--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.920 (2011.08.05)

Q. 祐之さんからの疑問

 オリンピックのメダルについて、上から、金、銀、銅となっていますが、そう決まったいきさつが知りたいです。
 金メダルを英語で言うと「ゴールドメダル」で、銀メダルが「シルバーメダル」ですが、銅メダルは何と呼ぶんですか?。『聖闘士聖也』を見ると、銅はブロンズだった気がします。
 それでまた疑問ですが、ブロンズ像のブロンズとは、どういう関係があるのでしょうか?

「ブロンズ」は、青銅ですしね〜。
 でも、「ブロンズ」って言ってるかなぁ。どうしてかな?(星田)


A. 子沢山さんから

 自分の知っていた雑学を、一応ネットで確認しながらまとめてみました。
 1896年にアテネで開催された第1回オリンピックで、優勝者に銀メダル、準優勝者に銅メダルを授与したことが、オリンピックメダルの始まりです。
 第2回のパリ大会から、現行と同様の金、銀、銅メダルになったのですが、運営の混乱からメダリストにメダルが届いたのは2年後だったそうです。
 なぜ、金、銀、銅かというかという疑問ですが、これらの金属が貨幣金属と言われるように、貨幣として使われてきた長い歴史があるからだと思います。
 当然、金貨がいちばん価値があり、続いて銀貨、銅貨と価値が下がっていきます。メダルも、これにならったと考えられます。
 また、これら3種の金属は、元素の周期表上、第11族、遷移金属と呼ばれる同族で、腐食しにくく安定した性質を持っていることが貨幣金属として扱われている所以です。
 さらに多くの金属が銀白色である中、金や銅は他に見ない特徴的な色を有すること、さらには他の金属を混ぜることにより色を変化させることができるなど、硬貨を色により判別しやすくなることも貨幣に使われた理由のようです。
 銅(copper)の合金としては、錫を混ぜたものを青銅(bronze)、亜鉛を混ぜたものを黄銅、真鍮(brass)、ニッケルを混ぜたものを白銅(cupronickel)、ニッケルと亜鉛の両方を混ぜたものを洋白、洋銀(nickel silver)と呼びます。
 日本の貨幣でいうと5円玉は真鍮、10円玉は青銅、50円玉と100円玉は白銅、500円玉は洋白です。
 ただし、10円玉には錫に加えて亜鉛も入っている一方、それらの混入割合が低く、かなり純銅に近い組成になっています。
 ただ、ここからわかるように、青銅は必ずしも美術館にあるブロンズ像の暗い色ばかりではなく、ピカピカ光る新品の10円玉の色も青銅の色なのです。
 また用語として、bronzeという語は、必ずしも青銅だけではなく、銅合金を総称して使っていることがあるというのも、誤解を招く原因になっているかもしれません。
 オリンピックのメダルに関してですが、金メダルと銀メダルにはオリンピック憲章で大きさや純度などの細かい基準がありますが、銅メダルには特に触れられていません。そのため、銅メダルの組成はオリンピック大会ごとに様々で、bronze medalといっても、実は銅と銀との合金であったり、真鍮であったりしたこともあります。この場合も、銅の合金という広い意味でbronzeという言葉を使っているわけです。