Q. かっちゃんからの疑問
お椀のふたが開けにくい！――ことってありますよね。
でも、ふたをどうやって開けるのかという疑問ではありません。お椀のふたが開けにくくなる理由が知りたいのです。よろしくおねがいします。
★いいですね〜、こういう疑問。
でも、やっぱり、ふたを開ける簡単な方法があるのなら、知りたいな。
開けちゃったふたを、再び、開けにくくする方法はないのかな？（星田）
A. しげ３さんから
お椀の中に温かい物を入れるとその熱で周りの空気が膨張します。
お椀とふたの隙間には蒸気からできた水滴がパッキンのように作用して密閉されます。その状態で、ふたをして置いておくと徐々に中の物が冷めてきます。冷めると膨張していた空気が収縮します。すると、お椀内部の気圧がさがって開けにくくなります。
瓶詰めのジャムをイメージして頂ければ良いかもしれません。
開けるには、お椀の縁を楕円形になるように抑えると、ふたとお椀の間に空気が入り、開けられます。
最初から冷たい物を入れれば、開かなくなることないと思います（笑）。
A. あきあきさんから
いつも楽しく読ませていただいています。
茶碗のフタが開き難くなる原理ですが、気圧の関係だと思います。
熱い液体と空気の入った茶碗にフタをして、少しさめると茶碗内の空気の体積が減ります。そのため、茶碗内の気圧が下がり、フタが吸いついたようになります。また、フタについた蒸気が液体になり、フタと茶碗の間に溜まって密閉性を良くしているのも原因の一つと思います。
余談ですが、これと反対の原理で濡れた机に空の茶碗を置いて、熱い液体を入れたときに、糸尻の中の空気が膨張して茶碗がスーッと滑りますよ。
フタを開ける方法としては、茶碗の中に空気を入れるのが一番手っ取り早いですので、茶碗を握って変形させ、フタと茶碗の間から空気を入れれば簡単に開きますよ。
A. よしなさんから
お椀にお吸い物など熱々のものをよそってふたを閉めると、一緒にお椀の中に入った空気も暖められて膨張、すなわち体積が大きくなります。体積が大きくなった分はふたの隙間から出ていきます。
そして、そのお椀が運ばれてきて僕らがいただくころには、空気の部分は冷やされて体積が体積が小さくなります。
このときには、隙間はお吸い物などの液体が付着し、隙間がうまってしまいます。このため外から空気が入らないので、中の気圧が下がってしまいます。そうなるとなかなかふたがあかないということになります。
なお、あけたい場合は縁の部分をつぶすようにします。上から見ると円形のお椀が楕円になるようにつぶします。するとふたは円形のままで隙間ができて、そこから空気が入るのであけやすくなります。
ちなみに、お味噌汁やお椀を置いた食卓などが濡れていると、ツーッとお椀が滑り出すことがあります。
お椀の底と食卓の隙間内に溜まった空気が温められて膨張しますが、食卓が濡れていると空気が隙間から出られずにお椀を浮かそうという力が働くため滑り出します。お椀が落ちてヤケドしないように注意しましょうね。
A. ハッシーさんから
お椀に詳しいわけではないですが……。
熱いお汁を入れてフタをすると、隙間は蒸気で満たされます。少し冷えてくるとお椀の隙間の蒸気が水滴になり減圧されます。すると、フタがぬれているので空気が侵入しにくく、フタは、お椀の方に大気の圧力で押され、ますますぴったりとくっついてしまいます。
開けるときは、お椀の縁をぎゅっと押しつぶすように押さえると、シュッと言って空気が入り、簡単に開けることができます。くれぐれも、大気圧に逆らって引っ張らないように！
引っ張ったが最後、あっちっち、となって大変です。
これと、逆の現象もあります。
そこの濡れたお椀にお汁をついで、テーブルにおくと、お椀が勝手に動き出します。へたをすると端から落ちてひっくり返りそうになります。
これは、お椀の下の空間にある空気がお椀のお汁に温められて、膨張し、ちょうどエアーホッケーの玉よろしくごくわずかテーブルから浮いている状態になっています。空気がごく少量でも漏れると、それに押されて勝手に動きます。で、おっとっと、あっちっち、となるわけです。
A. 松原 虹さんから
お椀と蓋だけでとじ合わせても開けにくくなることはありませんが、中に湯を入れ、蓋とお椀の間をぬらすことで密閉度を高めると中の空気圧が下がった場合、蓋が開けにくくなります。これは大気圧により、蓋が強く圧されることで起きます。
これと同じことは冷蔵庫に仕舞った瓶詰めを開けるときにも見られます。
では、逆に発想して、開けた蓋を閉めて、もう一度開けにくくする方法は、内圧を下げるだけですから、器をぬらし、蓋を強く押さえつけるだけでも同じことができます。ですが、その際にとじ合わせた後で冷蔵庫で冷やすとよいです。
★アンギラスさん、おせっかいさん、ごんちちさん、江戸川三連豚さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。
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