ?(笑)
10.未来から来たヒーローの場合、好奇心旺盛な人に未来はどうなるのか聞かれることもあるでしょう。しかし、未来は自分の力で作るもの。自己暗示や無意識で予言を実行する危険もあり、やはり未来は教えてはいけません。
なお、正体を信頼できる少数に明かして協力してもらうウルトラマンメビウスやスイートミントの例もあり、警察やレスキューの特殊チームの形態のヒーローは正体を隠さないものもあります。後者は「変身して」とむやみにいわれないため「変身時間が限られ、変身後は数時間は再び変身できないため、有事に変身できるようむやみに変身しない」「司令官の許可なしに変身できない」などの決まりがあるようです。もちろん警察や消防の通常装備で解決できる事件は地元の一般隊員に任せます。
このように、さまざまな理由があるわけですが、有名人が芸名やペンネームを使う理由、私たちがハンドルネームを使う理由も、改めて考えてみるといいでしょう。ヒーローたちに親しみがわくかもしれません。